下水道の計画放流水質

 下水道法施行令の一部を改正する政令(平成15年9月25日政令第435号)により、適切な放流水質を確保するためには放流水質基準(維持管理基準)だけでは不十分であるので、下水道管理者が自ら必要とする計画放流水質をまず定め、これに応じた適切な処理方法を採用するという仕組みを導入した。

 計画放流水質は、BOD(生物化学的酸素要求量)が必須項目、T-N(全窒素)、T-P(全リン)は必要に応じ定める。

 なお、pHと大腸菌群数は、従来より処理方法によらず一律の放流水質基準であるため、放流先別に分けて考える必要がなく、SSについては、従来処理方法別の放流水質基準が設定されていたが、今回放流水質基準を強化した一律基準を適用し、放流先別に分けて考える必要がないものとして整理している。

 

雨水の影響の少ないときの水質基準

項目

基準値

備考

pH

5.8以上8.6以下

一律基準

大腸菌群数

3,000個/cm3

SS(浮遊物質量)

40mg/リットル

BOD、T-N、T-P

計画放流水質に適合する数値

下水道管理者が自ら規定

 

 現在の水処理技術のレベルを考慮して、計画放流水質の上限値は、以下のとおりで規定。

 標準活性汚泥法をベースとする4通りの基本的処理方法とBOD除去のための急速ろ過法、窒素除去のための有機物添加、リン除去のための凝集剤添加を組み合わせて14区分に対応する処理方法を規定しています。

 

施行令及び運用通知で位置付けられた処理方法(日間平均:mg/リットル)

項目

計画放流水質

処理方法

BOD

T-N

T-P

1

〜10

〜10

〜0.5

嫌気無酸素好気法(有機物及び凝集剤を添加、急速ろ過法を併用)

2

0.5〜1

循環式硝化脱窒法(有機物及び凝集剤を添加、急速ろ過法を併用)

3

1〜3

嫌気無酸素好気法(有機物を添加、急速ろ過法を併用)

4

−

循環式硝化脱窒法(有機物を添加、急速ろ過法を併用)

5

10〜20

〜1

循環式硝化脱窒法(凝集剤を添加、急速ろ過法を併用)

6

1〜3

嫌気無酸素好気法(急速ろ過法を併用)

7

−

循環式硝化脱窒法(急速ろ過法を併用)

8

−

〜1

嫌気好気活性汚泥法(凝集剤を添加、急速ろ過法を併用)

9

−

1〜3

嫌気好気活性汚泥法(急速ろ過法を併用)

10

−

−

標準活性汚泥法(急速ろ過法を併用)

11

10〜15

〜20

〜3

嫌気無酸素好気法

12

−

循環式硝化脱窒法

13

−

〜3

嫌気好気活性汚泥法

14

−

−

標準活性汚泥法

 

注1)標準活性汚泥法と同程度

・オキシデーションディッチ法

・長時間エアレーション法

・回分式エアレーション法

・酸素活性汚泥法

・好気性ろ床法

・接触酸化法

 

注2)循環式硝化脱窒法と同程度

・硝化内生脱窒法

・ステップ流入式多段硝化脱窒法

・高度処理オキシデーションディッチ法

 

 

宍道湖・中海(宍道湖流域下水道)

 宍道湖・中海は平成元年に湖沼水質保全特別措置法(昭和59年7月27日法律第61号)の指定を受け、翌年には宍道湖・中海水質保全計画が策定され、水質汚濁防止法(昭和45年12月25日法律第138号)の上乗せ排水基準が強化された。

 

COD及び全窒素(T-N)、全リン(T-P)に係る水質環境基準の類型指定状況

類型指定水域

宍道湖

中海

水域範囲

斐伊川水系の宍道湖(大橋川を含む)

斐伊川水系の中海及び境水道

水質項目

COD

全窒素・全リン

COD

全窒素・全リン

類型指定

年月日

昭和48年6月29日

昭和61年4月1日

昭和47年10月31日

(本庄工区内の2地点は

平成16年9月8日に

環境基準点に設定)

