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2009(H21)年 <  2010(H22)年 年報  > 2011(H23)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
全数把握週報(インフルエンザ・小児科・眼科・基幹定点)月報(STD・基幹定点)精度評価疑似症
1.2010(平成22)年の感染症発生状況の解析と評価 |発生状況表1.全国表2.月別表3.保健所別表4.過去
1.2010(平成22)年の感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)一類感染症
 全国でも報告がなかった。

(2)二類感染症
 二類感染症には、急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群及び鳥インフルエンザ(H5N1)の5疾患が指定されているが、本年は結核のみ報告された。報告数は全国で26,553名、島根県で165名と全数把握対象疾患のうち最多であった。

(3)三類感染症
 三類感染症には、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス及びパラチフスの5疾患が指定されている。全国では、コレラ11名、細菌性赤痢235名、腸管出血性大腸菌感染症4,119名、腸チフス31名及びパラチフス21名、中国地区では、コレラ1名、細菌性赤痢6名、腸管出血性大腸菌感染症256名、腸チフス1名及びパラチフス1名、島根県では、腸管出血性大腸菌感染症22名の報告があった。
 全国の腸管出血性大腸菌感染症の報告数は、2001(平成13)年をピークに数年間減少していたが、2008(平成20)年4,251名、2009(平成21)年3,842名、2010(平成22)年4,119名と近年増加傾向にある。島根県でも2001(平成13)年の94名の報告をピークに減少したが、最近3年間は連続して約20名の報告があった。原因菌の血清型は2010(平成22)年はO26(2名)、O103(1名)及びO157(19名)と血清型O157による報告が多かった。腸管出血性大腸菌感染症の発生は給食施設、飲食店等を原因とする集団感染は減少したが、島根県で2010(平成22)年に報告のあった22名中9名は家庭内で発生しており、飲食店や家庭での生肉の取り扱いや二次感染防止の啓発が重要である。

血清型毒素型1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
O26:H11VT1+VT2--------1----1
O26:H11VT1+VT2+--------1---1
O103:H3VT1+VT2---------1---1
O157:H7VT1+VT2-------1-34(3)--8
O157:HUTVT1-VT2+-3--2(2)5(4)1-----11
-3--252154--22

()内数字:家族内発生又は二次感染事例を示す(再掲)

(4)四類および五類感染症
 四類感染症では、つつが虫病1名、日本紅斑熱3名、マラリア1名及びレジオネラ症4名の報告があった。ダニ媒介性のつつが虫病は、全国で405名、中国地方では山口県で1名及び広島県で11名報告され、本県では、出雲圏域で6月に1名の報告があった。日本紅斑熱は、全国で133名、隣県の広島県で16名報告され、本県では、出雲圏域で6月、9月、10月に1名ずつ報告があった。五類感染症では、アメーバ赤痢2名、ウイルス性肝炎1名、急性脳炎1名、クロイツフェルト・ヤコブ病2名、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2名、後天性免疫不全症候群4名、梅毒1名、破傷風1名が報告された。後天性免疫不全症候群は、松江圏域と出雲圏域から2名ずつ報告があった。

(5)動物の感染症
 島根県で獣医師から、鶏の鳥インフルエンザ(H5N1)の届出が1件あった。
2)県内の結核の発生状況
結核の症例定義
(1)保健所別の発生状況
 松江保健所への届出が57件と全届出の35%を占めたが、57件のうち20件(35%)が無症状病原体保有者で、3年連続して、無症状病原体保有者の割合が全届出数の1/3を占めていた。出雲保健所及び益田保健所への届出は、年により増減しているが、他の保健所への届出数は、ほぼ一定である。

病型松江雲南出雲県央浜田益田隠岐合計
肺結核2842511137593
結核及びその他の結核231111-9
その他の結核7-9573132
無症状病原体保有者203512--31
総数5710401823116165

松江雲南出雲県央浜田益田隠岐合計
2008(H20)年606431517118160
2009(H21)年5811252124217167
2010(H22)年5710401823116165

(罹患率)
 人口当たりでは、県央保健所への届出が多い。
病型松江雲南出雲県央浜田益田隠岐全県2009
罹患率(総数 注1)22.816.223.230.427.017.027.723.123.2
罹患率(患者 注2)14.811.320.328.724.617.027.718.718.9
(2009年10月1日現在の推計人口により算出 :人口10万対)
注1:届出総数/推計人口*100000
注2:(届出総数−無症状病原体保有者)/推計人口*100000
注:届出された患者の住所を基準にしています。

(2)性別・年齢区分別の発生状況
 性別では、女性が多かった。年齢区分別では、昨年と比べ30歳代の占める割合が増加した。70歳以上が、55%と半数を占める傾向は、昨年と同様であった。
 乳児1〜9歳10代20代30代40代50代60代70代80代90歳〜総計
男性-1-295951226776
女性1-651251042120589
11672110199334612165
割合(%)0.60.63.64.212.76.111.55.520.027.97.3100.0
割合(%):2009-2.42.46.06.05.413.29.621.028.16.0100.0

(罹患率)
 人口当たりでは、70代で急増していた。また、性別では、30代まで女性の罹患率が高いが、80代以降では、男性が女性の2倍以上の罹患率となっている。
 〜9歳10代20代30代40代50代60代70代80代90歳〜総計
男性3.3-6.621.312.818.29.731.3125.2223.022.3
女性3.418.017.329.712.720.87.441.751.046.123.8
全体3.38.811.825.412.719.58.537.276.785.923.1
(2010年10月1日現在の推計人口により算出 :人口10万対)

(3)年齢区分別病型分類
 年齢区分別では、30代までは無症状病原体保有者が半数以上を占め、40代以上は、肺結核が半数以上を占めていた。
区分病型〜19歳20代30代40代50代60代70代80代90歳〜総計
実数肺結核31761162131793
肺結核及びその他の結核1--1---529
その他の結核-221211110332
無症状病原体保有者44122621--31
割合(%)肺結核37.514.333.36057.966.763.667.458.356.4
肺結核及びその他の結核12.5--10.0---10.916.75.5
その他の結核-28.69.510.010.511.133.321.725.019.4
無症状病原体保有者50.057.157.120.031.622.23.0--18.8
全体100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0

(4)自覚症状
 自覚症状は、咳(42%)、発熱(39%)、次いで痰(34%)の訴えが多かった。肺結核で、15%に、自覚症状がなかった。
 総数発熱胸痛呼吸困難症状なし症状なし(%)
肺結核93524435191415.4
肺結核及びその他の結核91-434--
その他の結核3232133539.4
総数1345646527181712.7

島根県感染症情報センター