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腸管出血性大腸菌感染症
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腸管出血性大腸菌(O157等)感染症に注意しましょう!

発生
 全国では毎年3000件程度の発生が続いていますが、気温が高くなる初夏から晩秋にかけて多発し、冬から春にかけて発生数が少なくなるという季節性の変化が見られます。少量の菌による汚染で感染するため、保育園や老人施設などの施設内での集団発生や、大規模な食中毒事件が起こるなど、感染拡大が起きやすい特徴があります。
 島根県では2015年に高等学校の寮でO157の集団発生があり、83件の届出がありましたが、2016年は年間で12件でした。→県報告数と届出基準
手を洗おー!ポスター
病原体
 腸管出血性大腸菌は、通常の大腸菌とは異なり、病原性を持った大腸菌(組織侵入性大腸菌:EIEC、毒素原性大腸菌:ETEC、 腸管出血性大腸菌:EHEC、腸管病原性大腸菌:EPEC、など)のひとつで、ベロ毒素(VT、志賀毒素様毒素)を産生することを特徴としています。 血清型ではO157、O26、O111等が知られています。
感染経路
 腸管出血性大腸菌は、本来は動物の腸管内に生息する細菌ですが、家畜や感染者の糞便に汚染された食品や水の飲食で人に感染します。
 感染源としては、井戸水、牛肉、生レバー、サラダ、浅漬けなどが報告されています。
 しかし、食材や水が少量でも腸管出血性大腸菌により汚染していれば、どの食物でも感染源になります。わずかな数の菌でも感染できてしまうためです。
 このため、調理用具等を介し二次汚染した食物を喫食することで感染したり、患者や感染者(保菌者)の便が手指に付着し、それが直接乳幼児等の口に入り感染したり、食物を扱うことで間接的に感染することがあります。
潜伏期
 潜伏期は4〜9日と長く、感染源が特定しにくいのが特徴です。
臨床症状
 感染後にだるい、元気が出ないといった症状が出る場合もありますが、一般的な初期症状は感染後4〜9日後に現れる へそから下腹部にかけての激しい腹痛と下痢です。便に血液が混じる(血便)こともあります。
 重い合併症としては、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome; HUS)や血栓性血小板減少性紫斑病による腎不全や脳障害が起こることもあります。HUSはEHEC腸炎患者の5〜10%で発症し、若年者と高齢者で発症の恐れが大きくなる傾向があります。
検査室診断
 便等から腸管出血性大腸菌を分離し、生化学的性状、血清型別、ベロ毒素産生性および型別、ベロ毒素遺伝子の検出等の検査が行われています。
治療
 対症療法として下痢に対する補液(点滴などによる)を行います。発症したら医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。入院が必要な場合もあります。
 抗菌薬治療については、HUSをおこしやすくするという報告もありますし、発症早期の投与でHUSをおこしにくくするという報告や、抗菌薬はHUS発症に影響しないといった様々な報告があります。
 なお、腸管出血性大腸菌感染症による下痢に対しては、止痢剤(いわゆる下痢止め)の使用は、HUS発症の危険性を高めるため、推奨されていません。
予防
 予防の基本は、調理や食事の前にはよく手を洗う、食物は良く加熱して食べる、調理したらすぐ食べるの三原則(病原体を、つけない・やっつける・増やさない)を守ることです。
 各家庭や食品調理施設においては、次の事項に注意しましょう。
@手洗いの励行
人から人への感染を防ぐためには、手洗いが最も大切です。
用便後、調理前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
A食品を扱う際の注意
75℃1分間の加熱で菌は死滅します。調理にあたっては、中心部まで十分に加熱するとともに、調理した食品はすぐ食べるようにしましょう。
Bレバー等食肉の生食はさけましょう。
C山水、井戸水等の自家用水は煮沸してから飲用しましょう。
感染症法での取り扱い
 3類感染症に指定されており、感染者(患者・無症状病原体保有者)が発生した場合、診断した医師は、直ちに最寄りの保健所あて届出をします。また、患者(無症状病原体保有者含む)は、法第18条に基づき、病原体を保有しなくなるまでの期間は、飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務につくことができません(就業制限)。
 学校保健安全法では第三種の感染症に指定されています。有症状者の場合は、医師において感染の恐れがないと認められるまで出席停止となります。無症状病原体保有者の場合、トイレの排泄習慣が確立している5歳以上の小児は出席停止の必要はありません(手洗い等の励行で二次感染は防止できるためです)。
≪感染性胃腸炎≫

腸管出血性大腸菌
リンク
島根県感染症情報センター