1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
3類感染症の腸管出血性大腸菌感染症が6名(O157:雲南5名、型別不明
出雲1名)が報告されています。
2)インフルエンザおよび小児科定点報告
○インフルエンザ
:(0.7) 最後まで患者報告のあった雲南圏域(4)と浜田圏域(2)でも下旬にはようやく終息しました。
○感染性胃腸炎
:(10) 報告数の多かった大田圏域(28)と雲南圏域(18)でも減少し全体に少なくなりました。
○水 痘
:(6) 県全体では前月より報告数が半減しました。雲南圏域(10)でやや多く報告されました。
○流行性耳下腺炎
:(8) 雲南圏域(30)で大流行が続いている。益田圏域(11)と松江圏域(9)で増加しました。
○手足口病
:(8)各圏域で減少しつつあります。出雲圏域(12)と隠岐圏域(12)でやや多く、浜田圏域(2)と
益田圏域では報告数が少ないです。
○伝染性紅斑
:(2.5)県全体に多発傾向にあり、特に浜田圏域(5)と松江圏域(3)で多く報告されました。1月〜
6月の報告数の合計は、前回の流行年の1998年で385件、本年は319件となっています。
○ヘルパンギーナ
:(6) 益田圏域(22)で流行している他、浜田圏域(5)、松江圏域(4)など、各圏域で報告があります。
○A群溶連菌咽頭炎
:(2.3) 4月頃より雲南圏域(15)で多く報告されています。
○麻 疹
:浜田圏域から幅広い年齢層から、7件の報告がありました。
発生推移グラフ
3)眼科定点報告
流行性角結膜炎は、出雲圏域を中心に4件報告されています。年齢構成は20歳以上が中心となっています。
4)性感染症報告
性感染症の中では、性器ヘルペスウイルス感染症、尖形コンジロームの報告が少なくなった反面、性器クラ
ミジア感染症は依然として多く、10件が報告されています。年齢は20〜40歳代に分布しています。淋菌感染症
も同様な年齢分布で5件報告されています。
5)基幹病院報告
○マイコプラズマ肺炎
:松江と雲南から6件(15歳未満)報告されました。今年になって出雲以西からの報告はありません。
○無菌性髄膜炎
:前月に引き続き、松江圏域より15歳未満の6件の報告がありました。
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
:10歳未満が10件であり、昨年以降最多の報告でした。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
:西部で10歳未満が13件で、昨年以降で最多でした。
感染性胃腸炎からA群ロタウイルスが例年とは異なり6月に入っても検出されています。インフルエンザの検体から
A香港型が検出されています。無菌性髄膜炎から、エコー18型に加え、エコー13型ウイルスが分離されています。
手足口病から、コクサッキーA16型ウイルスの分離が続いています。また、ヘルパンギーナからは、コクサッキーA4型
ウイルスが分離されています。
2002年4月 から 2002年6月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研感染症疫学科)
病原体名 | アデノ | 腸管アデノ | コクサッキーA | コクサッキーB | エコー | A群ロタ | SRSV | インフルエンザ | 病原性大腸菌 | サルモネラ | 合計 |
型 | 1 | 2 | 3 | 5 | 6 | 4 | 16 | 4 | 13 | 18 | Aソ連 | A香港 | B | EPEC |
無菌性髄膜炎 | | | | | | | | 1 | | 6 | | | | | | | | | 7 |
手足口病 | | | | | | | | 33 | | 1 | | | | | | | | | 34 |
咽頭結膜熱 | | 1 | 5 | | | | | | | 3 | 1 | | | | | | | | 10 |
感染性胃腸炎 | | 1 | | 1 | | 1 | | 3 | | | | 37 | 3 | | | | 1 | 1 | 48 |
ヘルパンギーナ | | 1 | | | | | 10 | | 1 | | | | | | | | | | 12 |
咽頭炎 | 2 | 3 | 3 | 3 | 2 | | 1 | | 4 | 9 | 1 | | | | 9 | 1 | | | 38 |
インフルエンザ | | | 2 | | 1 | | | | | 1 | | | | | 4 | 16 | | | 24 |