林地開発許可制度
森林は保安林でなくても、水源のかん養や災害の防止、環境の保全といった公益的な働きを多かれ少なかれ有しています。これを通じ、我々国民の生活を安定させ、地域社会の健全な発展を助けています。
そして、この森林は一度開発してその働きを失った場合、回復させることは非常に困難です。
この大事な森林を壊さないために、「林地開発許可制度」が大きな役割を果たしています。
【NEW】令和5年4月より、林地開発許可制度が変わります
森林法施行令の改正により、令和5年4月1日以降、太陽光発電設備の設置を目的とする開発行為で0.5ヘクタールを超え1ヘクタール以下のものが新たに許可制度の対象となります。
林地開発許可制度が創設されるまで
我が国は昭和40年代後半から、高度経済成長、都市化の進展等の社会経済情勢が大きく変化し、ゴルフ場をはじめとし、直接的に森林を対象とする開発が急増しました。
森林法では、特に公益的な働きの高い森林については保安林制度により、保全・形成に努めてきましたが、保安林の指定を受けていない森林については、法律による規制措置が講じられていませんでした。
そのため、各都道府県などでは条例等により規制することで適正な管理に努めようとしましたが、法律の根拠をもたないものであったため、十分な効果をあげることは容易ではありませんでした。
そこで林地開発許可制度を、昭和49年の森林法改正の際に森林の適正な利用を確保することを目的に創設し、保安林以外の森林についても適正な利用を確保することとしています。
許可の対象となる森林
都道府県知事がたてた地域森林計画の対象となる民有林で、保安林・保安施設地区・海岸保全区域に指定されていない森林です。
国有林や保安林でない限り、ほとんどの森林が対象となります。
*地域森林計画対象民有林の確認方法
○島根県の地域森林計画及び付属資料(正確な区域を知りたい場合は、こちらで。)
許可の対象となる開発行為
許可制度の対象となる開発行為は、土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為であって、次に掲げる行為の区分に応じ、それぞれ次の規模を超えるものです。
ア.専ら道路の新設又は改築を目的とする行為
当該行為に係る土地の面積1ヘクタールで、かつ、道路(路肩部分及び屈曲部又は待避所として必要な拡幅部分を除く。)の幅員3メートル
イ.
太陽光発電設備の設置を目的とする行為
当該行為に係る土地の面積
0.5ヘクタール
【NEW】森林法施行令の改正により、令和5年4月1日以降、太陽光発電設備の設置を目的とする開発行為で0.5ヘクタールを超え1ヘクタール以下のものが新たに許可制度の対象となります。
ウ.前に掲げる行為以外の行為
当該行為に係る土地の面積1ヘクタール
開発例:住宅団地、工場、採石場、宿泊施設、レジャー施設、別荘地、道路等
<その他許可の対象となる開発行為>
○道路のみ作成する場合でも幅員が3mを超え、面積が1haを超える場合は必要
○共同で開発を行う場合で、各人の開発面積が1haを超えなくても、合計で1haを超える場合は必要
○複数年にわたり開発を行い、各年の開発面積が1haを超えなくても、最終的には1haを超える場合は必要
林地開発許可の基準
開発により、森林のもつ重要な働きを損なわないこと。
以下の4つのチェックポイントをクリアーすること。
1.災害の防止
(1)土砂の移動量が必要最小限であるか?、また残土の適切な処理はされるか?
(2)必要な構造物があるか?、工法は適切か?
(3)必要な箇所には緑化が適切になされるか?
(4)適切な排水施設は設置されるか?
2.水害の防止
(1)洪水調整池は設置されるか?、また、その他の措置は適切か?
3.水源の確保
(1)開発区域に水源はないか?また、あれば貯水池や導水路の設置はされるか?水質は悪化させないか?
4.環境の保全
(1)残置森林、造成森林、緑地は計画的にとられているか?
開発目的 |
残地・造成森林、緑地の割合 |
森林の配置等 |
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別荘地 |
残地森林率はおおむね60%以上 |
原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。 |
スキー場 |
残地森林率はおおむね60%以上
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原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。 コース設置についても規制あり。 |
ゴルフ場 |
森林率はおおむね50%以上(残置森林率はおおむね40%以上) |
各ホール間とゴルフ場全体の周辺部に幅おおむね30m以上の森林が必要。 |
宿泊・レジャー施設 |
森林率はおおむね50%以上(残置森林率はおおむね40%以上) |
原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。 敷地面積等についても規制あり。 |
工場・事業場 |
森林率はおおむね25%以上 |
20ha以上の場合、原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。20ha以下の場合も極力設置する。 また、20haを大きく超える場合、20ha以下の開発地を複数設置するようにし、その間におおむね30m以上の森林が必要。 |
住宅団地
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森林率はおおむね20%以上 (緑地を含む)
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20ha以上の場合、原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。20ha以下の場合も極力設置する。 また、20haを大きく超える場合、20ha以下の開発地を複数設置するようにし、その間におおむね30m以上の森林が必要。 |
土石等の採掘
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原則周辺部におおむね30m以上の森林が必要。 採掘跡地は必要に応じ、埋め戻し、緑化・植栽を行う。 |
太陽光発電施設の設置 | 森林率はおおむね25パーセント(残置森林率はおおむね15パーセント)以上とする。 | 1原則として周辺部に残置森林を配置することとし、事業区域内の開発行為に係る森林の面積が20ヘクタール以上の場合は原則として周辺部におおむね幅30メートル以上の残置森林又は造成森林(おおむね30メートル以上の幅のうち一部又は全部は残置森林)を配置することとする。また、りょう線の一体性を維持するため、尾根部については、原則として残置森林を配置する。 2開発行為に係る1か所当たりの面積はおおむね20ヘクタール以下とし、事業区域内にこれを複数造成する場合は、その間に幅おおむね30メートル以上の残置森林又は造成森林を配置する。 |
監督処分
次の場合、指導や処分が行われることがあります。
1.無許可開発行為
2.条件違反開発行為
3.不正開発行為
*区域や事業計画書を確認のうえ適切に開発を行って下さい!
その他
お問い合わせ先
森林整備課
島根県 農林水産部 森林整備課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 ・森林計画係(地域森林計画、森林情報など)TEL:0852-22-5178 ・森林保全係(保安林、林地開発など)TEL:0852-22-5169 ・造林係/森林育成係(造林、種苗、森林病害虫の防除など)TEL:0852-22-5177 ・治山係(治山事業、地すべり防止事業など)TEL:0852-22-5172 ・林道係(林道事業、林道の災害復旧事業など)TEL:0852-22-5171 ・森林環境保全スタッフ(島根CO2吸収認証制度、島根CO2固定量認証制度、企業参加の森づくり推進など)TEL:0852-22-6541 FAX:0852-22-6549 E-mail:shinrin@pref.shimane.lg.jp 国有林野の活用についてはこちらをご確認ください https://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/gaiyo/kasituke/kokuyuurinyanokatsuyou.html