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松江市法吉地区
【コースの概要】
この地域の真山は(256m)は、太平山からの尾根が南へ下り、松江城山の
亀田山に連なる途中にあります。白鹿山は、その途中の鳥の子山から分かれた
連山の南端にあり、その西の丘は比津が丘を経て、宍道湖の北岸の南平台に
通じています。2つの山の尾根の間が北田川流域であり、その主体が法吉地区
となっています。
法吉北部地区は、平成4年に「みんなでつくる身近な自然観察路」として選定
しています。これは白鹿山、真山、常福寺川流域の広範な領域にわたっています。
残念ながら、住宅地などへの開発が進み、自然環境のバランスも危ういものになりつつあります。
しかし、奥部山地は自然林や渓谷などがあり、貴重な陰地植物群落などの観察も可能です。
また、この地域はホタルの観察地として知られています。常福寺川の上流では
ゲンジボタル、白鹿谷の田、付近の溝や川にはヘイケボタルが観察できます。
特定の谷沿いにはヒメボタルの観察ポイントもあります。近年全域で数を減らしてきたホタルも、
地元の保護活動によって少しずつ回復しつつあります。
常福寺川コース(a)
No.1(始点)からNo.2区間の特徴 |
■No.1(始点)からNo.2区間の特徴 スタート地点から上流の左岸は、伊吹山の山麓となり、約100mほどの林が帯状に続きます。その中には、100年余りの大木もあり、昔からの林の姿がうかがえます。林には、タブ、カシ、ヤマモモ、ナラガシワ、エノキなどの高木、その下部にモチノキ、ヒサカキ、ヤブツバキ、ネズミモチ、ヤドリギなどが添っています。外側には、アカメガシワ、エゴノキ、タカノツメなどの落葉樹が外へ枝を張り、それを覆うようにツル性のサネカズラ、キズタ、フジ、テイカカズラが茂ります。 下に見える河川敷には、ギシギシ、スイバなどの草本が生育し、5〜6月にはわずかですがゲンジボタルが見られます。 |
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No.2からNo.3区間の特徴 |
■No.2からNo.3区間の特徴 川の左側には、モチノキをはじめ、シイ、カシ、サクラなどの樹木が茂り、岸辺には草むらが続いています。川の上流部は、ススキ、チガヤ、ジュズダマなどが茂り、昔のままの様子が残る草土手になっています。ここでは、多い年で300匹以上のゲンジボタルが見られます。また、4月上旬ごろには、川で生育したゲンジボタルの幼虫が土手で「さなぎ」になるため、発光しながら土手に上陸する状況を観察することができます。四十間堀川(松江城山西側〜常福寺川河口)からこの地点まで見られるオイカワは、この当たりから上流には登らなくなります。それに代わって、これより奥はカワムツが暮らしています(すみわけ現象)。 |
No.3からNo.4区間の特徴 |
■No.3からNo.4区間の特徴 「白鹿城跡登山案内図」の看板が立っている三叉路がポイントNo.3です。直進するとしばらくは周辺に田畑が続きますが、前方には、住宅団地が見えてきます。ここは、道路などとともに、常福寺の川岸、川底も大半がコンクリートで固められ、団地に降った雨水は宅地や道路を洗って川に注ぎます。そのため川岸では、チガヤ、ススキ、ミゾソバ、ナワシロイチゴなどが茂りますが、川の動物はなかなか回復する様子はありません。しかし、夏にカワニナの幼貝が育ち、増水時に下流に流されることで、下流のホタル幼虫のエサ補給に役立っていると思われます。ここには、観察する対称の生物はほとんどいませんが、ホタルの棲む上流と下流に挟まれているということで、とても意味のある場所であると思われます。 |
No.4からNo.5区間の特徴 |
■No.4からNo.5区間の特徴 この区間は、左手に常福寺川が並行して流れています。草土手から社日山の山麓あたりまでにチガヤ、スダジイ、ウラジロガシ、ソヨゴ、モチノキ、コナラ、ヤマウルシなどの植物が茂っています。しばらく行くと、川の両岸はホタルブロック護岸になっています。これは、川側に穴があいているブロックで、この穴に土を入れ、裏をコンクリートで補強しています。穴の土には、植物の種をまき、草土手に近い環境を早く作ります。植物がなじむとホタルが産卵し、20日もするとふ化した幼虫は川での水中生活を始めます。4月まで川で生活した幼虫は、この土の中で「さなぎ」になり、やがて成虫になります。このブロックは、ホタルにとって大変大切な環境となっているのです。 |
No.5からNo.6区間の特徴 |
■No.5からNo.6区間の特徴 正面に常福寺が見え、左手に「白鹿城跡・真山城跡案内図」の看板があるT字路がポイント5になります。常福寺からホタル公園までの常福寺川は、下流が三面コンクリート護岸、上流は自然石を使った護岸になっています。スゲ、ナワシロイチゴ、カラスウリなどが点在し、上流部ではゲンジボタルの飛翔が見られます。常福寺川が道路と交差するあたりから、白鹿ホタルの里公園になります。ここには、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルが生息するホタル観察のメインとなる場所です。 |
No.6からNo.7区間の特徴 |
