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大満寺山モデルコース
【コースの概要】
大満寺山は、隠岐島の最高峰で、海抜は607mです。8合目あたりにある大満寺は、古くから信仰の対象となっており、
現在でも、登山やキャンプに広く利用されています。
大満寺山一帯は、野生動植物の宝庫であり、貴重な動植物が多く生息しています。この自然を保護し、適正な利用を図るため、
昭和38年に大山隠岐国立公園に指定されました。
本コースは、深い森や湿潤な谷川沿いなど変化に富んだ場所を通っているので、それぞれの環境に適応した動植物を観察することができます。
No.1付近の特徴 |
大満寺山登山口のお地蔵様のあるところが出発点です。お地蔵様の左側には、クロモジがあります。その近くには、ハナイカダの姿が見られますので、よく観察してください。 |
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No.1から No.2区間の特徴 |
出発するとすぐ、薄暗い森の中に入ります。ここには、ウラジロガシ、シロダモなどの樹木が多く見られます。 |
No.2から No.3区間の特徴 |
出発点から少し登ると、右側にスギの植林地が見えてきます。その下は、谷川が流れてせせらぎが聞こえ、春には、ウグイスやメジロの美しいさえずりも聞かれます。 このあたりでは、スダジイ、ウラジロガシ、ヒサカキ、ヤブツバキなどの照葉樹の中にマツやモミが点在しています。マツは、直径30〜40cmもある大木ばかりで、小さいものはほとんど見あたりません。これは、アカマツが明るい場所を好むので、このあたりのように高木が繁り、日が差し込まなくなると幼木が育たなくなるためです。その他、サカキ、イワガラミ、ミツバツツジ、ハウチワカエデ等の植物も見られます。 |
No.3から No.4区間の特徴 |
右手にスギの植林を見ながら登山道を行くと、ヒサカキ、ネズミモチに混じってマツが点々と見られます。このあたりのマツは、アカマツとクロマツの両方の特性を持つアイグロマツ(アイノコマツ)が多く生育しています。 また、コハウチワカエデやウリハダカエデ、ヤブデマリなど生育しています。 |
No.4から No.5区間の特徴 |
No.4の周辺には、ヤブコウジが群落を作っています。続いてエゴノキ、ガマズミなどの樹木を観察することができます。ヤマウルシという名札のついた木もあり、うっかりさわるとかぶれることがあるので注意してください。 No.5付近からは伐採跡地で非常に眺望がよくなります。左の谷を眺めると、猛きん類の鳥たちが見られることもあります。また、耳をすますとキツツキの仲間がエサを捜している音なども聞こえることがあります。 |
No.5から No.6区間の特徴 |
この区間は、伐採跡地のため日当たりがよく、植生もこれまでとは異なっています。代表的なものは、クサイチゴ、ナガバモミジイチゴ、サルトリイバラ、ススキなど伐採跡地に一番に出てくる植物たちです。この他、ニワトコ、ヌルデ、アカメガシワなどの日当たりを好む植物が見られます。また、可れんな白い花をつけるイカリソウやアケビ、ムベも観察できます。 |
No.6から No.7区間の特徴 |
No.6の標識のすぐ後にあるヒサカキに、キヅタがからみついています。そこから少し登ったところには、ウツギ、ススキなどの日当たりを好む植物が見られます。さらに進むとお地蔵様があり、モミやヒサカキが多くなってきます。このあたりには、オヒョウタンボク、イボタノキ、アキグミ、ノイバラも生育しています。 |
No.7から No.8区間の特徴 |
このあたりには、ヒトリシズカがたくさん見られます。歩を進めていくとリョウブの木も時おり姿を現します。足もとに目をやると、ハエドクソウも見られます。ツタウルシに注意して散策してください。 |
No.8から No.9区間の特徴 |
左側に植林地を見ながら登っていくと、やがてNo.8の標識があります。このあたりから、モミの大木が目についてくるでしょう。昔はこのあたり一帯にモミが群落を形成していたと思われますが、数度の伐採により現在は、数えるほどの大木しか残っていません。 林下に目をやると、サイハイランが多く出現します。目線を少し上げると、ウリハダカエデ、ハリギリ、ミズナラなどの大木が見られます。 |
No.9から No.10区間の特徴 |
No.9のポイントは、スダジイの大木の下にあります。その周囲でヤブツバキ、シャシャンポなどの樹木も見かけられます。続いてイヌガヤが現れるので、この植物もよく観察してください。 |
No.10からNo.11区間の特徴 |
ヤブツバキの木の下にNo.10のポイントがあります。ここからしばらく伐採跡地が続きます。地表近くの植物を見てみると、葉に特徴のあるイワカガミが見られます。少し登ったところの山の斜面には、シュンランがあります。 この周辺は、高木ではモミ、低木ではシキミが多く見られます。シキミの葉によく似たツルシキミという植物も目にすることができます。 |
No.11からNo.12区間の特徴 |
No.11からは、右にヒノキの植林地を見ながらしばらく進みます。そこを過ぎたころ、右手にケヤキの大木が現れます。ケヤキごしに、西郷湾や隠岐空港を眺めることもできます。 林下には、ユキザサ、エビネなどの珍しい植物を観察することができます。また、左側の斜面には、ヤブレガサが小さな群落を作っています。 |
No.12からNo.13区間の特徴 |
