本県の性感染症（STD）の2004（平成16）年以降7年間の年次別報告数の推移を見ると、2004年は245件であったものが、2005(平成17)年293件、2006（平成18）年200件、2007（平成19）年257件、2008（平成20）年254件、2009（平成21）年212件,2010(平成22)年は240件であった。
　本年のSTDの内訳は、性器クラミジア感染症140件（58.3%）、性器ヘルペスウイルス感染症16件（6.7%）、尖圭コンジローマ16件(6.7%)、淋菌感染症68件（28.3%）であった。

（1）性器クラミジア感染症：　140件
　例年どおり性感染症の約半数を占め、そのうち男性90件、女性50件であった。過去6年間と比較し患者数の増減はあるが、増加傾向にあるとはいえない。
　年齢別では、10代が15件、20代が76件、30代が35件、40代が11件、50代が3件となっていた。性別では、男女とも10代から50代まで広く分布し、女性は男性に比べやや若年層に多く分布していた。
　月別の報告数では冬場に若干減少傾向があった。

（2）性器ヘルペスウイルス感染症：　16件
　性別では、男性9件、女性7件であった。年齢は、20代から70代に広く分布していた。 月別の報告数に増減は特に認められなかった。

（3）尖圭コンジローマ：　16件
　性別では、男性15件、女性1件であった。年齢は、10代から60代に広く分布していた。 月別の報告数に増減は特に認められなかった。

（4）淋菌感染症：　68件
　報告数は、例年どおりクラミジア感染症に次いで多く、男性67件、女性1件と、男性が多い傾向に変わりがなかった。年齢は、20代から40代が中心であった。 　月別の報告数に増減は認められなかった。

（１）メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症：　507件
　報告指数は0.28と小さかった。2003年の244件以降、ほぼ漸減し、報告は松江圏域と益田圏域に集中していたが、2010年は雲南圏域と松江圏域に集中した（84.6%）。
　男女比は1.07〜1.68で、昨年のみ５：９であった。本年は1.17であった。
　年齢別分布は、例年５歳未満と70歳以上に多いが、本年も前者18件（46.2％）、後者10件（25.6％）であった。季節的特徴はみられない。

（２）ペニシリン耐性肺炎球菌感染症：　14件
　報告指数は0.28と小さかった。2003年の244件以降、ほぼ漸減し、報告は松江圏域と益田圏域に集中していたが、2010年は雲南圏域と松江圏域に集中した（84.6%）。
　男女比は1.07〜1.68で、昨年のみ５：９であった。本年は1.17であった。
　年齢別分布は、例年５歳未満と70歳以上に多いが、本年も前者18件（46.2％）、後者10件（25.6％）であった。季節的特徴はみられない。

（３）薬剤耐性緑膿菌感染症：　3件
　報告指数は1.0であった。東部2件、中部2件、西部３件で、60歳代2件70歳以上5件であった。
　2000年以降の累計は61件になった。圏域別では、松江圏域2件、雲南圏域３件、出雲圏域18件、大田圏域7件、益田圏域17件、隠岐14件である。年齢構成は10歳代1件、30歳代2件、50歳代4件、60歳代８件、70歳以上46件で、70歳以上が75.4%を占めている。四半期別では１〜3月10件、４〜6月6件、７〜9月25件、10〜12月20件である。
　浜田圏域からは3感染症とも、2003年以降、全く報告がない。