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すまいる

真和漁業生産組合・福島利一さん

福島利一さんの写真
ビジネスチャンスを感じUターンして漁師に


早朝の底引き網漁を終え、江津港に帰港した第二十八真和丸。接岸するや、種類ごとに仕分けておいた魚を漁師たちが陸揚げし、手早く血抜きをしてトロ箱に詰めていきます。ブリやタイ、カレイ、スズキの大型魚を次々と運ぶのは、漁師歴7年の福島利一さん。せわしなく行き来しながら、「今日はたくさん取れたよ」と港へ買い付けに来た顔見知りにも声をかけて歩きます。


陸揚げ作業する様子
帰港後すぐに始まる陸揚げ作業


新鮮な魚の写真
取れたばかりの新鮮な魚


所属する真和漁業生産組合は祖父が仲間とともに設立し、今は父・充さんが船長をしています。福島さんは大学進学とともに島根を離れ、IT企業の営業職を経てUターン。異業種から漁師へ転身し、「最初の1年は腕が常に筋肉痛だった」と笑います。あうんの呼吸で行う漁のノウハウを指導してくれたのは、先に漁師になった弟の大輝さん。「サザエやアワビを採れば副業になる」と素潜り漁も教えてもらい、「収入は以前より多いくらい」と話します。


福島利一さんと弟の大輝さんの写真
福島利一さんと弟の大輝さん


久しぶりの古里で人脈を徐々に広げ、加工食品の開発や、有名グルメガイドブックに紹介された料理店への販路開拓につなげたのは、営業の経験があればこそ。最近は動画配信サイトでドローン撮影した漁の様子や、雑魚を使った“漁師めし”を作る動画を配信しています。


ドローン撮影の準備をする様子
ドローン撮影の準備をする福島さん


「まずは僕たちや、うちの魚に興味を持ってもらいたい。いずれうちの魚を食べたいという人が増えれば、それが付加価値になる」と福島さん。魚の値段は競りで決まるものと思い込むのではなく「いかに高く競り落としてもらうか、漁師にもできることがある。漁業には、まだまだビジネスチャンスがある」と話します。

深夜まで残業することもあった前の職場と違い、今は出港こそ午前5時と早いものの、水揚げして出荷し、網の補修などの作業をしても午後2~3時には帰宅。子どもの行事があれば出荷作業を任せて先に帰ることもでき、「生活はずっと規則正しくなりました」。家族で夕飯の食卓を囲み、子どもと一緒にお風呂に入るのが、なによりのリフレッシュです。


福島利一さん(左端)の写真
ふくしま・りいち(左端)
1985年生まれ、江津市出身。県外の大学へ進学し、大阪のIT関連会社に就職。「漁業にはビジネスチャンスがある」と2014年にUターンし、真和漁業生産組合の漁師に。営業職の経験を生かして魚の販路拡大に挑戦している。創業者の祖父は陸揚げ作業を担う現役で、父は船長。2歳下の弟・大輝さんは漁師の先輩で、転職の相談にも乗ってくれた心強い存在。4年前に結婚した妻と出会えたのも「古里に戻ってきたおかげ」といい、妻と子ども2人の4人暮らし。




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