昭和61年4月1日

(本庄工区内の2地点は

平成16年9月8日に

環境基準点に設定)

環境基準類型

湖沼A類型

湖沼III類型

湖沼A類型

湖沼III類型

達成期間

ロ

ニ

ロ

ニ

環境基準値

3mg/以下

全窒素0.4mg/l以下

全リン0.03mg/l以下

3mg/以下

全窒素0.4mg/l以下

全リン0.03mg/l以下

注)達成期間

イ:直ちに達成

ロ:5年以内に可及的速やかに達成

ハ:5年を超える期間で可及的速やかに達成

ニ:段階的に暫定目標を達成しつつ、環境基準の可及的速やかな達成に努めること

 

 宍道湖東部浄化センターは、意宇川を通じて中海へ放流しているため、この上乗せ基準が適用されており、平成18年11月からは1日当りの放流量が50,000m3を超えたので、下表の最下段の数値が該当する。

 一方、宍道湖西部浄化センターは、日本海へ放流しているため、上乗せ基準は該当しない。

 

水質汚濁防止法に基づく排水水質基準(上乗せ排水基準設定日以前に設置or設置工事実施)(日間平均:mg/リットル)

項目

BOD

COD

SS

全窒素

(T-N)

全リン

(T-P)

根拠法令等

環境省令

120

120

150

60

8

排水基準を定める省令(昭和46年6月21日総理府令第35号)

最終改定:平成18年1月31日環境省令第2号

県上乗せ基準

(5,000m3/日未満)

20

30

−

35

3

水質汚濁防止法第3条第3項の規定に基づく排水基準を定める条例

(昭和48年10月16日島根県条例第48号)

最終改正:平成12年12月26日島根県条例第51号

県上乗せ基準

(50,000m3/日未満)

20

30

−

35

3

県上乗せ基準

(50,000m3/日以上)

10

15

−

20

1

該当する処理場

宍道湖東部浄化センター、江島地区浄化センター

※上乗せ排水基準設定日(昭和63年11月1日)前において既に設置され、または設置の工事がなされている特定事業場に係る排出水に適用される上乗せ排水基準。

「特定事業場」とは、水質汚濁防止法第2条第2項に規定する特定施設(以下「特定施設」という。)を設置する工場または事業場をいう。

 

水質汚濁防止法に基づく排水水質基準(上乗せ排水基準設定日以後に設置)(日間平均:mg/リットル)

項目

BOD

COD

SS

全窒素

(T-N)

全リン

(T-P)

根拠法令等

環境省令

120

120

150

60

8

排水基準を定める省令(昭和46年6月21日総理府令第35号)

最終改定:平成18年1月31日環境省令第2号

県上乗せ基準

(5,000m3/日未満)

20

30

−

30

3

水質汚濁防止法第3条第3項の規定に基づく排水基準を定める条例

(昭和48年10月16日島根県条例第48号)

最終改正:平成12年12月26日島根県条例第51号

県上乗せ基準

(50,000m3/日未満)

10

15

−

20

2

県上乗せ基準

(50,000m3/日以上)

10

15

−

15

1

該当する処理場

木次・三刀屋浄化センター、横田浄化センター、江島地区浄化センター、遅江地区浄化センター、馬渡地区浄化センター、

森山地区浄化センター、大東浄化センター、加茂浄化センター、三成浄化センター

※上乗せ排水基準設定日(昭和63年11月1日)以後に設置された特定事業場に係る排出水に適用される上乗せ排水基準。

「特定事業場」とは、水質汚濁防止法第2条第2項に規定する特定施設(以下「特定施設」という。)を設置する工場または事業場をいう。

 

 なお、下水道法と水質汚濁防止法との規制関係は、特定事業場(工場、事業場、下水処理場等)が個々に汚水を処理して公共用水域に排水する場合水質汚濁防止法の規制を受けますが、工場や事業等が下水処理場に流入させる場合には、水質汚濁防止法は適用されず下水道法の規制を受けることになります。

