島根PR情報誌「シマネスク」(2022年12月発行)
すまいる
映画館「ShimaneCinemaONOZAWA」経営者
和田浩章さん・更沙さん
ふるさとに銀幕再び
益田市中心部にある島根県西部で唯一の映画館「Shimane Cinema ONOZAWA(シマネシネマオノザワ)」。映画を見終えた家族や年配のお客さんが笑顔で出てきます。
「ありがとうございました」。ロビーで深々と頭を下げるのは、千葉県から移住した和田浩章さんと更沙さん夫婦。22年1月、閉館した映画館を復活させました。
もともと千葉県で暮らしていた二人。移住のきっかけの一つは、浩章さんが偶然、更沙さんの古里、益田市にある映画館の復活を望む声を聞いたことです。
閉館していたその映画館は、更沙さんも子供のころに通い「家族と一緒に見ようとしても並んで座れる席が取れない」というほどにぎわった、思い出のある場所。折しもコロナ禍で生活を見つめ直す中、「帰省するたびに寂しくなっていく古里に何かしたい」という更沙さんと、その思いを知る浩章さんは、移住を決意しました。
二人は、老朽化した設備を改修するため、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを開始。返礼品として、好きな映画を上映できる権利や、益田の名所を巡るツアーを企画しました。二人の熱意に「地元の子どもたちに映画を見せたい」と共感が広がり、「地域のためなら」と音響や空調設備の改修に協力する業者が次々と現れました。浩章さんは「島根ならではの温かい人のつながりを感じた」と振り返ります。
映画について語り合うワークショップの企画など、復活した銀幕の活用に向けて夢は膨らむばかり。「映画を通じて人の出会いをつくりたい」「人が集い、地域から愛される場所にしたい」と夫婦で張り切っています。
お客さんを迎え入れる和田浩章さん(中)と更沙さん(左)
クラウドファンディングの寄付金を充てた映写機材
クラウドファンディングの寄付者名と一緒に描かれた壁面アート
わだ・ひろあき
千葉県出身。学生時代からの映画好きが高じて、東京都内の映画館に支配人として勤務。障害のある人たちも楽しめる、映画のバリアフリー音声ガイドの仕事にも取り組む。
わだ・さらさ
益田市出身。東京都内の大学で学生支援を担当する職員として勤務。学生が企画した映画上映会で、浩章さんと知り合う。
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