1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
2類感染症の赤痢が松江圏域から1件報告されています。
4類感染症の3月の報告はありませんでした。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告
○インフルエンザ
:各地でピークを越え消退しつつある。流行の小さかった昨年とほぼ同規模でした。
定点当たりの報告数では、大田圏域が最も多く報告されました(31.3件)。
○感染性胃腸炎
:各地で漸減しています。特に、前月に続いて隠岐圏域での報告が多くみられました。
○水 痘
:県全体では横這いでした。浜田・益田・出雲圏域で多くみられました。
○流行性耳下腺炎
:雲南と益田圏域の流行がさらに拡大し大きくなっています。
○A群溶連菌咽頭炎
:雲南と益田圏域で前月より減少したものの、まだ多く報告されています。
○手足口病
:昨年夏以来発生が続いているますが、特に出雲と松江圏域で流行しています。
○伝染性紅斑
:昨年12月より流行してきています。特に雲南・松江・大田で多くみられます。
発生推移グラフ
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎5件(松江2件、出雲1件、浜田2件)報告されています。
4)性感染症報告
性感染症の中でも、性器クラミジア感染症が依然として多く、14件が報告されています。年齢は20歳代を中心に
10〜50歳代に分布しています。また、淋菌感染症も同様な年齢分布で7件報告されています。
5)基幹病院報告
○マイコプラズマ肺炎
:松江と雲南から報告がありました。雲南の流行は小さくなってきました。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:西部で多く、東部でも増えたため昨年5月以来、50件代となった。
半数以上(56%)は70歳以上の高齢者です。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
:本年初めて10件以上になりました。10歳未満の報告が半数を占めています。
○薬剤耐性緑膿菌感染症
:今年は報告がありません。
感染性胃腸炎からの2月以降の検体から、A群ロタウイルスが高率に検出されています。
インフルエンザウイルスは、3月に入ってAソ連型に加えB型の分離数が多くなっています。手足口病では、散発
的な発生とはいえ季節はずれの報告が続き、コクサッキーA16型ウイルスの分離が続いています。
2002年1月 から 2002年3月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研感染症疫学科)
ウイルス名 | アデノ | 腸管アデノ | コクサッキーA |
エコー | A 群 ロ タ | S R S V | インフルエンザ | 病原性大腸菌 | 黄色ブドウ球菌 | カンピロバクター | 合計 |
型 | 1 | 3 | 5 | 5 | 16 | 11 | 16 | Aソ連 | A香港 | B | EPEC |
咽頭結膜熱 | 3 | | | | | | | | | | | | | | | | 3 |
インフルエンザ | 2 | 1 | | | | | | | | | 85 | 6 | 15 | | | | 109 |
感染性胃腸炎 | 1 | | | 4 | | | | | 12 | | | | | 1 | 1 | 1 | 20 |
手足口病 | | | | | | 15 | | | | | | | | | | | 15 |
発疹症 | | | | | 1 | | 1 | 2 | | | | | | | | | 4 |
肺炎 | | | 1 | | | | | | | | 1 | 2 | | | | | 4 |