平成29年度子ども地域活動報告会
平成30年1月21日(日)に浜田市立子ども美術館で開催した「子どもによる地域活動報告会」の様子をご報告します。
1.活動報告
今年一年の活動報告を中心に、主体となる子どもメンバーがそれぞれ作成した取組の資料と共に発表を行いました。
進行・アドバイザー:佐々木伸氏(島根県教育庁浜田教育事務所社会教育スタッフ企画幹)
アドバイザー:盆子原照晶氏(NPO法人てごねっと石見理事)
1)いのっ子クラブ(浜田市井野地区)
放課後子ども教室に通う小学生と卒業していった中高生が参加する団体です。地域活動にお客さんの立場ではなく運営の立場で参加することを重視して活動しており、地区で採れる食材を使ったお菓子を作り夏祭りで出店したり、高校生が特技の吹奏楽を活かしてプロの演奏者と地区でライブ活動を行うなど、活動の幅を拡げられています。
「地域イベントの手伝いをすることで、高校で学校が分かれて中々会えない友達や多世代の地域の人と繋がれること、またその人たちが喜んでくれる姿を見るのが嬉しかった」と活動の良かった点を発表しました。
2)湯里わんぱくクラブ(大田市湯里地区)
平成5年に結成されて以来24年間続く、地区の小学生が参加する子ども会です。地区の老人会や料理クラブなど様々な団体と連携した活動をしており、今年度は子どもたちの主体性を育てることに重点を置いた活動を行ってきました。
交通安全看板づくりや、子ども会を卒業していった地域の大学生に夏休みの宿題を見てもらう活動等を実施し、現在小学6年生のメンバーから「せっかくここまで活動してきたので、卒業しても関わっていきたい」と今後の抱負を発表していました。
3)有福温泉子ども育成会(江津市有福温泉地区)
地区の小学生の子ども会ですが今年度から、卒業していった中学生を巻き込んだ活動をしている団体です。活動は中学生を中心に、地域資源の一つ本明山に登山をして、頂上では自身らの親世代が小学生の頃に作成した山の歴史の紙芝居を聞いたり、地域の未来を考えるワークショップを行ったりと、様々な体験を通じて子どもたちの思いを引き出し、主体的な活動に向けたスタートアップとなるよう取組んできました。
発表の子どもたちからは、「この活動を通じて地域には歴史がいっぱいあると知った」、「地域で川遊びやキャンプ、パーティー等これからやりたいことが見つかった」とこれからの抱負を話していました。
4)とよかわっしょい(益田市豊川地区)
地区の小中高生が参加し、高校生が核となった地域活動を行う団体です。平成26~27年度には当事業モデル地区としても活動されています。
昨年度、メンバー全員で地区の小学校の一角をリノベーションし、そのスペースを団体の活動拠点としてきましたが、来年度はそこで映画上映をするべく、どのような空間を提供するかなどの計画を発表しました。
発表した団体のリーダー等は台本を持たず自身の言葉で思いを織り交ぜながら発表をしており、子ども主体の活動が進んでいる様子が伺えました。
5)大田いんつ♪(大田市中央ブロック)
地域の中高生が参加し、高校生が核となった地域活動を行う団体です。平成26~27年度には当事業モデル地区としても活動されています。
既に恒例となっている主催イベントや、地域の恒例行事での「お化け屋敷」運営など、地域で役割を担った活動を展開していますが、今年度は地域の大人団体と共に土曜夜市の復活や、市議会議員とのトーク会など新たな活動に取組みました。
発表者は「メンバー募集も行いつつ、先輩から受け継いできたこの団体を自分たちも繋げていきたい」と話していました。
【アドバイザーより】
佐々木伸氏(島根県教育庁浜田教育事務所社会教育スタッフ企画幹)
・自分たちのアイデアが少しずつ入っていくこと、子どもが主体的に関わっていくことで子どもたちの心に変化が生まれていきましたね。
・活動を通じて、地域の人たちが色んな関わり方をしています。親や先生以外の人と関わっていくことが子どもたちの心に残っていくんでしょうね。
・地域のおじさんおばさんは密な関りが無い人たちだけど、そういう人たちからの「ありがとう」や「助かったよ」の言葉で、子どもたちの心が豊かになっていくんでしょうね。その感覚をたくさん味わえることがこの事業の大きなメリットかもしれません。
盆子原照晶氏(NPO法人てごねっと石見理事)
・高校になると地域の幼馴染とは離れ離れになることが多いけど、地域で活動していると
一緒にやり続けられるというのが、凄く大切なポイントだと思います。こういう活動をしていないと会えないかもしれませんね。
・子どもたちは、「難しいこと」よりも「楽しいこと」のほうがモチベーションを高く保てるかもしれませんね。子どもの意見を取り入れて大人が実現をバックアップすることで、子どもたちの良い経験になるのでしょうね。
・自分達が観たい映画よりも子どもたちが観たい映画上映をするのが、単純に凄い。地域活動をしていくことで、そういった目線が自然と養われたのかもしれませんね。
2.トーク&ワーク
会の後半は、今年度支援3団体のコーディネーターにご登壇いただきつつ、各団体ごとにグループで今年度の活動を振り返り、その時期の自身の気持ちの浮き沈みをグラフにして、気づいたことを話し合うワークショップを行いました。
進行・コーディネーター:檜谷邦茂氏(島根県中山間地域研究センター研究員)
グラフィックレコーダー:村岡詩織氏(ヒビノデザイン)
ワーク後の各団体のまとめ発表では、「同じイベントごとを見ても、お祭りに参加する側とお手伝いする側でグラフの違いが見える。前者の小学生低学年は楽しい、後者の小学生高学年は辛いでグラフが分かれている。」、「イベントごとは大人は運営の大変さから辛いが、同じ運営の手伝いをしている高校生は、手伝いは辛いが、皆が喜んでくれるので総じて楽しいと話しており、同じことをしていても感じ方が大人と子どもで違うことを感じた。」など、興味深い意見が出ました。
登壇者である各団体のコーディネーターからは、「まだまだ自分が手伝わないと作業が進まないと思いいつも口を出していたが、今日は自身がいなくてもワークが進んでいた。子どもたちにもっとさせて良かったと感じた」、「一年を振り返り次への課題ややりたい事が少し整理ができ、活力になった」などと感想を話していました。
プログラム全体を通してグラフィックレコードをしていただきました。
グラフィックレコードを初めて見る方も多く、わかりやすい、可愛い、どうやるの?など会場では評判で、皆さん写真を撮っていました。
当センターは子どもが主体となった地域活動が、まちづくりや次世代育成の一環として広がっていくよう、これからも推進してまいります。
お問い合わせ先
西部県民センター
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