美肌を育む環境に恵まれた島根には、
肌をしっとり、つやつやにする効果の期待できる
温泉も豊富。星空や海辺の景色を眺めたり、
歴史や四季の移ろいを感じたりしながら温泉につかれば、
心も体も潤って美肌に磨きがかかりそうだ。

露天風呂に肩までつかって湯船に頭をもたせ掛けると、見上げた先は満天の星。目が慣れるにつれて小さな光もくっきりと姿を現し、無数の星が今にも夜空からこぼれ落ちそう。山麓の澄んだ空気は上気した頬に心地よく、星の美しさと温泉のぬくもりを一層強く感じさせてくれる。

^{国民宿舎さんべ荘の露天風呂}

国立公園・三瓶山はかつて「夜空の暗さ日本一」に認定された星空観測の好適地で、その裾野に湧くのが三瓶温泉。塩分や鉄分を含む湯は体をよく温めて肌を乾燥から防ぐ効用があり、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸も豊富な「美肌の湯」だ。茶褐色の濁り湯ながら湯触りはさらりとしていて、湧出量が多いので新鮮な湯を楽しめる。

^{湯は天然の保湿成分たっぷり}

^{茶褐色の濁り湯}

国民宿舎「さんべ荘」には16の露天風呂があり、温泉ソムリエアンバサダーの資格を持つ長尾純さんによると、「ぬるめの源泉と加温源泉に交互につかると、血行がよくなり代謝もアップするのでお勧め」。レストランではビタミンAたっぷりの地元産アナゴも味わえ、心とともにおなかもしっかり満たしてくれる。

日本海の海沿いに湧く荒磯温泉。宿泊施設「荒磯館」は目の前に海が迫り、波の音が心地よく響く。

露天風呂に空の色が映り込むと湯船と海との境界線があいまいになり、広大な海につながっているような一体感。流れる雲や岩に砕ける波は変化に富み、空も海も夕焼け色に染まる景色に癒やされる。

^{荒磯温泉の露天風呂}

無色透明の湯は海沿いの温泉ながら塩分がなく、肌への刺激が少ない中性のやわらかな湯ざわり。メタケイ酸を豊富に含み、保湿効果が期待できる。

^{湯に空の色が映る}

^{建物の目の前に迫る日本海}

出雲国風土記に「漆仁（しつに）川の川辺に薬湯あり」と記され、古くから美肌効果が知られていた出雲湯村温泉。クレンジング効果のあるアルカリ性の湯は体をしっとりと包み込むようで、湯上がりはやわらか、すべすべの肌触りだ。

^{漆仁の湯の露天風呂}

公衆浴場「漆仁の湯」はかつて漆仁川と呼ばれた斐伊川のほとりにあり、豊かに湧く源泉を加温・加水せずそのまま掛け流している。新鮮な湯が常に満ちた浴槽を囲む石の手ざわりや川のせせらぎは、さながら野湯の趣。河原へと湯気の流れる光景に、いにしえの時代へと思いが巡る。

^{湯は源泉掛け流し}

^{懐かしさ漂う町並み}

「神が宿る山」とされる玉峰山に湧く亀嵩温泉は、間近に望む中国山地や麓に広がる里の風情が魅力だ。冬の醍醐味は、露天風呂から眺める銀世界。体の芯まで温まりながら、冷えた空気と静寂を心ゆくまで味わえる。

^{玉峰山荘の露天風呂}

泉質は美白作用が期待できる炭酸水素塩泉の成分が多く、すっきりした湯上がり感。アルカリ性の湯のクレンジング効果で肌がすべすべになる。日帰り入浴もできる「玉峰山荘」では地元産の仁多米や島根和牛、山菜が味わえ、温泉宿を五感で堪能できそうだ。

^{豊かな食材も魅力}

^{霧に包まれた朝}

●お問い合わせ

玉峰山荘
奥出雲町亀嵩3609-1（TEL：0854・57・0800）

漆仁の湯
雲南市木次町湯村1336（TEL：0854・42・9770）
（雲南市観光協会）

国民宿舎さんべ荘
大田市三瓶町志学2072-1（TEL：0854・83・2011）

荒磯館
益田市西平原町1019-1（TEL：0856・27・0811）

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フード＆トラベルライターで遣島使（島根県ふるさと親善大使）の西村愛さんが美肌調査員として県内を巡ったリポート「美肌たび研究日記」を毎月更新。美肌を育む島根の食べ物や体験、お土産を紹介するほか、毎日更新される「今日のうるおい指数」など、美肌に関する情報が満載です。ぜひチェックしてみてくださいね。

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