古天神古墳
県指定史跡(1960年指定)
指定名称「古天神古墳」
所在地:島根県松江市大作町杉谷1169番地
築かれた時期は、古墳時代後期(6世紀後半)で、全長約27mの前方後方墳です。大正年間に横穴式石室が開口したことにより、刀や鏡などの副葬品が発見されたことが当時の新聞記事で確認されます。
発見後まもなく、考古学者による現地確認等が行われ、専門雑誌で古墳の詳細や出土品について学会に報告されるなど、全国的にも比較的良く知られていた古墳でした。
古天神古墳全景(前方部から)
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
古天神古墳の横穴式石室
古天神古墳の横穴式石室は、凝灰岩を加工した切石を組み合わせたもので、家形石棺を石室化した後の出雲型石棺式石室の祖型となる石室と考えられています。被葬者が埋葬された部屋である玄室の奥側には仕切石によって区画された屍床が設けられています。屍床仕切石にはU字形の刳り込みがあります。玄室の前面には一枚の切石で構築された羨道が設けられ、羨門では2枚の板石によって観音開き状の閉塞が行われていたと推測されています。羨道の前面には両側に割石を積み上げた前庭部が見られますが、土砂のため詳細は分かっていません。
横穴式石室の羨門
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
玄室の床に設けられた屍床仕切石
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
玄室内前壁左コーナー付近
島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供
古天神古墳出土遺物
古天神古墳の出土遺物の多くは、大正年間の石室開口時に発見されたもので、そのほとんどは東京国立博物館に所蔵されています。また、島根大学に所蔵されている資料にも古天神古墳出土品が確認されています。
出土遺物には、鏡、耳環、銀装円頭大刀、銀象眼大刀、鉄鏃、馬具、須恵器など見られ、古墳時代後期の出雲の古墳の副葬品のセットを良く知ることができる重要な資料として評価されています。
古天神古墳から出土した遺物
出典:島根大学法文学部考古学研究室・古天神古墳研究会2018『古天神古墳の研究』島根大学考古学研究室調査報告第17冊
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お問い合わせ先
文化財課
島根県教育庁文化財課 〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎) TEL 0852-22-5880 FAX 0852-22-5794 E-mail : bunkazai@pref.shimane.lg.jp ・文化財愛護協会のお問い合わせは、 TEL 0852-22-6725 E-mail : shimanebunkaaigo@pref.shimane.lg.jp ・銃砲刀剣に関するお問い合わせは、 TEL 0852-22-6612 E-mail : juhoutouken@pref.shimane.lg.jp