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2006(H18)年 <  2007(H19)年 年報  >2008(H20)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
事業の概要定点医療機関
2007(平成19)年 感染症発生動向調査事業
1.感染症発生動向調査の概略
 1982(昭和57)年から開始された感染症サーベイランス事業は、1999(平成11)年4月1日からは感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、感染症法)の施行に伴い、感染症発生動向調査として法律に基づき行われている。2006(平成18)年4月には、新しい全国オンラインシステムである感染症サーベイランスシステム(NESID)が稼働し、2006(平成18)年6月に指定感染症となったインフルエンザ(H5N1)などに対応するための疑い症例調査支援システムなどが新しく整備された。また、2007(平成19)年4月からは感染症法の改正により結核が新たに追加されたほか、類型の見直しや疾患の追加などが行われた。
 一類から五類の全数把握感染症では、診断した医師が保健所に届け出を行い発生状況を把握している。また、五類の定点把握感染症では、定点医療機関を受診した患者数を把握することで流行状況を調査している。
 定点医療機関は外来でみられる感染症を対象とした、小児科定点が23(東部7,中部7,西部8,隠岐1)、インフルエンザ定点が38(東部11,中部12,西部13,隠岐2)、眼科定点が3(東部1,中部1,西部1)、性感染症(STD)を対象とする定点が6(東部2,中部2,西部2)設定されている。また、基幹病院定点が8病院(東部1,中部3,西部3、隠岐1)が設定されている。
 調査は県感染症情報センターが、定点および各医療機関から報告される患者情報を、病原体の検出情報と共に分析することで行われている。調査結果は全国情報と合わせ、週報(月単位の場合は月報)として、ホームページ( http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/ )により公開し、県内の医療機関・市町村・教育委員会等の関係機関に対してEメール・FAXにより提供し、県民に対して情報還元をはかっている。また、主要な疾患については、週報の地区毎データを、流行の動向が分かる表現に換え山陰中央新報に毎週(水曜日)掲載している。
2.対象感染症
1)全数把握の対象
※2007(平成19)年4月から(*1:新たに追加された疾患、*2:類型が変更になった疾患、*3:名称が変更になった疾患)
指定感染症
(1)インフルエンザ(H5N1)
一類感染症
(1)エボラ出血熱、(2)クリミア・コンゴ出血熱、(3)痘そう、(4)南米出血熱*1、(5)ペスト、(6)マールブルグ病、(7)ラッサ熱
二類感染症
(1)急性灰白髄炎、(2)結核*1、(3)ジフテリア及び(4)重症急性呼吸器症候群*2(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る*3)
三類感染症
(1)コレラ*2、(2)細菌性赤痢*2、(3)腸管出血性大腸菌感染症、(4)腸チフス*2、(5)パラチフス*2
四類感染症
(1)E型肝炎、(2)ウエストナイル熱(ウエストナイル脳炎を含む)、(3)A型肝炎、(4)エキノコックス症、(5)黄熱、(6)オウム病、(7)オムスク出血熱*1、(8)回帰熱、(9)キャサヌル森林病*1、(10)Q熱、(11)狂犬病、(12)コクシジオイデス症、 (13)サル痘、(14)腎症候性出血熱、(15)西部ウマ脳炎*1、(16)ダニ媒介脳炎*1、(17)炭疽、(18)つつが虫病、(19)デング熱、(20)東部ウマ脳炎*1、(21)鳥インフルエンザ*3、(22)ニパウイルス感染症、(23)日本紅斑熱、(24)日本脳炎、(25)ハンタウイルス肺症候群、(26)Bウイルス病、(27)鼻疽*1、(28)ブルセラ症、(29)ベネズエラウマ脳炎*1、(30)ヘンドラウイルス感染症*1、(31)発しんチフス、(32)ボツリヌス症、(33)マラリア、(34)野兎病、(35)ライム病、(36)リッサウイルス感染症、(37)リフトバレー熱*1、(38)類鼻疽*1、(39)レジオネラ症、(40)レプトスピラ症、(41)ロッキー山紅斑熱*1
五類感染症
(1)アメーバ赤痢、(2)ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、(3)急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く*3)、(4)クリプトスポリジウム症、(5)クロイツフェルト・ヤコブ病、(6)劇症型溶血性レンサ球菌感染症、(7)後天性免疫不全症候群、(8)ジアルジア症、(9)髄膜炎菌性髄膜炎、(10)先天性風しん症候群、(11)梅毒、(12)破傷風、(13)バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、(14)バンコマイシン耐性腸球菌感染症、
2)定点把握の対象(五類感染症)
インフルエンザ定点(週報)
(1)インフルエンザ(鳥インフルエンザを除く)
小児科定点(週報)
(2)RSウイルス感染症、(3)咽頭結膜熱、(4)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、(5)感染性胃腸炎、(6)水痘、(7)手足口病、(8)伝染性紅斑、(9)突発性発しん、(10)百日咳、(11)風しん、(12)ヘルパンギーナ、(13)麻しん(成人麻しんを除く)、(14)流行性耳下腺炎、
眼科定点(週報)
(15)急性出血性結膜炎、(16)流行性角結膜炎、
性感染症(STD)定点(月報)
(17)性器クラミジア感染症、(18)性器ヘルペスウイルス感染症、(19)尖圭コンジローマ、(20)淋菌感染症、
基幹病院定点(月報)
(21)クラミジア肺炎(オウム病を除く)、(22)細菌性髄膜炎、(23)ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、(24)マイコプラズマ肺炎、(25)成人麻しん、(26)無菌性髄膜炎、(27)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、(28)薬剤耐性緑膿菌感染症
3)疑似症
(1) 摂氏38度以上の発熱及び呼吸器症状*1
(明らかな外傷又は器質的疾患に起因するものを除く。)
(2) 発熱及び発しん又は水疱*1
(ただし、当該疑似症が二類感染症、三類感染症、四類感染症又は五類感染症の患者の症状であることが明らかな場合を除く。)
4)獣医師の届出
感染症に罹患した動物
(1)エボラ出血熱(サル)、(2)重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)(イタチアナグマ、タヌキ及びハクビシン)、(3)ペスト(プレーリードッグ)、(4)マールブルグ病(サル)、(5)細菌性赤痢(サル)、(6)ウエストナイル熱(鳥類に属する動物)、(7)エキノコックス症(犬)、(8)結核(サル)*1、(9)インフルエンザ(H5N1)(鳥類に属する動物)
3.患者定点配置図 2007(平成19)年
定点配置図
島根県感染症情報センター