(1) RSウイルス感染症 >
データ表示
2015年(1,251件)は、2012年(1,155件)を上回り、過去10年間と比較して最多であった。
ただし、RSウイルスの迅速検査は、2011年10月から、乳児等に対する外来での検査が保険適用になっており、このことが診断数の増加に繋がっていることも考えられ、引き続き、動向を注視する必要がある。
2014/2015年シーズンは2014年8月に33件と早い立ち上がりで、第48週(11月下旬)には97件のピークとなった。以降は漸減し、2015年第13週(3月下旬)以降、週当たりの件数は10件未満となった。
2015/2016年シーズンも2015年第34週(8月中旬)から10件以上が続き、全国的にも早い立ち上がりとなった。2015年第38週(9月中旬81件)に早くもピークとなった後、小流行が続き、2015年第50週(12月初旬91件)に再びピークとなった。2峰性の経過は島根県に特異であった。
年代別では、生後6か月までの乳児14.3%、生後7〜12か月の乳児21.5%、1歳代40.5%、2歳代14.2%であり、これらが90.5%を占めている。2008年以降(87.8〜91.3%)同様の傾向である。
2011年にRSV抗原検査の保険適用対象が拡大された。患者報告が入院患児にほぼ限定されていた2011年までとその後を比較するため、2008〜2010年(以下、前期と言う。)及び2012〜2015年(以下、後期と言う。)の各期間の平均(分布幅)を比較したところ、生後6か月までの乳児では前期:30.4%(21.2〜35.5%)に対し、後期:17.8%(14.3〜21.8%)、生後7〜12か月の乳児では前期21.5%(17.5〜24.2%)に対し、後期:22.6%(21.5〜23.0%)、1歳代では前期:29.9%(27.1〜34.2%)に対し、後期:36.2%(34.0〜40.5%)、2歳代では前期:9.6%(6.4〜13.2%)に対し、後期:13.4%(12.0〜14.2%)、3歳代では前期:3.8%(3.2〜4.2%)に対し、後期:5.6%(4.6〜6.2%)であった。
特に、乳児期前半の感染児の多くが入院すると仮定すると、近年の報告件数の増加は、比較的に軽症の1歳〜3歳代の被検児の増加も一因と考えられる。
RSウイルス感染症報告グラフ
シーズン別の報告数合計:RSウイルス感染症
平均報告数 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
2014年 | 2015年 |
605 | 134 | 135 | 215 | 415 | 273 | 524 | 634 | 1,155 | 933 | 987 |
1,251 |