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文教厚生委員長報告

 

文教厚生委員長報平成22年2月定例会(3月17日)

 

 文教厚生委員長報告をいたします。

 

 文教厚生委員会に付託されました議案の審査結果等について報告いたします。

 

 今期定例会において文教厚生委員会に付託されました議案は、予算案8件、条例案7件、一般事件案2件及び議員提出議案1件であります。

 

 これら議案のうち、知事提出議案の予算案、条例案及び一般事件案について執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案も全会一致をもって、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

 

 議員提出第3号議案「幼児教育の無償化と保育サービスの充実を求める意見書」の審査結果について申し上げます。

 委員から、「幼児教育に対する負担」という表現があいまいであり、幼稚園及び保育所における教育費用の意味であれば、表記を直した方がよい、との意見がありましたが、挙手採決の結果、賛成多数により原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

 

 次に、議案の審査過程において委員から出された質疑や意見等のうち、22年度当初予算に関する主なものについて申し上げます。

 

 まず、医師の確保についてであります。

 委員から、大田市立病院、済生会江津総合病院、益田赤十字病院では、外科や脳神経外科などの医師が減少、あるいは不在となる事態が目前に迫っている。地域で勤務する医師の確保のために、何を一番にやるべきか、との質問がありました。

 これに対し、執行部からは、大学からの医師供給について、全国的な医師不足の影響を受け、本県では、他県大学から供給された医師が引き揚げ傾向にあり、その後を島根大学ができる限り補充しているが、追いつかない現状となっている。今までどおり、医師の供給を大学の医局に頼っているだけでは限界があるのではないかと思われる。

 現状を打開していくためには、国が医師の地域勤務について強力なインセンティブを与えていくような施策を考えるべきであり、県としては、国に対して具体的な提言を多方面から行っていく必要がある。従来どおり県から大学にお願いしても、大学のマンパワー不足の中では、医師を確保し続けることは非常に難しい。

 また、医師を受け入れる地域の医療機関はもとより、自治体や住民が協力し、医師の働きやすい環境をつくりあげることが重要である。国レベルの制度づくりと地域の受け入れ態勢の充実という、両面の取り組みが肝要と考えている。との回答がありました。

 

 次に、地域医療の支援についてであります。

 委員から、ITを活用した支援は、医療現場の負担軽減に効果があるか。また、いわゆるコンビニ受診の抑制といった住民向けの啓発をどのように進めるか、との質問がありました。

 これに対し、執行部からは、電子カルテ等の情報を共有化できるネットワークシステムを検討していく。地域の基幹病院と診療所、あるいは基幹病院同士で医療情報が参照できれば、患者の紹介や診療の応援が容易となり、医師の負担が軽くなると考えられる。

 また、普及啓発については、保健所、市町村、医療機関等の関係者で、活動内容を詰めていきたい。タウンミーティングや出前講座など、病院側から住民に向けた情報提供等を手始めに、それぞれの地域の実情に応じて、その活動を活性化させていきたい。

 ともすれば「診てもらって当たり前」という住民側の意識の中に、医療機関に対する信頼感や医師に対する感謝の気持ちが醸成されることで、現在勤務している医師を大事にし、支援することにつながっていくものと考えている。との回答がありました。

 

 次に、高校授業料の無償化についてであります。

 執行部から、高校授業料無償化法案が、現在、国会審議中であることから、県としては、関係条例の改正を2段階で行いたい。この2月定例会では、4月以降の授業料の納付を猶予することができる旨を改正し、次の6月定例会において、法律との整合を図るための抜本的な条例改正を行いたい、との説明がありました。

 委員から、授業料無償化の対象とならない県立学校があるか、また、留年した生徒からは授業料を徴収するのか、との質問がありました。

 これに対し、執行部からは、「専攻科」は高校と同等の教育課程とはいえないため、法律案においても授業料無償化の対象外とされている。また、約1万6,500人の高校生のうち、留年の生徒は約100人程度で、病気や不登校などによる場合が多いことから、留年した生徒から授業料を徴収すべきでないと考えている、との回答がありました。

 

 本委員会としては、新しい制度の実施に向けて、生徒、保護者によく周知し、準備万端整えて円滑にスタートできるよう努めてほしい、と考えております。

 

次に、請願の審査について申し上げます。

 

継続審査中の請願18件について、執行部から状況説明を受け慎重に審査しました結果を申し上げます。

請願第48号は、「セーフティネットの拡充に関する意見書の採択」を求めるものであります。

昨年の緊急雇用対策で、離職者等に対する住宅や生活資金の支援、ワンストップ・サービス・ディなどが実施され、さらに国の第2次補正予算において、生活・就労の支援策が強化されたところですが、時限的な対策であることや申請窓口の一本化などの問題があります。また、生活保護については、国において研究会が設置され、制度について検討の動きが出てきております。

こうした中、本県でも、生活保護受給者は増加しており、国に対し総合的なセーフティネットの整備を求める必要があると考えられることから、全会一致で「採択」とし、意見書を提出することに決定いたしました。

この審査結果を受け、とりまとめました意見書案について、後ほど和田委員が提案理由を説明いたしますので、ご賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

なお、継続審査中の請願17件は、いずれも結論に至る状況にないことから、引き続き「継続審査」とすべきとの審査結果でありました。

 

次に、報告事項など所管事項調査に関連したもののうち、障害者への就労支援について申し上げます。

執行部から、21年度に10人の知的に障害のある方を雇用して、県庁、地方機関の職場で事務や作業の補助に従事してもらったが、そのうち3人の就職が決まり、7人が就職活動中である。22年度からは、視覚や精神に障害のある方を対象に加え、雇用期間を最大3年に延長して取り組んでいく、との説明がありました。

委員から、効果を上げるために障害のある方を1人ずつでなく、複数配置するようにできないか、との質問がありました。

これに対し、執行部からは、障害者福祉課に、障害のある方4人が勤務するワークセンターを設置して、県庁全体から仕事を集約して作業する体制で進めていきたい、との回答がありました。

 

最後に、「子ども読書活動の推進」について申し上げます。

21年度から新規に取り組まれている、子ども読書活動の推進と学校図書館の活性化を図る事業について、小中学校において積極的な取り組みが進んでいることを本委員会として評価するものであり、22年度から、新たに教育図書の整備事業が加わることで、今後、より一層の事業展開と教育効果の向上を期待するものであります。

 

以上、文教厚生委員会における審査及び調査の概要を申し述べ、委員長報告といたします。

 


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