専光寺脇遺跡

所在地:島根県益田市久代町

 益田川右岸の丘陵上にある遺跡で、弥生時代中期後半頃の貼石墓2基が見つかりました。このうち四角い墳丘に丸い川原石を張りつけた方形貼石墓は、日本海沿岸を中心に確認されている同様の貼石墓の中では最も西に位置しています。現在、遺跡は失われており見学することはできません。

 

専光寺脇遺跡

専光寺脇遺跡(空撮写真)

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

専光寺脇遺跡の発掘調査

 益田道路建設に伴い、2006年に500平方メートルが発掘調査され、方形貼石墓1基、弧状の貼石列を持つ貼石墓1基のほか、木棺墓・土壙墓4基が発見されました。 方形貼石墓は一辺が9.8m×9.8mで、貼石は墳丘斜面に対して縦長の方向に貼り付けられ、横方向に目地をそろえるようにして並べられています。墳丘の上で墓壙1基が発見されました。出土品はなく詳細な時期は不明ですが、貼石墓と同じ弥生時代中期後半頃と推測されています。貼石墓は墳丘が失われていたため、正確な大きさや形は不明ですが、貼石列の形状から円形であった可能性があります。上面や周辺で墓壙4基が確認されました。時期は出土品から弥生時代中期後半頃と考えられます。

専千光寺脇1号墓

専千光寺脇遺跡1号墓

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

 

専光寺脇遺跡の出土品

 2号墓の第1主体の上から弥生土器の壷が1点出土しました。算盤玉形の体部をもつ直口縁の壷で、頸部に1条の貼付突帯がめぐり、外面に赤色顔料が塗布されています。底部は欠損していますが、台付壺の可能性もあります。弥生時代中期中葉から後葉のものと考えられます。

 

千光寺脇遺跡出土品

出土した弥生土器(壺)

島根県教育庁埋蔵文化財調査センター提供

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