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2007(H19)年 <  2008(H20)年 年報  > 2009(H21)年
目次I.概要II-1.発生状況の解析と評価II-2.定点把握疾患発生状況III.検査情報
全数把握週報(インフルエンザ・小児科・眼科・基幹定点)月報(STD・基幹定点)精度評価
1.2008(平成20)年の感染症発生状況の解析と評価 |発生状況表1.全国表2.月別表3.保健所別表4.過去
1.2008(平成20)年の感染症発生状況の解析と評価
1)全数把握疾患の発生状況:表1〜3
(1)一類感染症
 全国でも報告がなかった。

(2)二類感染症
 結核は、感染症法の改正により、二類感染症に指定され、2007(平成19)年4月1日から感染症発生動向調査で把握している。
 報告数は、全国で28,145名、島根県で160名と全数把握対象疾患のうち最多であった。急性灰白髄炎は北海道と中部ブロックで1名ずつ報告があった。

(3)三類感染症
 三類感染症には、2007(平成19)年4月1日に二類感染症から移されたコレラ、細菌性赤痢、腸チフス及びパラチフスの4疾患と腸管出血性大腸菌感染症が指定されている。全国では、コレラ43名、細菌性赤痢309名、腸チフス55名、パラチフス27名及び腸管出血性大腸菌感染症4,251名、中国地区では細菌性赤痢6名、腸チフス1名及び腸管出血性大腸菌感染症302名、島根県では、腸チフス1名及び腸管出血性大腸菌感染症23名の報告があった。腸チフスは松江圏域から報告されたが、感染経路は不明であった。
 全国の腸管出血性大腸菌感染症の報告数は、2001(平成13)年をピークに数年間減少していたが、2007(平成19)年4,591名、2008(平成20)年4,251名と近年増加傾向にある。島根県でも2001(平成13)年の94名の報告をピークに減少したが、最近2年間は連続して23名の報告があった。腸管出血性大腸菌感染症の発生は給食施設の改善と衛生思想の普及により、給食等を原因とする集団感染は減少したが、島根県でも、2008(平成20)年の23名中18名は家庭内で発生した6事例の関係者であり、飲食店や家庭での生肉の取り扱いや手洗い等、二次感染防止等の啓発が重要である。

腸管出血性大腸菌感染症の年次報告数の推移
血清型毒素型1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
O103:H2VT1+,VT2----------1--1
O111:HNMVT1-,VT2+--------- (2)--2
O157:H7VT1-,VT2+-1- (3)- (3)- (4)----12
VT1+,VT2+------ (4)(2)-----8
-1-3-385-3--23

(括弧):家族内発生又は二次感染事例を示す



(4)四類および五類感染症
 四類感染症では、A型肝炎2名、つつが虫病2名、日本紅斑熱13名、マラリア1名及びレジオネラ症2名の報告があった。A型肝炎は、全国で170名報告され、本県の出雲圏域で報告された2事例では、井戸水や生魚からの感染が推測されている。ダニ媒介性のつつが虫病は、全国で441名、隣県の鳥取県で2名、広島県で15名及び、山口県で1名報告され、本県では、出雲圏域で4月と6月に報告があった。日本紅斑熱は、全国で134名、隣県の鳥取県で2名、広島県で4名報告され、本県では、出雲圏域で5月2名、6月1名、7月2名、9月4名、10月3名、11月1名が報告された。マラリアは、全国で55名、中国地区で3名報告され、島根県の1事例は、パプアニューギニアに長期滞在後入国し、松江圏域に滞在した外国人であった。レジオネラ症は、全国で884名、中国地区で70名報告され、島根県では松江圏域で2名の報告があったが、その感染源は不明であった。
 五類感染症では、アメーバ赤痢1名、クロイツフェルト・ヤコブ病2名、梅毒2名、破傷風1名、風しん4名及び麻しん4名が報告された。破傷風は、出雲圏域からの報告であったが、隠岐圏域での感染が推測された。風しんは、大田圏域から報告され1〜2歳の幼児であった。麻しんは、松江、出雲、隠岐圏域から報告され、1歳2名、18歳1名及び40歳1名であった。

(5)動物の感染症
 1999(平成11)年の感染症法の制定により、ヒトへ感染するおそれが高いエボラ出血熱(サル)、マールブルグ病(サル)の届け出が義務づけられた。この後、2004(平成16)年には重症急性呼吸器症候群(イタチアナグマ、タヌキ、ハクビシン)等が加わり、2008(平成20)年の改正により、鳥類の新型インフルエンザ等感染症が加えられ、対象疾患は10疾患となった。
 2004(平成16)年までは、全国でも報告例がなかったが、2005(平成17)年以降これまでに細菌性赤痢のサル170件、エキノコックスの犬8件及び鳥インフルエンザ(H5N1)の鳥類9件の報告があった。報告されたサルはすべて輸入後の検疫によって発見されたものである。エキノコックスの犬は、北海道7件、埼玉県1件で報告された。鳥インフルエンザ(H5N1)の鳥類は、北海道、青森、秋田、茨城県で衰弱又は死亡した鳥類の報告であった。本県での報告は、2008(平成20)年までに1件もない。  
 2008(平成20)年、全国で細菌性赤痢のサル29件と鳥インフルエンザ(H5N1)の鳥類9件が報告された。