新型インフルエンザとは?
新型インフルエンザの特徴は?
新型インフルエンザはいったいどのようなウイルスなのでしょうか?
新しいウイルスの発生ケースには様々なパターンがありますが、想定されるいくつかのケースを考えて
みましょう。
※ケース1※
●高病原性鳥インフルエンザウイルスが、人から人への感染力を獲得した場合
最も警戒しなければならないのが、このケースです。高病原性を持った遺伝子が人のインフルエンザウイルスに組み込まれた
場合は、大きなパンデミックが起きることが予想されます。
インフルエンザは潜伏期が2日と短く感染力が強いため、短期間のうちに非常にたくさんの人に感染します。
2003年に発生したSARSは、潜伏期が10日と長かったため感染した可能性のある人の隔離に成功し、感染の
拡大を封じ込めることができました。インフルエンザではこういった封じ込めがほとんどできないといわれています。
このため高病原性を持った、人のインフルエンザウイルスが発生した場合は、多数の患者と死者が出る可能性があります。
全世界で2000万人が死亡したスペインかぜウイルスでさえ、分類上は低病原性のウイルスです。新型のウイルスが発生した
場合、交通機関が発達した現在では ほとんど時差なく全世界で流行する可能性があり、高病原性のインフルエンザウイルス
発生は最も阻止しなければならない課題です。
※ケース2※
●通常の鳥インフルエンザのウイルスが、人から人への感染力を獲得した場合
今まで出会ったことのないウイルスが発生した場合は、ほとんどの人がこの新しいインフルエンザウイルスに対する抵抗力が全くありません。
感染は急速に全世界へと拡大する可能性が高く、多くの人々が感染します。通常のインフルエンザウイルスでもスペインかぜ
のように、多くの患者と死亡者が出る可能性があります。
※ケース3※
●過去に出現したことのあるウイルスが、再び現れる場合
アジアかぜや香港かぜは、近代のパンデミックを起こす以前に流行していたことが知られています。この場合は高齢者に
ある程度の抵抗力があったようです。もし、アジアかぜに類似したウイルスが再び現れた場合は、中高年の多くの方は全くの無防備で
はないと考えられるため、感染が拡大しても死亡者数はある程度少なくなる可能性があります。
インフルエンザウイルスは、人類の歴史が始まって以来 繰り返し型変異を起こして流行してきました。
以上のようなシナリオは、次のパンデミックに限らず、次回の、そのまた次のパンデミックでいつ起きるか予測がつきません。
高い病原性を持ったウイルスが発生する可能性ができるだけ低くなるように努力する必要があります。