角議員(民主県民)
(問)いじめ対策について
1.県内の小中学校、高校のいじめの状況、それによる自死の状況について伺う。
2.学校全体あるいは地域の目を活かし、いじめの発見と解決に取り組むべきと考えるが、所見を伺う。
3.いじめに苦しむ子どもや家族の相談・支援体制の強化が必要だが、考えを伺う。
4.人権教育の観点から児童生徒の指導に取り組み、いじめ予防に取り組む必要があるが、どのように取り組んでいるのか。また、今後どのように取り組む考えか伺う。
5.大津市で事件が起こった滋賀県や隣の鳥取県などで検討が進められている第三者機関の設置について、所見を伺う。
6.不登校児童生徒への対応、中退あるいは卒業後の支援体制について伺う。
(答)教育長
いじめについて六点ご質問をいただきました。
1.まず、いじめの状況でございます。
平成二十三年度の文部科学省によります「問題行動等の調査」では、県内の公立学校百六校で二百二件のいじめを把握しているとの報告がございました。ここ四年大きな変動はございません。
なお、いじめによる自死の報告はございませんでした。
2.それから次ぎに、いじめの発見と解決への取組でございます。
いじめの早期の発見には、一番身近な存在である担任の気づきが大切なのはいうまでもございませんが、現実には担任が発見したというのは二割程度であります。児童生徒や保護者、地域の方などからの様々な声にしっかりと耳を傾けることが大切であると思っております。。
また、この早期発見に関しましては、平成二十二年度から県内すべての小・中・高等学校で実施をしております、アンケート調査も有効ではないかというふうに考えております。
いじめを把握した後は、学校全体で情報を共有をして、組織として対応することが必要であると思っております。
3.次にいじめの相談・支援体制についてでございます。
松江と浜田の教育センターに設置をしております「いじめ110番」では、年間三百五十件余りの相談に対応をいたしております。
また、学校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの支援も得ながら、相談体制を整え解決に取り組んでおりますが、今後、その充実を図っていく必要があるというふうに思っております。
4.それから次に、人権教育の観点から、取組が必要ではないかというお尋ねでございます。
いじめは児童生徒の人権にも関わる問題でもあります。何よりも児童生徒がお互いを尊重しようとする意識を育てることが大切であります。このため人権教育や道徳教育の充実を図ることはもとよりでありますが、現在、「ふるまい向上運動」によりまして、他人への思いやりの心や規範意識を育てること。あるいは「読書活動の推進」によりまして、豊かな心の育成にも努めているところでございます。
今後とも、家庭や地域とも連携を図りながら、こうした取組を充実していきたいと考えております。
5.次に、専門家による機関を設置したらどうかというご質問でございます。
いじめの問題につきましては、まずは教育の現場で、対応・解決することが大切であり、また基本だと思っております。現在のところ県内の各学校では、そうした考え方のもとで、様々の課題に、しっかりと対応してもらっているというふうに考えております。ただ、子供を巡ります環境は、複雑多様化しております。学校だけでは解決が困難な、こういった事案も想定をされます。そこで、そうした場合に、外部の人材を活用いたしまして、客観的、専門的立場から、学校や保護者を支援してもらう仕組み、こういった仕組みについて、現在検討しているところでございます。今後、各方面の意見を聞きながら、具体化して参りたいというふうに考えております。
6.それから最後に不登校についてでございます。
不登校のきっかけでありますが、いじめもその一つでありますが、そのほかにも様々なことがらが関連をしております。従いまして、その対応も多面的な角度から行う必要があると思っております。
現実には、学校では組織として対応することを基本といたしまして、状況に応じましてスクールカウンセラー、あるいはスクールソーシャルワーカー、そして児童相談所、警察等、関係機関の支援も得ながら、対応しているところであります。
また、市町村では教育支援センターなどの居場所を作り、子供の自立を支援しております。
今後も、不登校の背景にあります幅広い課題に対応するために、家庭や地域はもとより、福祉関係機関などとも連携を密にしながら取り組んで参ります。以上です。
お問い合わせ先
島根県教育委員会
〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎) 島根県教育庁総務課 TEL 0852-22-5403 FAX 0852-22-5400 kyousou@pref.shimane.lg.jp