上塩冶地蔵山古墳
国指定史跡(1924年指定)
指定名称「上塩冶地蔵山古墳」
所在地:島根県出雲市上塩冶町池田
出雲市市街地南部、県立出雲工業高校グランドの西側に所在します。盛土の流出により長らく墳形は不明とされてきましたが、近年行われた発掘調査により、一辺25m程度の方墳である可能性が高まりました。
横穴式石室は全長8m程の複室構造で、凝灰岩の切石で構築されています。奥室は天井・側壁とも一枚の切石で組まれ、内部に横口式家形石棺と石床が置かれています。
副葬品は開口が古く、不明です。築造時期は、石室構造から7世紀前半と考えられます。石棺内には後世に置かれた地蔵尊が祀られており、今も古墳を見守ってくれています。
上塩冶地蔵山古墳の墳丘の様子
出雲市提供
家形石棺
出雲市提供
石室の見どころ
一段階前の上塩冶築山古墳では天井石に 自然石が使われていましたが、この石室はすべて切石で構成されます。 最大の特徴は、すべて一枚の切石で組まれた奥室と、出雲東部の石棺式石室の影響と考えられる「くり抜き玄門」の存在です。
奥室は三方の壁と天井が各々一枚の切石で、前室との空間を仕切る壁(玄門)は2枚の板石を組み合わせてその中央に長方形の入口を開けています。この玄門は、出雲東部における石棺式石室の「くり抜き玄門」を彷彿とさせるもので、出雲東部の影響が垣間見えます。また、 上塩冶築山古墳と同様、いたる所に「切組み積」が用いられています。
出雲西部の最後の最高首長墓にふさわしい、この地の石工技術の集大成といえる石室です。
羨道から奥を望む
出雲市提供
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史跡から出土した遺物等が展示されています
出雲弥生の森博物館(外部リンク)
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