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山代二子塚

国指定史跡(1924年指定、2017・2018追加指定

指定名称「山代二子塚」

所在地:島根県松江市山代町字二子塚496番地外

周辺地図(外部リンク)

 築かれた時期は古墳時代後期(6世紀後半)で、全長約94m、周囲の溝まで含めると100mを越えます。6世紀の前方後方墳としては全国最大級の規模を誇り、出雲地方東部を治めた豪族(国造)の墓であると考えられています。

 山代二子塚は、台形の前方部に四角形の後方部を組み合わせ形状であり、「前方後方墳」と呼ばれる墳形をしています。前方後方墳は古墳時代後期の出雲地方、特に出雲東部に多く造られており、この地域の特徴の一つといえます。

 

山代二子塚空撮

山代二子塚(空撮写真)

 

山代二子塚復元図

山代二子塚復元イラスト

 

山代二子塚の発掘調査

 山代二子塚は規模や状況の確認のため発掘調査が実施されています。調査の結果、墳丘の周囲には約5~7mの溝が検出されています。溝は後方部南辺で墳丘の南側に大きく張り出しており、ここに何らかの施設が存在した可能性が想定されています。また、墳丘斜面の調査によって葺石が施されていたこともわかっています。

古墳測量図

山代二子塚周溝検出地点

松江市提供

 

山代二子塚古墳の周溝

検出した溝(周溝)

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

 

山代二子塚古墳で確認した葺石

墳丘斜面に施された葺石

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

山代二子塚出土遺物

 山代二子塚からは埴輪や子持壺が出土しており、墳丘を取り囲むように立て並べられていたことが想定されます。埴輪は円筒埴輪のほか、四つ足の動物の形象埴輪が出土しています。また、子持壺は出雲地方独自のものであり、儀式専用の祭器として用いられています。

 

山代二子塚古墳出土遺物

山代二子塚から出土した遺物

土層観察施設

 山代二子塚は明治時代に後方部の一部が削られて失われていますが、現在は土層観察室が整備され、全国で唯一、古墳内部の土層を見学することができます。土層を観察すると、黒色土と黄色土を交互に盛り、突き固めることで墳丘が造られたことがわかります。これは、古墳内部に水が浸透するのを防ぎ、崩れにくくするための工夫と考えられます。

 なお、埋葬施設(石室)の調査は行われていませんが、地中レーダー探査により高さ4.5m、全長10mほどの長大な横穴式石室が存在する可能性が考えられています。

 

土層観察施設

全国唯一の土層観察施設

「前方後方墳」のはじまりの地

 「前方後方墳」という用語がはじめて用いられた古墳が山代二子塚です。戦前に島根県内の古墳を調査していた野津左馬之助が、1924年刊行の『島根県史』の中で、山代二子塚の墳形を表現する際に日本ではじめて用いたといわれています。

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ガイダンス山代の郷(外部リンク)

山代二子塚のガイダンス施設です。周辺の遺跡や古墳の見学拠点にもなっています


お問い合わせ先

文化財課

島根県教育庁文化財課
〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
TEL 0852-22-5880 FAX 0852-22-5794 
E-mail : bunkazai@pref.shimane.lg.jp

・文化財愛護協会のお問い合わせは、
 TEL  0852-22-6725
    E-mail : shimanebunkaaigo@pref.shimane.lg.jp    

・銃砲刀剣に関するお問い合わせは、
 TEL  0852-22-6612
    E-mail : juhoutouken@pref.shimane.lg.jp