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山根議員

(問)ふるさと教育について

1.ふるさと教育、キャリア教育は、もっと「一隅を照らす」、「故郷へ貢献する」という気持ちを起こさせる内容を強化してほしいが、所見を伺う。

2.公民館ふるさと教育推進事業について、より一層強化すべきと考えるが、所見を伺う。

 

(問)県立高校魅力化ビジョンについて

3.「後半5年間の具体的取組は改めて県教育委員会で検討する」とされているが、教育委員会が描いているスケジュールについて伺う。

4.高校においては、ある程度の学校規模があることが望ましく、このことは都市部以外の高校でも同様と考えるが、所見を伺う。

5.「その他の地域」のうち、「複数の高校がある地域」におけるあるべき学校規模と生徒数の減少への対応を今後の検討に委ねた理由と、この度のビジョン策定でどのような議論が行われたのか伺う。

 

(答)教育長

1.5点のご質問にお答えいたします。

 まず、ふるさと教育・キャリア教育と故郷への貢献意欲などの強化についてであります。

 ふるさと教育は、地域のひと・もの・ことを活用しながら、地域の人々の協力を得て、学校外の体験活動も積極的に展開しながら行われております。

 このふるさと教育と一体的・系統的に進めているキャリア教育は、子どもたち一人一人が社会の一員として、自らの役割を見いだし、様々な力や態度を育んでいく教育活動として推進しているところです。

 学校現場からは、子どもたちが自ら地域課題を主体的に見つけ、地域の多くの方々と関わる活動を通して、自分にできることを考え、行動に移していく姿や、失敗からも多くのことを学びながら成長していく姿が多く見られるようになったと聞いております。

 こうした子どもたちに表れる変化や効果は、子どもたち一人一人が、こうした学習の場において、当事者であり、実践者であること、そして、温かく見守られ大切にする中で、また、地域から多くの期待を寄せられる中で、自己肯定感を持ちながら成長している証であろうと思っております。

 島根の子どもたちには、「地域の役に立って喜ばれた」といった直接体験や「こんな人になりたい」といった好ましい間接体験を、島根の地で重ね、これから生きていく上で必要となる力を、しっかりと身につけてほしいと考えております。

 こうしたことを学んだ子どもたちにとって、学びの場島根は世界中で唯一の場所、特別な地になるものと思います。そして、「島根に残りたい」、「島根に貢献したい」、「島根と関係を持ち続けたい」という子どもたちを増やすことにつながるものだと思います。

 こうした私どもの考えは、議員からお話のありましたお考え「県内定住・県内就業のみを目的とするものではないが」、「一隅を照らす気持ち、故郷に貢献する気持ちを起こさせる内容を強化すべき」とのお考えに沿うものであろうと考えております。

 教育委員会としましては、島根を志す子どもたちに対しても、世界を志す子どもたちに対しても、一人一人のしっかりとした自らの志による希望や決意を叶えることができるように、教育活動を通じて精一杯支援してまいります。

 

2.次に、公民館ふるさと教育推進事業の強化についてであります。

 「公民館ふるさと教育推進事業」は、子どもたちに向けたふるさと教育に取り組む中で、議員からご指摘のありましたように「大人が地域の良さを十分に知ることが、子どもたちの考えなどに大きな影響を及ぼす」という視点から、平成28年度に開始した事業であります。

 この事業により、大人が地域の魅力や歴史、文化などを学んだり体験する取組を支援したり、大人と子どもが共に学び、ふるさとに愛着と誇りを持つ次の世代を育成する県内各地域の活動を支援してまいりました。

 この3年間の取組によりまして、育てたい子ども像の共有、地域の現状や価値に対する大人の理解の深まりなど、一定の成果が見られましたので、来年度からは、より実践的なふるさと教育を行う公民館を支援する事業内容に見直したところであります。

 「ふるさとに誇りを持ち、次世代に伝え、守っていく大人」づくりの取組を、引き続きしっかりと支援していきたいと考えております。

 

3.このたびのビジョンにおきましては、社会のグローバル化の進展や、AI・IoTなどの絶え間ない技術革新などにより、教育を取り巻く環境がめまぐるしく変化する状況等を踏まえまして、策定に当たっては、向こう10年間の方向性と、前半5年間の「具体的な取組」を示したところであります。

 今後のスケジュールにつきましては、全体を大きく2つに分けて考えております。

 1つには、毎年度、進捗状況を把握・検証しながら、次年度の取組に繋げていくスケジュール感であり、例えば、地域と高校の協働体制の構築や各高校の魅力化・特色化の推進などの取組がこれに該当いたします。

 議員からご指摘のありました、地域別の高校の在り方については、これとは異なる2つめのスケジュールを考えております。すなわち、中学校の卒業者数や入学定員に対する志願者数、入学者数の状況や、地域との協働による高校の魅力化・特色化の取組と成果を踏まえたうえで、前半5年間の中間年にあたります2021年度を目途に、具体的な検討を始めるという考えであります。

 こうした2つのスケジュールにより、前半5年間の最終年度となる2023年度中に、後半5年間の具体的な取組をお示ししたいと考えております。

 

4.次に都市部以外の高校における、望ましい学校規模についてであります。

 このたびのビジョンにおきましても記載しているとおり、松江市、出雲市の都市部の高校については、生徒の多様な学習ニーズに対応する選択幅のある教育課程の編成が可能となること、多くの部活動を準備できること、集団の中で社会性やたくましさを培うことができることなどの観点から、一定の生徒数や学校規模が必要であるとし、この地域における望ましい規模は「一学年4学級以上8学級以下」といたしました。

 一方、都市部以外の多くの地域においては、中学校卒業者数が減少し、高校の小規模化が進んでいる状況にありますが、小規模校においては、一人一人の存在感や役割を持たせやすく、リーダー性を育てやすいこと、生徒一人一人に目が行き届き、きめ細やかな指導を行うことができることなどのメリットがあるものと考えております。

 また、特に離島・中山間地域の高校においては、唯一の地元高校に進学するしか選択肢がない状況もございます。

 これらのことに加えまして、こうした高校の多くは、地方創生・地域活性化の拠点となっていることから、学校規模にこだわることなく、地元市町村及び地域の参画を得ながら協働して高校の魅力化・特色化を進めていくことといたしました。

 したがいまして、議員ご指摘のとおり、高校においては、一定の学校規模があることが望ましいという考え方がある一方、都市部以外の地域においては、一定以上の学校規模を優先するか、小規模校のメリットを生かした教育を実践するかについては、それぞれの高校の置かれた地域の様々な実情を考慮して検討すべきであると考えております。

 

5.次に、「複数の高校がある地域」における、あるべき学校規模と生徒数の減少への対応を今後に委ねた理由と策定にあたっての議論についてであります。

 先ほども申し上げましたとおり、「松江市、出雲市以外の地域」については、一定以上の学校規模を優先するか、小規模校のメリットを生かした教育を実践するかは、策定の議論を進める中で、地域の実情に応じて検討していく必要があるとの判断に至りました。

 今後においては、各高校の魅力化に向けた取組を注視しつつ、生徒にとってどのような教育環境が望ましいのか、県と地元市町村との間で課題を共有しながら、高校の在り方を検討していく考えであります。

 


お問い合わせ先

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