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決算特別委員長報告

 

 決算特別委員長報平成27年11月定例会

 

 決算特別委員長報告をいたします。

 本年9月定例会において本委員会に付託されました、知事提出第125号議案、第126号議案及び認定第1号議案から認定第4号議案の6件につきましては、決算審査の結果を平成28年度の予算に反映させるべく精力的に審査・調査を行ってきたところであります。

 以下、その経過及び結果について申し上げます。

 

 初めに、平成26年度の決算の概要についてであります。

 一般会計の歳入総額は5,352億円余、歳出総額は5,213億円余であり、前年度に比べて歳入は1.1%、歳出は0.9%減少しました。また、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は48億円余の歳入超過でありました。

 証紙特別会計など12の特別会計を合算した歳入総額は1,747億円余、歳出総額は1,701億円余であり、こちらは前年度に比べて、歳入は27.2%、歳出は28.1%増加し、実質収支額は45億円余の歳入超過でありました。

 

 平成26年度決算に係る健全化判断比率については、実質赤字比率及び連結実質赤字比率については該当がなく、実質公債費比率及び将来負担比率については、いずれも早期健全化基準を下回っております。

 また、平成26年度末の基金残高は177億円余と、財政健全化基本方針で目標とされている額が確保されており、地方債現在高についても9,786億円余と着実に減少しております。

 

 これは、財政健全化の取り組みの成果として評価できるものでありますが、厳しい経済情勢が続く中、平成28年度以降は「島根県総合戦略」に本格的に取り組むための財源が必要となることなどから、今後も厳しい財政運営が避けられないものと考えます。

 引き続き、財政健全化に向けて、着実に取り組まれるよう求めます。

 

 次に、公営企業会計の決算についてであります。

 まず、病院事業会計についてであります。

 中央病院については、純損失が36億7,800万円余であり、累積欠損金は176億円余となりました。なお、減価償却費など現金支出を伴わない費用を除いた償却前損益は7億4,200万円余の黒字でありました。

 また、こころの医療センターについては、純損失が8億9,000万円余であり、累積欠損金は44億円余となりました。なお、償却前損益は6,200万円余の黒字でありました。

 次に、企業局所管の事業会計についてであります。

 電気事業は純利益8億2,000万円余、工業用水道事業は純損失7億9,900万円余、水道事業は純利益4,400万円余、宅地造成事業は純損失100万円余でありました。
 

 本委員会におきましては、全体会及び4つの分科会において、平成26年度に係る予算執行が、議会の議決の趣旨及び関係法令等の規定に従い、適正かつ効率的に行われたか、施策の効果が十分上がったか、また、今後改善を要する点は何か、などに視点を置いて、関係各部局から各種の資料の提出を求め、詳細な説明を聴取し、また、監査委員からは、決算審査等の意見及び定期監査の結果に関する意見等について説明を受けたところであります。

 以上のような審査の結果、本委員会に付託されました第125号議案、認定第2号議案及び認定第3号議案については、全会一致により、第126号議案、認定第1号議案及び認定第4号議案については、賛成多数により、可決及び認定すべきものと決定いたしました。
 

 次に、審査の過程で議論された主なものについて申し述べます。

 

 まず、企業誘致の推進についてであります。

 県では、産業の高度化と雇用機会の増大を図るため、新規企業立地の促進と県内企業の事業拡大等を支援していますが、誘致企業に対する聞き取り調査の結果、平成21年度から26年度の正規雇用者数は、745人の増となっております。

 また、製造業の県内事業所数と雇用者数については、この5年間で、事業所数は約16%減、雇用者数は9.5%減となっております。

 総合戦略による雇用の確保と子育て支援の推進を実効あるものとするためには、施策の検証を十分行い、誘致企業における正規雇用の拡大や、誘致企業と県内中小企業との取引拡大等による地場産業の育成について、さらなる取り組みの強化をお願いしたいとの意見がありました。

 

 次に、島根県立大学についてであります。

 県立大学では、自治体と連携し、地域に密着した研究・教育活動に取り組まれているところであります。地域社会に貢献する優れた人材を育成することが、大学を設置した目的であり、そのことを踏まえた成果指標にするべきではないかとの意見がありました。

 また、卒業後地元での就職、定住に繋がるような、島根県と島根の子どもたちのための大学であってほしいとの意見もありました。
 

 次に、子育て支援についてであります。

 保育所の施設整備のほか、市町村や民間団体と連携した子育て環境の充実が図られつつあります。

 また、結婚支援や企業における子育て支援の応援、一時預かりやファミリーサポートセンターなど、各種事業に取り組まれているところであります。

 これらは、地方創生を進める上でも重要視されている施策であり、今後も一層の充実を図ってほしいとの意見がありました。

 

 次に、農業の普及活動等についてであります。

 今後、TPPや、国におけるコメの生産調整廃止への対応、また、現在進められている農地の中間管理事業などの様々な課題に対し、JAなど関係機関との連携を一層強化しながら、島根の農業が生き残れるようにしっかり取り組んでもらいたいとの意見がありました。

 

 最後に、土砂災害対策についてであります。

 ハード対策として、病院をはじめとする要配慮者利用施設などの保全を図るため、砂防関係施設の整備が行われているところであります。

 また、ソフト対策として、土砂災害警戒区域等の指定のための基礎調査など警戒避難体制の整備が進められているところであります。

 今後、状況を同じくする他県と協調して国への財政支援を強く要望することや、県民の生命・財産を守るため、ハード・ソフトを含めた総合的な対策を効果的に進めるよう要望がありました。

 

 以上、申し述べました委員会審査の過程において出された各委員の意見や要望等について十分に配慮し、本委員会設置の趣旨を踏まえ、審査の結果等を平成28年度の予算に反映されるよう要請いたします。

 

 日本経済の動向は緩やかな景気回復基調が続いておりますが、中国の景気減速などによる世界経済の動向や金融資本市場の変動など、引き続き、先行きに注意が必要であると言われております。本県経済も同様であります。

 また、国の予算編成においては、社会保障費の伸びを抑えるなど一段の歳出抑制を求める厳しい状況であり、本県の来年度予算編成などへの影響が生じることも予想されます。

 

 このような状況のなか、執行部におかれては、今後の社会・経済情勢の変化や国の動向等を的確にとらえ、本県経済や県民生活の安定に向けて、迅速かつ適切な県政運営を行うことにより、「県財政の健全化」と「子育てしやすく、活力ある地方の先進県しまね」の実現の両立を図られることを期待いたしまして、決算特別委員長報告といたします。

 


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