飯南町3法人白ネギ栽培スタート!
飯南町3地区(琴麓、野萱、長谷)でほ場整備が予定されており、高収益作物の作付けが要件となっています。このため事前に町・JA・普及部で協議を行い、白ネギに絞って推進することとなりました。しかし、同町では白ネギの栽培がほとんどないことから、今年度では、各地区の農事組合法人のもとで実証栽培を行うこととしております。
この度、白ネギの定植に合わせ、3地区すべての会場で現地指導会を行いました。
このうち最初の会場では、技術普及部を講師として、定植時の基本的な作業の説明とともに、簡易移植機「ひっぱりくん」を使用した定植の実演も行いました。その後、生産者により作業が続けられましたが、作業を重ねる毎に慣れていった様子で、順調に定植作業を終えることができました。
続く他の2会場でも同様の内容で指導会を実施しました。普及部、JAから指導を行い、現在順調に生育中です。
中山間地である飯南町では、夏季が冷涼で白ネギの生育適温に近い環境となるため、秋冬どり作型では県内他地域より早出しが可能となります。このため今回定植分の収穫開始が9月下旬~10月上旬となれば、端境期に出荷ができ、高単価が期待されます。
普及部では、定期的な巡回を通して生育状況を確認し状況に応じた指導を行うとともに、JAや役場等関係機関と連携し、雲南地域の水田園芸の推進を図ります。
写真:定植作業の様子
写真:土寄せの目安棒を使って今後の作業を確認
雲南市吉田町で農事組合法人みんだにが誕生
民谷地区は、平成11年3月ほ場整備を契機に民田営農組合が結成され、作業受託や機械施設の共同利用を行ってきました。その後、組合員の高齢化や米価下落等集落環境の悪化が懸念されるようになり担い手を確保し、農地の荒廃を防ぎ、安心して暮らせる地域にしたいとの強い思いから組織基盤を強化するために法人化の検討が進められてきました。
令和元年度には準備委員会9回のほか、視察研修1回、組合員への全体説明会3回を経て、1月26日に農事組合法人みんだにの法人設立総会が開催され、2月4日に法人登記が完了しました。2月16日の創立祝賀会では、雲南市長やJAしまね雲南地区本部長など多数の来賓のほか「元気!!ファームズよしだ」のメンバーも参加し盛大に開催されました。
同地区は標高300m~400mにあり雲南市でも特に良質米のとれる地域であることから水稲主体の営農が計画されています。初年度の作付予定面積は約14haでコシヒカリ、ココノエモチ、そばを栽培する予定です。
普及部では、関係機関と一体となって法人制度の概要や営農計画作成などの支援を行ってきました。今後は法人経営の安定と継続のために技術・経営両面から支援していきます。
【祝賀会記念撮影】
第11回雲南酒米生産者振興大会が開催されました!
1月18日、松江市玉湯町にて雲南稲作推進協議会酒米生産部会主催による第11回雲南酒米生産者振興大会が盛大に開催されました。生産者や関係機関合わせて約110名が出席しました。
本大会は県内で酒米生産の8割を占める雲南圏域(雲南市、奥出雲町、飯南町)において、酒米の高品質・安定生産に向けて、生産から販売までの情報共有や良質な酒米生産に対する意識向上を図ることを目的に毎年開催されています。
大会の中で、美肌県としてPR活動を行っている島根県の観光資源としての日本酒の消費拡大、また昨年品種登録出願公表された島根県育成品種「縁の舞」に対する関係機関から期待の声が多く聞かれました。また、本年の大会には丸山県知事も出席され、講演の中で島根県産の酒米を使用した日本酒を若者に飲んでもらえるように、日本酒の美肌効果を売り出したいと話されました。
本年度は穂づくり・米の稔りの重要な時期に高温や大幅な日照不足といった気象の影響を大きく受け、元年産の酒米は過去5年平均と比較して収量がやや少なく、品質低下しました。こうした状況から、島根県農業技術センター栽培研究部作物科の田中副科長を講師に迎え次年度に向けて気象に打ち勝つ栽培を目指して、土づくりや水管理など基本となるポイントについて参加者全員で理解を深めました。
大会宣言では、生産に関して年々変化する気象状況に対応するため、土づくりや水管理などの基本技術を再度徹底すること、販売面では生産者全員が需要に応じた生産に努めること、生産者自らが日本酒のPRを行い日本酒の消費拡大に努めることを確認しました。
