しまね散歩:隠岐の島・西郷編/ステキな出会いを探します
思い思いに楽しむ
居心地のいい島暮らし
京見屋分店
隠岐諸島最大の島に約1万3千人が暮らす隠岐の島町。島と本土を結ぶフェリーが発着する西郷地区は島の玄関口にあたります。かつて北前船の船荷を運んだ八尾(やび)川には、今は漁船が並び、港風情が漂います。
川沿いに延びる西町通りの早朝、いい香りが漂うのは木村屋パン店です。島民おなじみのカステラパンなど一日に30種以上をスーパーなどへ卸していて、オーブンもパン職人もすでにフル回転。出荷の準備が整う頃になると、周りの商店も開き始めました。
カッパをまつるほこらの隣に、隠岐と島根の特産品が並ぶ京見屋(きょうみや)分店を見つけました。10年前に日用品店から衣替えし、「自分たちが居心地のいい場所を作ることにしたんです」と店主の谷田晃(たにだあきら)さん。次第に島の人や旅行者が集うようになり、交流スペースやカフェを次々と作ったのだそう。「このお店を、町の“山小屋”にしたいんです」と妻の一子(かずこ)さんは夢を語ります。
「近くの和菓子屋さんにも行ってみて」と谷田さんの勧めで秀月堂へ。形も水色のパッケージもかわいいサザエ形のもなかは島の女性のアイデアを取り入れたもので、おいしい食べ方はトースターで数分温める「壺焼き」とか。店頭に立つ黒川由希恵さんは「川沿いの暮らしから離れられなくて、嫁いだ後も実家の手伝いに来ているんです」。週末だけ営業しているカフェの窓を開けると、八尾川からかすかな潮の香りと涼しい風が通り抜けます。
寄り道しながら西町通りを歩いた先に、自転車店がありました。店の奥に「茶輪拠屋(ちゃりんこや)」というのれんが掛かっていて、気になって尋ねてみると「ここは俺が気心の合う人と過ごす所なの」と店主の池田富穂(とみほ)さん。売り場の一部を改装した部屋は、照明の位置にまでこだわりぬいたプライベートスペースです。
坪庭でさえずるヤマガラを見ながら、「仕事は好きだけど、昔は仕事ばっかりしてて、人生これでいいのかと思ってね」と池田さん。ガーデンライトをともし「夜は月光みたいに見えるんだよ」と話す姿はとても楽しげです。
「コーヒーをどうぞ。ただし、豆は自分でひくのがきまりだから」と渡されたコーヒーミルを回していると、顔なじみの夫婦や「今日はにぎやかだなぁ」と常連さん。島暮らしの達人が、新たな出会いに導いてくれました。
新型コロナウイルス感染防止に配慮して撮影しています。
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