ノロウイルスによる感染性胃腸炎
●発生状況
感染性胃腸炎は様々な病原体が関係していますが、冬期(12月〜2月)の
ノロウイルスによる流行、
春期(4月〜5月)にロタウイルスによる流行が主な原因となっており、この他に夏期に細菌性の胃腸炎の
流行が見られることがあります。
臨床診断別のウイルスの分離状況(当所データ)
ノロウイルスは小児から大人まで流行が見られ、発生の範囲が幅広いため、小児だけでなく高齢者の感染に注意が必要です。
●感染経路
ノロウイルスは、糞便・吐物およびそれらに汚染された手指、物品を介した接触感染、あるいは飛沫感染もみられます。
食品からでは、汚染された2枚貝、特にカキ類を介した食中毒様の経口感染があります。
詳しくは、「
冬の胃腸炎の主役!ノロウイルス」を参照してください。
●感染予防
手洗いの励行、汚染された衣類などの分別洗濯が基本的な予防法です。
吐物などの処理時には手袋を着用し、飛散防止を心がけてください。
また、汚染物は
次亜塩素酸による除染、消毒を行います。
汚染の可能性のある食品は加熱調理が効果的です。
症状消失後も2〜3週間はウイルスが排泄されますので、看護、介護、調理従事者の職場復帰の時期、
福祉施設などでは流行中の共用設備(トイレ・食堂など)の使用制限も検討する必要があります。