農業普及部では、「縁の舞」の現地栽培試験や研修会などを通じて、雲南圏域の酒米の高品質・安定生産に向けて支援していきます。
【丸山県知事講演の様子】
飯南町ニューファーマー研修会を開催
飯南町ニューファーマー研修は、新規に就農された方、就農をめざし研修に取り組んでおられる研修生、飯南町の青年農業者の方々を対象に毎年開催しており、今年度2回目の開催となります。
今回は「経営力向上」をテーマに、自らも奥出雲町へIターンし、新規就農者として、野菜の生産販売から、6次産業化に取り組む起業家としても活動の幅を広げておられる奥出雲町の「株式会社うちの子も夢中です」代表取締役の大塚一貴氏を講師に、「農産物のブランディング戦略と販路開拓」と題し、事例報告をいただきました。
大塚さんからは、商品コンセプトやターゲットの設定、デザインの優位性やPR方法、青果販売における営業戦略、流通のしくみや価格設定の考え方、作業の切り分けによる労務管理の方法など、これまでの経験にもとづく具体なヒントやアドバイスを聞くことができました。
継続的な取引を行うためには「まずは良い物を作ること!A品率を作れる生産力がないといけない」という言葉は参加者に強く響き、アンケートでも“生産力を高めること”の必要性を改めて認識し、参考になったとのご意見を多数いただきました。
研修会終了後には新規就農者主催の交流会も開催され、大塚さんも交え、楽しく有意義な意見交換となりました。これを機により交流が深まり、活動の発展につながればと思います。
今後も普及部では、若手農業者の技術・経営管理能力の向上につながるよう、研修や交流の場の提供、有利販売につながるような情報の提供等に努めていきたいと考えています。
【大塚さんの事例報告】
【研修会の様子】
飯南町初!(農)長谷営農組合が「美味しまねゴールド」取得
(農)長谷営農組合では、農業の生産工程を管理し、安全で美味しい県産品であることを知事が認証する「美味しまね認証」の上位基準「美味しまねゴールド」を、町内では初めて取得され、この度、雲南農業普及部長を通じて、認証書が授与されました。
長谷営農組合では、平成27年12月に基本認証を取得されており、この度、更新時期を迎えるにあたり、「今後は上位認証が標準になる」との観点から、上位への移行を決定されました。
雲南農業普及部では、上位認証取得に向けた現地指導を計5回実施し、役員とともに、適合基準と照らし合わせながら、書類・ほ場等の点検・確認を行いました。そして、昨年10月25日に現地審査が行われ、1月9日の審査委員会で認証取得が決定しました。
長谷営農組合では基本認証の取得(GAPの導入)により、「組合員の安全に対する意識が向上した、使用数量の管理・徹底により、不要在庫の削減につながった」などの効果があったとのことですが、上位認証に向け取り組んだことで「従来曖昧だった工程を改善することができた、リスク評価を通して、これまで見過ごしてきたリスク部分を明文化できた」との声が聞かれました。役員だけの取り組みとするのではなく、組合員皆に認識してもらうことに注力されており、授与の際、組合長からは、「とにかくしつこく言い続けること、末端まで取り組みを浸透させることが重要」と話されました。
雲南地域では、関係機関・団体で構成する「雲南地域GAP推進協議会」を主体としてGAPを推進しており、普及部では、今後も取り組みを希望される生産者に対し、研修会等の場を活用してGAPの啓発を行い、関係機関で進捗状況を共有しながら、生産者への認証取得に向けた活動支援や、認証取得者へのフォロー活動などを行います。
【現地指導の様子】
【美味しまね認証書授与1】
【美味しまね認証書授与2】
お問い合わせ先
東部農林水産振興センター
島根県東部農林水産振興センター 〒690-0011 島根県松江市東津田町1741-1 TEL: 0852-32-5638/FAX: 0852-32-5643 e-mail: tobu-noshin@pref.shimane.lg.jp **************************************** 安来農業部(島根県安来市穂日島町303) 松江家畜衛生部(島根県松江市東出雲町錦浜474-2) 出雲家畜衛生部(島根県出雲市神西沖町918-4) 雲南事務所(島根県雲南市木次町里方531-1) 出雲事務所(島根県出雲市大津町1139)