1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
3類感染症の腸管出血性大腸菌感染症が29件(松江6件、雲南3件、出雲 17件、大田1件、益田1件)
ありました。腸管出血性大腸菌感染症が多発しています。調理の前の手洗いを十分 に、また肉の調理は
中まで十分に加熱して行い、肉・レバー等の生食は避けましょう。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告
○感染性胃腸炎:漸減していますが、出雲と大田圏域でやや多い傾向にあります。
○水痘:漸減しています。
○流行性耳下腺炎:少ないまま横這いの状況です。全国的には、90年以降で最高の発生です。
○ヘルパンギーナ:大流行となり7月前半にピークがありました。特に出雲圏域で多く報告されました。
○手足口病:昨年に比べ流行は小規模です。益田圏域でやや多く見られます。
○A郡溶連菌咽頭炎:散発的に発生しています。
○麻疹:松江で12名、出雲で16名あり、今年は83例となり昨年の発生数を超えました。乳児の報告が5例ありました。
発生推移グラフ
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎が松江・出雲・浜田圏域から5名報告されています。
4)性感染症報告
性器クラミジア感染症が8名(20才代4名、30才代4名)、尖圭コンジロームが2名が報告されています。
淋菌感染症は20才台を中心に9名報告されていて、増加傾向にあります。
5)基幹病院報告
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:過去の報告数とほぼ同様の発生数でしたが、東部では今年最高 の報告数でした。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:過去の報告数とほぼ同様の発生数でした。10才未満が55%を占めてい ます。
○薬剤耐性緑膿菌感染症:今年はまだ報告がありません。
感染性胃腸炎から病原性大腸菌・サルモネラが検出されていますが、A群ロタ、腸管アデノは減少しています。 ヘルパンギーナからコクサッキーA2,4,6,8,10型が分離されおり、多種類の型が各地で同時に流行したことが流行 を大きくした原因と思われます。無菌性髄膜炎からコクサッキーB4型が分離され、今後の動きが注目されます。 手足口病からコクサッキーA4,6,10型が分離されていますが、主原因のA16とエンテロ71型は分離されていません