■No.6からNo.7区間の特徴 ホタル公園の上流は古くからの石垣地帯で、安定してゲンジボタルが生育しています。川岸の一部に残る昔からの草土手でも、順調なホタルの生育が見られます。白鹿山白鹿谷登山口から伊豆輪谷へ向かうあたりでは、ヒメボタルも目にできます。さらに上流部では、カワムツ、コイ、フナなどが見られます。付近の山裾の溝にはカスミサンショウウオが産卵、生育しています。川と道の間には、タブノキ、ノグルミ、ヤマハゼ、ネズミモチ、モチノキ、ヤブツバキ、テイカカズラなどが林を作っています。 |
No.7からNo.8(終点)区間の特徴 |
■No.7からNo.8(終点)までの特徴
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白鹿山コース(b)
No.3からNo.9区間の特徴 |
■No.3からNo.9区間の特徴 ポイントNo.3から150mほど進んだ交差点を右折した歳徳神社付近では、少数ながらヒメボタルやゲンジボタルが見られます。長谷池を水源とする長谷川は、三面コンクリートで固められ、近年はホタルの発生もなくなりました。 長谷駐車場の向かいには、自然観察モデルコースの案内板と白鹿山長谷正面登山道の標柱が立っています。標柱の横には一本のアベマキがあり、スズメバチやクワガタなどの昆虫が集まってきます。駐車場のある付近は、元の城の防衛施設があったところで、ところどころにその面影が残っています。今は段状になっている場所は、もとは多くの田畑がありました。この段状の台地は、裸地だったのですが、十年余りの間にチガヤ、ススキの草原になり、次にヌルデ、ネムノキ、ハゼノキ、アカマツが加わりつつあります。 |
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No.9からNo.10区間の特徴 | ■No.9からNo.10区間までの特徴 登山道を少し登ったところにあるコナラ林の林床には、シュンラン、コウヤボウキ、ナツハゼなどの観察ができ、急坂の尾根道では、ダイセンミツバツツジ、ミヤマガマズミ、コバノガマズミなどが目立ちます。登りつめたあたりには、ウラジロの群生が見られます。東面の道沿いには、ネジキ、タカノツメ、クロキ、ヒサカキを目にすることができます。尾根を道沿いには、堀状の工作地があり、堀の東沿いには、アカマツ林の間にヤマザクラ、ナナカマドが見られます。また、ツクシトネリコ、カマツカ、カラマツ、フタリシズカ、オオバギボウシ、フユイチゴ等見られます。 |
No.10からNo.11区間の特徴 | ■No.10からNo.11区間までの特徴 登山道を登っていくと、ウラジロ、コシダの間にササユリの群落、ヤマモモの大木、ヤマツツジ、ミツバツツジの群落があり、花期にはとても美しい光景が見られます。城門跡を通り「三の床」広場に出ると、コナラ、スダジイ、アラカシ、タカノツメ、クロキ、ヒノキなどの樹木が迎えてくれます。さらに大きな城門跡を通ると、展望台になっている「二の床」に着きます。ここには、コハウチワカエデ、ハゼノキ、スダジイなどがよく目につくところにあります。白鹿山最頂部の「一の床」には、白鹿神社がありシイノキの大木の元に祠があります。付近にはアラカシ、シラカシ、コナラ、ヤブツバキ、カキなどの高木のほかに、ヒサカキ、ガマズミ、コウヤボウキといった低木が密集しています。 |
No.11からNo.12区間の特徴 |
■No.11からNo.12区間までの特徴 北の城門跡を下ると、月見御殿跡を経て本丸跡へ進みます。御殿平は、アカマツ、モクレン、モチノキ、サクラの古株が残存しています。本丸跡では、モチノキ、スダジイ、アカマツ、ナナカマド、コナラなどが見られ、北面からは真山城の本丸が望めます。なお、東側には、流紋岩の岩壁にコナラ、ウラジロガシ、ノグルミなどの大木が林を形成しています。西側の急斜面には、ほとんどが常緑のスダジイ、シラカシ、ウラジロガシ林で安定した自然林の形を整えつつあります。100mほど下ると大井戸平に出ます。井戸の付近には、コハウチワカエデ、コシアブラ、タカノツメなどが点在し、その下には、タブノキ、ヤブツバキ、サカキなどが生育しつつあります。さらに下った多賀丸には、シラカシ、ウラジロガシ、スダジイといった高木と、ヤブツバキ、モチノキ、ヒサカキなどが混在する常緑林が続いています。横手道には、ガンピ、ヒサカキ、ガマズミ、クロモジ、アセビ、ウラジロ、コシダなどが繁っています。また、道沿いには、ショウジョウバカマやササユリが見られます。 |
No.12からNo.8(終点)区間の特徴 | ■No12からNo.8(終点)までの特徴 |
法吉地区で見られる動物
※動物の種類をクリックしてください。概要を見ることができます。
ウグイス、キセキレイ、キビタキ、コゲラ、セグロセキレイ、シジュウカラ、ツバメ、トビ、ホオジロ
法吉地区ガイドマップ
法吉地区アクセス・マップ
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自然環境課
島根県庁 自然環境課 〒690-8501 島根県松江市殿町128番地 東庁舎3階 Tel:0852-22-6172/6517(自然公園管理係) 0852-22-5348/6433(自然公園施設係) 0852-22-5347/6377/6516(自然保護係) 0852-22-5724 (隠岐ジオパーク・自然公園活用推進係) Fax:0852-26-2142 E-mail:shizenkankyo@pref.shimane.lg.jp(代表) shizen-koen@pref.shimane.lg.jp(自然公園許認可担当)