モミの大木の下にNo.12ポイントがあります。ここから下り道となり、谷筋の湿気の多い場所に入るので、これまでの植生とかなり違ってきます。 まず目につくのがオオバショウマです。これは、右側の斜面いっぱいに群生しているのですぐにわかります。次にエンレイソウの群落に目がとまるでしょう。このあたりの左手谷側には、キブシやミズキがたくさんあり、春には花がいっせいに咲き競います。 さらに下ると谷川に出会います。周辺には、リョウメンシダ、コケイラン、ネコノメソウなどが見られます。谷川には、トンボの幼虫やサワガニなどが生息しているので、石をそっとはぐって観察しましょう。 |
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No.13からNo.14区間の特徴 |
No.13もモミの木の下にあります。ここからまた登り道になります。このあたりには、樹齢百年以上と思われるスギの大木も見られます。その近くにイタヤカエデの大木があるのでぜひ観察してください。 少し登ると日当たりがよくなり、マツの植林地に入ります。周辺では、エビヅル、イヌシデ、アカシデ、ゴンズイなどを見ることができます。 |
No.14からNo.15区間の特徴 |
引き続きマツの植林地が広がっており、その中には、ウラジロガシ、ソヨゴがたくさん見られます。ウラジロガシは陰樹で、昔はこのあたりに森を作っていたと思われますが、伐採されて何本かが残っている状態です。しかし、このマツ林がほったらかしにされると、何年後かにはまたウラジロガシなどの森にもどるでしょう。 周辺には、その他ヤマツツジ、サワフタギ、ナナカマド、タラノキなどを目にすることができます。 |
No.15付近の特徴 |
大満寺の境内がNo.15ポイントです。左手には、ソメイヨシノが植えられ、花の時期には境内を美しく彩ります。すもう場の周囲は草原になっており、一般にレンゲソウと呼ばれるゲンゲ、タンポポなどが見られます。 寺の周辺には、この他シャガやイタヤカエデなどにも出会えます。大満寺山の山頂へ目をやると、広葉樹の中に点々と天然スギが見られます。また、オキシャクナゲ、ナゴランなども生育しています。 |
No.15からNo.16区間の特徴 |
No.15からは、下り道になります。少し降りたところにお堂があり、その付近にヤブニッケイがあります。また、このあたりにはたくさんクロベの木が見られます。さらにイワカガミの大群落も見ることができます。 |
No.16からNo.17区間の特徴 |
このあたりは、急な下り坂になっています。伐採跡地が広がり、その切り株からは、再び芽が出ているのを見ることができます。ここでは、ソヨゴ、シャシャンポ、ヒサカキ、イヌツゲの姿も目にすることができます。
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No.17からNo.18区間の特徴 |
急な坂を下ってやや平坦になったところがNo.17です。ここから少し下がると、シロダモ、カシ、ヤブツバキ、ネズミモチ、アオキなどが多く出てきます。それらに混じってノグルミやカラスザンショウなども見ることができます。 |
No.18からNo.19区間の特徴 |
林の中を少し下がったところで谷川に出会います。谷筋の湿潤な場所には、これまでとかなり異なった植物が見られます。目につく植物は、ノブキ、リョウメンシダ、シシガシラ、イチリンソウ、ミヤマカタバミなどがあげられます。また、寄生植物ギンリョウソウも見られます。隠岐は、シイタケの特産地として有名ですが、この周辺でも栽培されています。 これから終点までは、谷川に沿って自然観察をすることになります。川の中の石をそっとはぐってみると、オキサンショウウオの幼生が見つかることもあります。 谷川を横切って少し下がると林道に出ます。ここでは、クサギ、ウリノキ、ヤマグワなどが生育しています。 |
No.19からNo.20区間の特徴 |
No.19は、林道の幅が広くなったところにあります。ここでまず見られるのがヤマアジサイです。また、オオバアザミもたくさん生育しています。川岸には、カツラ、オニグルミなどの樹木がよく見られます。 |
No.20からNo.21区間の特徴 |
このあたりは、これまで出てきた植物がたくさん生育しているので、それぞれの特徴を思い出しながら観察を進めましょう。 8月ころであれば、道ばたにササユリの白い花が咲いています。同じユリの仲間のアマドコロも周辺に自生しています。また、サネカズラの木も目にすることができます。 |
No.21からNo.22区間の特徴 |
谷川にかかる橋のたもとにNo.21があります。少し手前にゴマキがあるので観察してください。橋を渡るとイヌビワが見えます。 このあたりの川筋には、キブシが非常に多く生育しています。また、カマツカの木も見られます。林道右の山すそにはイヌガヤ、ジュウモンシダ、リョウメンシダなどのシダ類がたくさん見られます。 |
No.22から終点までの特徴 |
この自然観察コースの最終区間です。ここではまず、マタタビを探してみましょう。マタタビと同じツル性の植物のフジとクズもよく見かけられます。 |
大満寺山で見られるいきもの
※下線部をクリックすると、動物の解説が見られます。
イカル、ウグイス、オオルリ、カラスバト、キツツキのなかま、ホオジロ
ガのなかま、カミキリムシのなかま、カメムシのなかま、セミのなかま、チョウのなかま、甲虫のなかま
イモリ、オキサンショウウオ
ヘビのなかま
イズモマイマイ、サンインマイマイ、ミスジカワニナ
シイタケ
大満寺山へのアクセス・マップ
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