本県の性感染症（STD）の2003(H15)年以降5年間の年次別患者数の推移を見ると、2003年は284件であったものが、2004(H16)年は245件、2005(H17)年は293件、2006(H18)年は200件、2007(H19)年は257件であった。
　本年のSTDの内訳は、性器クラミジア感染症129件（50.2％）、性器ヘルペスウイルス感染症24件（9.3％）、尖形コンジローマ26件（10.1％）、淋菌感染症78件（30.4％）であった。

　性器クラミジア感染症は、本年は129件と例年通り性感染症の約半数を占め、そのうち男性が66件、女性が63件であった。過去4年間と比較し患者数の増減はあるが、増加傾向にあるとはいえない。年齢別では10歳代が13件、20歳代が67件、30歳代が35件、40歳代が11件、50歳代が3件となっていた。性別では、男女とも10歳代から50歳代まで広く分布し、男性が20歳代から40歳代を中心に、女性は10歳代から30歳代を中心にあり男性と比べ若年層に多く分布していた。

　性器ヘルペスウイルス感染症は24件で、男性7件、女性17件であった。年齢は10歳代から70歳代に広く分布していた。

　尖形コンジローマは、本年は26件で男性20件、女性6件であった。年齢は10歳代から50歳代まで幅広く分布していた。

　淋菌感染症は78件と例年通りであった。本年は男性75件、女性3件と、男性が多い傾向に変わりがなかった。年齢は20歳代から40歳代が中心であるが、10歳代から50歳代に広く分布していた

　580件。2000(H12)年から2007(H19)年の各年の報告数は、2004(H16)年より漸減していたが再上昇した。松江圏域の近年の増加、益田圏域での多発が気懸りである。
　女性に対する男性の比は上記の各年でそれぞれ（1.52、1.64、1.92、1.97、2.01、2.12、1.89、2.10）と男性は女性の約2倍の件数である。
　年齢別では70歳以上の報告件数は上記の各年で211、315、233、417、441、394、339、408件あり、70歳以上の報告の占める割合は各年でそれぞれ36.0%、62.5%、58.7%、66.5%、71.0%、70.0%、70.3%であった。
　10歳未満は、上記の各年で50、53、63、49、37、27、19、12件と、当初多かったが漸減している。季節的特徴はみられない。

　159件。2000(H12)年から2007(H19)年では2004(H16)年より漸減していたが再上昇した。例年と同様、報告はほとんど松江圏域と益田圏域からで、本年、松江圏域で増加した。
　男女比は上記の各年で（1.56、1.68、1.40、1.07、1.32、1.67、1.58、1.37）であり、概ね男性は女性の1.5倍の件数である。
　年齢別では、例年、10歳未満と70歳以上に多く、上記の各年で10歳未満は（50、63、140、155、145、83、40、93件）、70歳以上は（24、20、41、48、39、52、36、41件）であった。10歳未満での変動が大きい。季節的特徴はみられない。

　４件（出雲圏域2件、益田、隠岐の各圏域が各1件）。2000(H12)年から2007(H19)年では、多発した年は2005(H17)年と2006(H18)年で、2007(H19)には減少した。これまでの合計は41件で、圏域別では、雲南1件、出雲12件、大田2件、益田13件、隠岐13件である。合計41件の年齢構成は、10歳代1件、30歳代２件、50歳代3件、60歳代６件、70歳代29件で、70歳以上が70.7%を占めている。月別件数は、1月２件、3月2件、4月１件、5月2件、6月1件、7月６件、8月8件、9月5件、10月5件、11月4件、12月５件である。