1.2023(令和5)年感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)新型インフルエンザ等感染症
2020(R2)年2月1日に指定感染症に指定された新型コロナウイルス感染症は、2021(R3)年2月13日から新型インフルエンザ等感染症に類型変更され、2023(令和5)年5月8日には定点把握の5類感染症に類型変更されインフルエンザと同様の扱いとなった。
(2)一類感染症
全国でも報告がなかった。
(3)二類感染症
二類感染症は全国でも報告があったのは結核のみであり、全国で15,377件、島根県で68件の報告があった。結核の報告数は全数把握対象疾患のうち最多である。
(4)三類感染症
全国では、コレラ2件、細菌性赤痢47件、腸管出血性大腸菌感染症3,826件、腸チフス39件及びパラチフス9件の報告があった。
島根県では、腸管出血性大腸菌感染症の報告が80件あった。2016年以降は報告件数が10件前後で推移していたが、2023年は出雲圏域で集団発生があり、報告数が増加した。そのほか細菌性赤痢1件の報告があった。
島根県では、腸管出血性大腸菌感染症の報告が80件あった。2016年以降は報告件数が10件前後で推移していたが、2023年は出雲圏域で集団発生があり、報告数が増加した。そのほか細菌性赤痢1件の報告があった。
血清型 | 毒素型 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
O111:H- | VT1VT2 | 1 | 1 | |||||||||||
O128 | VT1VT2 | 2(2) | 2(2) | |||||||||||
O146 | VT1 | 1(1) | 1(1) | |||||||||||
O157 | VT2 | 1(1) | 1(1) | |||||||||||
O157:H- | VT1VT2 | 1 | 1 | |||||||||||
O157:H7 | VT2 | 1 | 9 | 62(9) | 72(9) | |||||||||
不明 | VT(型不明) | 1 | 1 | 2 | ||||||||||
合計 | 1 | 1 | 1(1) | 1 | 10 | 64(10) | 2(2) | 80(13) |
( )内は、無症状病原体保有者の再掲です。
(5)四類感染症
四類感染症は、全国ではレジオネラ症(2,291件)、E型肝炎(552件)、日本紅斑熱(500件)、つつが虫病(445件)の報告数が多かった。
ダニ媒介感染症には地域差が見られ、SFTSは九州、中国・四国地方に多く、日本紅斑熱は関東以西、つつが虫病は東北地方も含んで発生している。
島根県での4類感染症の発生状況は、日本紅斑熱27件、レジオネラ症13件、SFTS8件、つつが虫病4件の報告があった。ダニ媒介感染症の日本紅斑熱が過去最多の報告数であった。
ダニ媒介感染症には地域差が見られ、SFTSは九州、中国・四国地方に多く、日本紅斑熱は関東以西、つつが虫病は東北地方も含んで発生している。
島根県での4類感染症の発生状況は、日本紅斑熱27件、レジオネラ症13件、SFTS8件、つつが虫病4件の報告があった。ダニ媒介感染症の日本紅斑熱が過去最多の報告数であった。
(6)五類感染症
全国では梅毒の報告数が15,055件あった。梅毒は報告数の増加が続き結核に次ぐ報告数となっている。
島根県での5類感染症の発生状況では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が30件で最も多かった。その外、 侵襲性肺炎球菌感染症24件、梅毒23件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症6件、侵襲性インフルエンザ菌感染症3件、後天性免疫不全症候群2件、アメーバ赤痢2件、水痘(入院例)1件、破傷風1件、クロイツフェルト・ヤコブ病1件の報告があった。
島根県での5類感染症の発生状況では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症が30件で最も多かった。その外、 侵襲性肺炎球菌感染症24件、梅毒23件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症6件、侵襲性インフルエンザ菌感染症3件、後天性免疫不全症候群2件、アメーバ赤痢2件、水痘(入院例)1件、破傷風1件、クロイツフェルト・ヤコブ病1件の報告があった。
(7)動物の感染症
島根県では報告がなかったが、全国では鳥インフルエンザの鳥類が83件、細菌性赤痢のサルが16件、結核のサルが5件報告された。