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~環境にやさしいぶどう栽培とコスト削減による担い手の経営発展に向けて~

出雲市グリーンなぶどう栽培体系実証協議会が設立

 消費者の環境意識の高まりや燃油高騰を受け、加温デラウエア生産におけるCO削減やコスト削減、省力化に向けた取組みを進めるため、出雲市・JAしまね出雲地区本部・JAしまね出雲ぶどう部会・実証農業者・当農業部で構成する本協議会が設立されました。

 実証期間は今年12月から来年5月まで、燃油削減によるCO排出量や作業時間の削減効果、導入コスト及び果実品質等について検証し、新たな栽培体系や省力化の取組みの普及につなげる計画としています。

 会長に選任されたJAしまね出雲ぶどう部会長は、「少しでもコストダウンにつながれば燃油や肥料の高騰に苦しんでいる生産者に勇気とやる気を与える。新規就農者を呼び込むための良いきっかけにもなる」と期待を語りました。

 JAしまね出雲ぶどう部会では、昨秋から関係機関と農家が産地の将来像について検討を重ね、今年4月に「出雲ぶどう産地再興ビジョン」を策定しました。このビジョンでは、産地として中核的な担い手の経営発展を支援し、新規就農者の育成に取組み、次世代につなぐぶどう産地を目指すこととしており、本協議会の実証試験もこのビジョンの一環となるものです。

 当農業部としては、今後も引き続き関係機関及び生産者と連携しながら、産地再興ビジョンの着実な実践を支援していきます。

本実証に対する期待を述べられる部会長の写真本実証に対する期待を述べられる部会長

管内で普及している一般的な加温機の写真管内で普及している一般的な加温機

出雲市斐川町における水稲低コスト・省力技術について

 出雲市斐川町は耕地面積に占める水田の割合が88%、水稲の作付割合が52%と水稲栽培が主要な作物となっていますが、昨今の米価下落により水稲栽培以外に麦、大豆、小豆、ソバ、ハトムギ、タマネギ、キャベツ等の栽培によりブロックローテション(2年3作等)を行い土地の有効活用および高収益作物への転換が進められています。

 このように水稲から高収益作物等の他品目への転換を行う事で土地利用率を上げ、生産者の所得向上を図ることができますが、春秋の作付移行期には水稲の育苗、田植え、収穫作業が他品目の作業時期と重なるため、如何に水稲作業を省力化し他品目の作業時間を確保するのかが課題となります。そこで水稲栽培において導入されているのが直播栽培や高密度播種育苗です。

 直播栽培は出雲市斐川町で約74ha行われています。鉄コーティング、カルパーコーティングだけでなく、より低コストで容易に種子製造できるべんがらモリブデンという新コーティング技術も取り入れられています。また、大きな圃場でも除草剤の効果を安定させるため、レーザーレベラーを使用して圃場の均平を図っています。その他にも代かきの方法や水管理の違い等、技術の向上と安定のポイントについて水稲直播部会による講習会で徹底が図られています。

 高密度播種育苗は田植機や播種機の更新の際に取り入れる生産者が増え、苗箱数が減ることで田植え作業時の人員を削減でき省力化が可能となっています。更にかん水作業の省力化のためにプール育苗を行っている生産者もいます。

 しかし、いずれの技術も一般的な移植栽培に比べて収量が安定しないことから、出雲農業部では、引き続き技術の確立に取り組み、水稲育苗の省力化と水田園芸の推進に取り組んでいきます。

直播栽培発芽の様子の写真<直播栽培>発芽の様子高密度播種育苗播種の様子の写真<高密度播種育苗>播種の様子



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  e-mail: tobu-noshin@pref.shimane.lg.jp

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  安来農業部(島根県安来市穂日島町303)
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  出雲家畜衛生部(島根県出雲市神西沖町918-4)
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