本県の性感染症（ＳＴＤ）の2002(H14)年以降５年間の年次別患者数の推移を見ると、2002(H14)年は229件であったものが、2003(H15)年は284件、2004(H16)年は245件、2005(H17)年は293件、2006(H18)年は200件、であった。
　本年のＳＴＤの内訳は、性器クラミジア感染症97件（48.5％）、性器ヘルペスウイルス感染症22件（11.0％）、尖圭コンジローマ（8.0％）、淋菌感染症（32.5％）であった。

　性器クラミジア感染症は、本年は97件と例年通り性感染症の約半数を占め、そのうち男性が60件、女性が37件であった。しかし、過去4年間の患者数よりやや減少した。
　年齢別では10歳代が8件、20歳代が47件、30歳代が32件、40歳代が8件、50歳代が2件となっていた。性別では男性が20歳代から30歳代を中心に、10歳代から50歳代まで広く分布し、女性は20歳代が中心で10歳代から30歳代まで分布していた。

　性器ヘルペスウイルス感染症は22件で、男性12件、女性10件であった。年齢は10歳代から50歳代に広く分布していた。

尖圭コンジローマは、本年は16件で男性11件、女性5件であった。年齢は10歳代から50歳代に広く分布していた。

淋菌感染症は65件と例年に比較して減少していた。本年は全例男性で、女性の報告はなかった。年齢別は20歳代と30歳代が中心であるが、10歳代から50歳代に広く分布していた。

　年間で482件であった。2000(H12)年から2006(H18)年の各年の報告数は、586件、504件、397件、627件、621件、562件、482件で2003(H15)年をピークに漸減している。松江圏域（96、160、86、91、66、62、120件）、出雲圏域（104、105、105、207、177、167、151件）、大田圏域（204、175、65、82、99、71、29件）、益田圏域（103、85、121、236、270、249、156件）、隠岐圏域（34、33、19、12、7、9、25件）（出雲圏域のみ２定点、他圏域は１定点）であった。松江圏域の本年の増加、大田圏域の減少傾向、益田圏域での多発が認められる。
　男女比は、女性１に男性は上記の各年でそれぞれ（1.52、1.64、1.92、1.97、2.01、2.12、1.89）と男性は女性の約2倍の件数である。
　年齢別では70歳以上の報告件数は上記の各年で211、315、233、417、441、394、339件であり、全年齢の報告件数に対して70歳以上の報告の占める割合は各年でそれぞれ36.0%、62.5%、58.7%、66.5%、71.0%、70.0%、70.3%であった。70歳以上の高齢者の報告に増加傾向が認められる。
　10歳未満にも比較的多いが、上記の各年で50、53、63、49、37、27、19件と漸減している。
　これまでの報告を通覧し、季節的的変動に特徴は見出せない。

　年間で101件であった。2000(H12)年から2006(H18)年の各年で146、126、223、244、216、172、101件であり2003(H15)年をピークに以降は年々減少している。例年の同様、報告はほとんど松江圏域と益田圏域からであった（雲南圏域は2000(H12)年から2003(H15)年まで20〜30台の報告がみられた）。2000(H12)年より2006(H18)年までの各年の報告数は松江圏域（73、52、86、80、43、86、54件）、益田圏域（36、28、98、143、168、85、45件）であった。益田圏域での2005(H17)年以降の減少が特徴的である。
　男女比は上記の各年で（1.56、1.68、1.40.1.07.1.32、1.67、1.58）であり、概ね男性は女性の1.5倍の件数である。
年齢別では、例年、10歳未満と70歳以上に多いが10歳未満の上記の各年の報告件数は（50、63、140、155、145、83、40件）、70歳の各年の報告件数は（24、20、41、48、39、52、36件）である。70歳以上の報告数は変動が小さいが、10歳未満は2003(H15)年をピークに漸減している。
これまでの報告を通覧し、季節的変動に特徴は見いだせない。

　12件報告された。2000(H12)年より2006(H18)年までの各年の報告数は（3、0、2、1、6、13、12件）で2004年より増した。本年は雲南、出雲、益田、隠岐の各圏域からそれぞれ、1、1、2、8件報告された。これまで計37件の圏域別報告数は、雲南圏域1件、出雲圏域10件、大田圏域2件、益田圏域12件、隠岐圏域12件となった。隠岐圏域からの昨年からの多発が気懸りである。
　年齢別では本年の報告のうちの10件は70歳以上の高齢者であった。これまでの計37件では、10歳代1件、30歳代２件、50歳代3件、60歳代5件、70歳代26件で、70歳以上が72.2%を占めている。
　これまでの計37件の月別件数は、1月1件、3月2件、5月2件、6月1件、7月5件、8月8件、9月5件、10月5件、11月4件、12月4件と7月からの年後半に多く報告されている。