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 名前が<ヤ>ではじまる植物の解説

ヤシャゼンマイ(ゼンマイ科)
渓谷の河原によく出現する、ゼンマイを小さくしたようなシダ植物です。開いた葉がナンテンの葉に似ていることから、通称カワナンテンと呼ばれ、盆栽や庭の植え込みなどに使われます。

ヤダケ(イネ科)
すっと伸びた細い竹で、昔これを矢に使ったことからこの名がついています。

ヤドリギ(ヤドリキ科)
エノキ、ケヤキ、サクラなどの落葉樹に寄生する常緑低木で、冬になるとよく目立ちます。2〜3月、枝先の葉の間に1~3個の黄色の小さな花をつけます。実は6mmほどの球果で、黄白色をしています。鳥が実を食べると、粘りのある種子が糞とともにほかの木につき、そこで発芽して増えます。枝、葉は鎮痛、利尿剤となります。
ヤドリギ
ヤブコウジ(ヤブコウジ科)
山地の林下に生育する常緑低木です。花の少ない冬期に赤い実をつけるので、正月用の飾りなどに利用されます。同じ時期によく似た赤い実をつけるマンリョウ(万両)やセンリョウ(千両)に対して、ヤブコウジは、十両と呼ばれています。また、紫金牛という生薬名もあり、地下の浅いところに走っている根を煎じた汁は、腫れ物の解毒作用があると言われています。
ヤブコウジ
ヤブジラミ(セリ科)
日当たりがよい場所を好む、草本です。春から夏に白色の花が咲き、球状の実がなります。実は衣類などについて、散布されます。

ヤブツバキ(ツバキ科)
葉は厚くて光沢があり、2〜3月に赤い花を咲かせます。庭木としても人気があり、おなじみの植物です。ヒヨドリがこの花の蜜を好んで吸いにきます。実からは、ツバキ油がとれます。
ヤブツバキ
ヤブデマリ(スイカズラ科)
花のように見える部分(花序)は、中央部にある両生花と周辺の大きくて目につく無性花(雄しべ、雌しべの両方がない花)の2つの部分からできています。庭木のオオデマリは、ヤブデマリの花序をすべて無性花に改良し、マリのような大きな花にしたものです。ヤブデマリの実は、はじめ赤く9〜10月ごろに黒く熟します。
ヤブデマリ
ヤブニッケイ(クスノキ科)
外見は、シロダモに似ていますが、裏が白くないこと、葉がやや細長いことなどで見分けられます。この木の根皮や枝をもむと、ニッケイの香りがします。しかし、食用に使われているのは、外国産のニッケイの木です。
ヤブニッケイ
ヤブニンジン(セリ科)
林や湿地を好む、草本です。春から夏に白色の花が咲き、棒状の実がなります。

ヤブマオ
日当たりのよい場所で育つ多年草です。葉には毛が生え、花は、夏から秋に咲きます。実は、いが状になります。昔は、茎を蒸して皮をはぎ、夏用の布や網を作ったようです。

