≪報告基準≫
2006年4月1日改正
33 尖圭コンジローマ
(1)定義
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染によ
り、性器周辺に生じる腫瘍である。ヒトパピローマウイルスは80種類以上が知られている
が、尖圭コンジローマの原因となるのは主にHPV6型とHPV11型であり、時にHPV16型の感染でも生じる。
(2)臨床的特徴
感染後、数週間から2〜3か月を経て、陰茎亀頭、冠状溝、包皮、大小陰唇、肛門周囲等
の性器周辺部に、イボ状の小腫瘍が多発する。腫瘍は、先の尖った乳頭状の腫瘤が集簇した
独特の形をしており、乳頭状、鶏冠状、花キャベツ状等と形容される。尖圭コンジローマ自
体は、良性の腫瘍であり、自然に治癒することも多いが、時に癌に移行することが知られて
いる。特に、HPV16,52,58,18型などに感染した女性の場合、子宮頚部に感染
し、子宮頚癌の発癌要因になることもあると考えられている。
(3)届出基準
ア 患者(確定例)
指定届出機関の管理者は、当該指定届出機関の医師が、(2)の臨床的特徴を有する者を
診察した結果、症状や所見から尖圭コンジローマが疑われ、かつ、(4)により、尖圭コン
ジローマ患者と診断した場合には、法第14条第2項の規定による届出を月単位で、翌月の
初日に届け出なければならない。
イ 感染症死亡者の死体
指定届出機関の管理者は、当該指定届出機関の医師が、(2)の臨床的特徴を有する死体
を検案した結果、症状や所見から、尖圭コンジローマが疑われ、かつ、(4)により、尖圭
コンジローマにより死亡したと判断した場合には、法第14条第2項の規定による届出を月
単位で、翌月の初日に届け出なければならない。
(4)届出のために必要な臨床症状
男女ともに、性器及びその周辺に淡紅色又は褐色調の乳頭状、又は鶏冠状の特徴的病変を認めるもの |