中小路遺跡

所在地:島根県益田市安富町

 中小路遺跡は高津川中流域に広がる安富平野のほぼ中央に位置する、弥生時代後期を中心とした複合遺跡です。 発掘調査では多数の竪穴建物跡が発見されたほか、土器棺墓がまとまって確認されました。 遺跡からは弥生土器、石器のほか、水田の存在をうかがわせる石包丁や、漁労に使ったと思われる土錘などが出土しています。弥生土器には出雲や広島、山口で多く見られる形の土器が含まれており、他地域との交流がうかがわれます。 中小路遺跡は、出土した遺構の規模や数、遺物の量や種類から、この地域の拠点的な大集落の跡であると考えられます。 安富平野には他にも羽場遺跡、安富王子台遺跡といった弥生時代の集落跡が知られています。

遺跡の全景

遺跡全景

益田市教育委員会提供

甕棺墓群の様子

土器棺墓群

益田市教育委員会提供

発掘調査風景

発掘調査の風景

益田市教育委員会提供

子供の墓

 中小路遺跡から発掘された土器棺墓は、2つの甕の口を合わせて丁寧に埋められた状態で発掘されました。これらは使われた甕の大きさから、子どもの墓と考えられます。亡くなった子どもを丁重に弔った葬送の行為には、故人に対する遺族の思いがうかがえます。

発掘された5号土器棺墓

発掘された土器棺墓(5号墓)

益田市教育委員会提供

発掘された6号土器棺墓

発掘された土器棺墓(6号墓)

益田市教育委員会提供

竪穴建物

 中小路遺跡で発見された竪穴建物はほとんどが円形で、中心部に炉と考えられるくぼみを持っています。発見された建物の数が多く、遺跡内で建て直しながら、この地域に長い期間居住したものと考えられます。

 

発掘された竪穴住居の様子

発掘された竪穴建物

益田市教育委員会提供

炉と考えられる建物中央のくぼみの様子

炉と考えられる建物中央のくぼみ

益田市教育委員会提供

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史跡から出土した遺物等が展示されています

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