ヤブムラサキ(クマツヅラ科)
落葉の低本で、ムラサキシキブよりやや乾いたところに生育します。葉や枝に毛が多いのが特徴です。
ヤブムラサキ
ヤブラン(ユリ科)
葉がランに似ており、やぶによく生えるのでこう呼ばれています。夏に葉の間から花茎を伸ばし、穂状に小さな紫色の花をたくさんつけます。
ヤブラン
ヤブレガサ(キク科)
芽立ちのころの姿が、破れ傘に似ているので、この名前がつけられました。しかし、大きくなって葉が開くと、傘には見えなくなってしまいます。
ヤブレガサ
ヤマアジサイ(ユキノシタ科)
庭に植えられているガクアジサイによく似た花をつけますが、ずっと小型です。やや湿った木陰に群生し、6〜8月ごろにかけて紫色の美しい花をつけます。
ヤマアジサイ
ヤマウルシ(ウルシ科)
有毒植物で、はだの弱い人がふれるとかぶれることがあります。その反面、漆塗りの材料にもなる有用樹でもあります。ウルシは、15年以上たった木の幹に深く傷をつけ樹液をとります。古墳の外棺にも塗られていたほど古くから利用されてきました。ウルシの名は、うるしる(潤液)からきたものとも、物を塗って麗しくするからとも言われています。現在も八雲塗や輪島塗などはこのウルシを使っていますが、90%以上は輸入品となっています。
ヤマウルシ
ヤマエンゴサク(ケシ科)
4月の初旬、まだ冬の気配が残る林の中で、真っ先に紫色のかわいらしい花を咲かせる小さな草花です。
ヤマエンゴサク
ヤマグルマ(ヤマグルマ科)
日本特産の植物で、1科1属1種の植物学上貴重な存在のひとつです。葉は、枝の先に輪生します。広葉樹では唯一導管をもたず、針葉樹と同様に仮導管を主要素にしています。
春から夏の間に樹皮をはぎ、2〜3ヶ月間、水に浸して腐らせたものをたたきつぶして水で洗うとトリモチができます。ここから、別名トリモチノキといいます。
生長は遅いものの、樹高20mに達することもあります。
ヤマグルマ
ヤマグワ(クワ科)
樹皮が非常に強く、皮を引っ張るとちぎれずに、どこまでもはげていきます。クワの葉は、養蚕に使われますが、そのクワの先祖がこのヤマグワです。ヤマグワの葉は、いろいろな形に変身するので、変わった葉を集めるとおもしろいでしょう。
ヤマグワ
ヤマコウバシ(クスノキ科)
冬でも枯葉が落ちないので、冬の雑木林では目立つ木です。ヤマコウバシの名は、枝葉にショウブに似た香りがあることからつけられました。山陽地方にこの葉を乾燥させて粉にし、麦や米と混ぜて団子を作るところもあるようです。秋には黒い実をつけますが、この実をかむと辛いので、ヤマゴショウという別名もあります。
ヤマコウバシ
ヤマザクラ(バラ科)
サクラの仲間の落葉高木で、日本の野生桜の代表です。樹皮は滑らかで、光沢があります。幹は堅く密で、貴重な加工材です。春に開花し、紫黒色の実をつけます。
ヤマザクラ
ヤマジノホトトギス(ユリ科)
よく庭にも植えられる、ホトトギスという植物があります。この名は、山に生えるホトトギスという意味でつけられました。花弁の白色地に点々とはいる紫色の斑点模様が、野鳥のホトトギスの胸の模様に似ているとして、ホトトギスの名がついています。
ヤマジノホトトギス
ヤマシャクヤク(ボタン科)
5月ころ、白い花を咲かせます。秋には実がさけ、中の種子が顔を見せます。この種子には実の稔らない真っ赤なものと、るり色の成熟したものとあり、とても鮮やかです。庭木のシャクヤクは、中国や朝鮮半島が原産のもので、最初は、薬用として日本に持ち込まれたといわれています。
ヤマシャクヤク
ヤマツツジ(ツツジ科)
山野に見られる普通のツツジで、庭木としても人気があります。5〜6月ごろ、赤紫色のきれいな花を枝いっぱいにつけます。
ヤマツツジ
山で注意する植物
キンポウゲ科の植物で美しい花をつけるサンヨウトリカブトは、根にアコニチンという成分があり、わずか3〜4mgで人を死なせる強い毒を含んでいます。民間薬の本に、痛み止めとして大変よくきくとありますが、素人が使うのは危険です。
ハシロドコロは、鐘形で外側が暗紅紫色、内側が淡緑黄色の独特な花をつけます。ヒオスチアミン、アトロピン、スコポラミンといった猛毒成分を含み、日本の毒草の中でNo.1の位置をしめています。この毒成分を上手に利用すると重要な医薬品になりますが、素人が扱うのは大変危険です。ハシロドコロは全ての部位に毒がありますが、中でも地下茎が猛毒で、中毒を起こすと走り回って苦しむというところからこの名がつけられました。早春に山菜を思わせる若芽を出しますが、これを食べると幻覚症状をおこしたり、呼吸まひで死亡することもあります。
ほかにウルシ、ツタウルシ、ハゼノキなどのかぶれる植物を覚え、さわらないように注意しましょう。また、トゲを持つイラクサにも気をつけましょう。

ヤマノイモ(ヤマノイモ科)
ハート形の葉が、秋には黄色に色づくツル性の植物で、葉はツルに対生についています。畑で栽培するナガイモの仲間で、自然の山野に野生するところから、「自然性(ジネンジョウ)」とも呼ばれます。葉の柄のつけ根のところから、茎が変形したムカゴと呼ばれる球状のものをつけます。このムカゴも食用にされます。
ヤマノイモ
ヤマハンノキ(カバノキ科)
ガケ崩れしたような肥料分の少ない土地にまっ先に生育し、肥料木として利用されます。葉は、先が7つほどに分かれていて、縁には、のこぎり歯のようなギザギザがついています。

ヤマブキ(バラ科)
4〜5月ごろに黄色の美しい花をつけるので、よく目立ちます。庭木としても人気がありますが、庭木には、ヤマブキの園芸品種であるヤエヤマブキの方が多く使われています。野生のものは一重咲きで、園芸用のものは八重咲きです。
ヤマブキ
ヤマフジ(マメ科)
一般的にフジと呼ばれるのは、フジとこのヤマフジです。ヤマフジは、葉が厚くて毛が多く、4〜7月に大きな花を咲かせます。ふさの長さは短く、茎は左巻きに巻きつきます。
ヤマフジ
ヤマブドウ(ブドウ科)
ツル性の落葉低木です。葉の裏に茶色の綿毛をつけ、葉と対生して巻きひげや花芽ができるつくりを持っています。初夏に花が咲き、秋に甘酸っぱくておいしい実がなります。
ヤマブドウ
ヤマボウシ(ミズキ科)
5〜6月ごろ、白く大きな花をたくさんつける高木です。しかし、花のように見えるのは、総苞というもので、本当の花は総苞の中心部に集まっています。ヤマボウシの名前は、白い総苞を帽子に見立ててつけられたと思われます。材は、堅くてねばり強いので、小槌の柄や薪炭材に使われます。また、赤く熟した実はとてもおいしく、この実を見つけるのが山歩きの楽しみのひとつともなります。
ヤマボウシ

ヤマモモ(ヤマモモ科)
常緑の高木で、雌雄異株の樹木です。雌木は、初夏に赤いいちご状のおいしい実をつけます。樹皮は、昔から漁網の染料や下痢、打ち身の漢方薬として利用されてきました。庭園樹としても好まれ、この場合は、落ちた実を始末する必要のない雄木が多く見られます。
ヤマモモ

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