1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
4類感染症の日本紅斑熱が2名(出雲圏域)、破傷風が1名(出雲圏域)、レジオネラ
症が1名(大田圏域)報告されています。
今月の腸管出血性大腸菌感染症の報告はありませんでした。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告
○インフルエンザ
11月最終週に出雲から6件の報告がありました。
○感染性胃腸炎
(27)。全県で例年より早く大流行となりました。大田(47)、浜田(46)からの報告が特に多いです。
○水痘
(8)。多発期となり、益田(18)、雲南(17)、出雲(12)で多くなっています。
○流行性耳下腺炎
(3.6)。雲南で流行していましたが、減少しました。出雲、隠岐、松江でやや多く報告されています。
○A群溶連菌咽頭炎
(1)。多発期に入り、漸増しています。浜田からの報告がやや多くあります。
○手足口病
(0.6)。ほぼ消退しましたが、浜田(4)から報告があります。
○ヘルパンギーナ
(0.3)。出雲で散発していますが、他の圏域は消退しました。
発生推移グラフ
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎が松江・出雲・浜田圏域から4件報告されています。
4)性感染症報告
性器クラミジア感染症と淋菌感染症が引き続いて多く、それぞれ6件報告されています。また、両疾患とも
20〜40歳代に感染がみられています。
5)基幹病院報告
○マイコプラズマ肺炎
:松江で1件(1月からの累計30名)、雲南で3件(同33件)報告されました。
○無菌性髄膜炎
:松江で2件ありました。全国的に大流行しましたが、本県では少ない報告でした。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:今年では9月に次いで少ない報告でした。全体に漸減しています。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
:東部、西部で昨年1月以降で最多でした。昨年は年間118件でしたが、
今年は既に195件となり、全体に漸増しています。
○薬剤耐性緑膿菌感染症
:中部から約2年ぶりに1件の報告がありました。
コクサッキーB2型ウイルスがB4型と入れ替わるように無菌性髄膜炎、咽頭炎、ヘルパンギーナから分離され
ています。コクサッキーA群では季節はずれの9月以降A5型ウイルスがヘルパンギーナ、咽頭炎、手足口病から
分離されています。感染性胃腸炎からNV(小型球形ウイルス:SRSV)、A群ロタウイルスが例年よりはやい時期
の10、11月から検出されています。特にNVは感染性胃腸炎流行の中心となっています。
細菌では11月の感染性胃腸炎から病原性大腸菌が多く分離されています。
2002年9月 から 2002年11月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研 感染症疫学科)
ウイルス名 | アデノ | 腸管アデノ | コクサッキーA | コクサッキーB | エコー | ムンプス | A群ロタ | SRSV | サルモネラ | 病原性大腸菌 | 合計 |
型 | 1 | 5 | 5 | 6 | 12 | 16 | 2 | 4 | 13 | 18 | EPEC |
咽頭結膜熱 | | | | | | | | | 1 | | | | | | | | 1 |
感染性胃腸炎 | 1 | | 2 | | | | 1 | | | | 1 | | 5 | 28 | 1 | 5 | 44 |
手足口病 | | | | 2 | | | | | | | | | | | | | 2 |
ヘルパンギーナ | | | | 2 | 1 | | | 1 | 3 | | | | | | | | 7 |
無菌性髄膜炎 | | | | | | | | 1 | 2 | 1 | 4 | 1 | | | | | 9 |
咽頭炎 | 3 | 1 | | 6 | | 1 | | 9 | | | | | | | | | 20 |
流行性耳下腺炎 | | | | | | | | | | | | 2 | | | | | 2 |