感染症 年報
1.2004(平成16)年の感染症発生状況の解析と評価
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発生状況
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表1
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表2
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表3
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年次推移
1.2004(平成16)年の感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)一類感染症
全国でも報告がなかった。
(2)二類感染症
細菌性赤痢が4名報告され、Shigella flexneri 2aによるものが6月に松江圏域で3名
およびShigella flexneri 6によるものが10月に出雲圏域から報告された。
また、腸チフスの報告が11月に隠岐圏域で、パラチフスの報告が9月に出雲圏域であった。
Shigella flexneri 6の感染は海外渡航歴がなく日本国内が疑われるが、感染経路は不明であった。
その他の報告は全て海外での感染事例であった。
(3)三類感染症
腸管出血性大腸菌感染症は、29名の報告があった。例年6月〜8月の夏期に多く報告されており、
本年もその傾向がみられた。11月のO26の11件の報告は保育園による集団発生事例によるものである
。
血清型 | 毒素型 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 計 |
O26H- | VT1+,VT2- | | | | | | | | 1 | | | 11 | 3 | 15 |
O26H11 | VT1+,VT2- | | | | | | | 1 | | | | | | 1 |
O128H19 | VT1+,VT2- | | | | | | 1 | | | | | | | 1 |
VT1+,VT2- | | | | | | | | 2 | | | | | 2 |
O157H7 | VT1+,VT2+ | | | | | | | 6 | | | | 2 | | 8 |
VT1-,VT2+ | | | | | | | | | 2 | | | | 2 |
計 | - | - | - | - | - | 1 | 7 | 3 | 2 | - | 13 | 3 | 29 |
(4)四類および五類感染症
日本紅斑熱が13名報告された(内1名は診断日が平成15年12月のため、集計には計上していない)。
全国の報告では、媒介動物であるマダニの活動時期である5月から10月を中心として67名(島根県の
症例を含む)の報告があった。ツツガムシ病は6月と8月に計2名の報告があった。全国的にみると
媒介動物のツツガムシのふ化時期である初夏(5月〜6月)と、初冬(11月〜12月)に多く報告がみられ
る。
急性脳炎では4名の報告があった。北陸から東北にかけてスギヒラタケの喫食によるとされる急性
脳炎の多発があったが、島根県の報告例はいずれもスギヒラタケとの関連は無かった。
その他の疾患では、オウム病が1名、マラリアが2名、レジオネラ症が1名、A型肝炎が1名、ア
メーバ赤痢が1名、ウイルス性肝炎が2名(B型)、クロイツフェルト・ヤコブ病が3名、後天性免疫
不全症候群が1名、梅毒が1名、破傷風が5名、バンコマイシン耐性腸球菌感染症が1名報告された。