 これは、下水処理場における処理が困難な物質を下水道へ流入させないように下水道法において、水質汚濁防止法による規制を勘案した規制を設けているもので、この受入規制によって、個々の工場並びに事業場等は、汚水を一定濃度まで処理して下水道に排水しています。

 

高度処理による放流目標水質(宍道湖東部浄化センター)

 宍道湖東部浄化センターでは宍道湖・中海の水環境保全を目指して、通常の二次処理では十分に除去できなかった窒素・リンを取り除くための高度処理を行っています。

 平成10年度から導入した「造粒脱リン装置」は、処理水中のリンをリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶として回収するもので、取り出したリンは、肥料の原料として再利用しています。

 

高度処理による放流目標水質(日間平均:mg/リットル)

項目

BOD

COD

SS

全窒素

(T-N)

全リン

(T-P)

根拠法令等

放流水質

5

8

5

8

0.4

COD、T-N、T-P:流域別下水道整備総合計画

BOD、SS:松江市との維持管理に対する協定書(昭和57年1月12日)

宍道湖環境基準

(水質保全計画目標値)

−

(−)

3.0

(4.5)

5

(−)

0.4

(0.44)

0.03

(0.043)

類型指定湖沼A−III

公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条及び環境基準に係る水域及び

地域の指定権限の委任に関する政令(昭和46年政令第159号)

 

中海環境基準

(水質保全計画目標値)

−

(−)

3.0

(4.6)

5

(−)

0.4

(0.50)

0.03

(0.048)

※宍道湖は、斐伊川水系の宍道湖(大橋川を含む。)中海は、斐伊川水系の中海及び境水道を含みます。

宍道湖東部浄化センターの放流水質のデータについては、こちらをご覧ください。

 

各処理場の計画放流水質

県内における処理区ごとの計画放流水質(mg/リットル)は、以下のとおりです。

(平成25年4月1日現在)

 

県内における処理区ごとの計画放流水質(mg/リットル)

種別

市町名

(処理区)

処理場名

処理方式

処理能力

(m3/日最大)

供用開始

年月日

完成年度

BOD

COD

T-N

T-P

放流先

備考

計画

H25.4.1

流

域

下

水

道

宍道湖

(東部)

宍道湖東部

浄化センター

凝集剤添加

活性汚泥循環変法

+砂ろ過

135,000

72,000

S56.4.1

H38

10

9

8

0.4

意宇川

ー

宍道湖

(西部)

宍道湖西部

浄化センター

標準活性汚泥法

90,000

36,000

H1.1.20

H40

15

-

-

-

日本海

ー

公

共

下

水

道

益田市

(益田)

益田水質管理センター

標準活性汚泥法

17,000

1,700

H21.4.15

H52

15

-

-

-

益田川

ー

大田市

(大田)

大田浄化センター

膜分離活性汚泥法

6,200

2,150

H21.3.31

H45

15

-

-

-

三瓶川

ー

安来市

(吉佐)

(米子市内浜処理場)

凝集剤添加

活性汚泥循環変法

-

-

H23.4.1

H27

-

-

-

-

中海

ー

江津市

(江津西)

江津西浄化センター

嫌気好気ろ床法

8,100

1,010

H18.4.1

H43

15

-

-

-

雨水管路

ー

雲南市

(木次・三刀屋)

木次・三刀屋

浄化センター

オキシデーションディッチ法

6,800

5,100

H11.4.1

H24

10

-

-

-

請川

斐伊川等流総計画

奥出雲町

(横田)

横田浄化センター

オキシデーションディッチ法

1,300

800

H12.4.1

H23

10

-

-

-

下横田川

斐伊川等流総計画

隠岐の島町

(西郷)

西郷浄化センター

オキシデーションディッチ法

5,760

1,440

H21.4.1

H35

15

-

-

-

八尾川

ー

 

 

県内における処理区ごとの計画放流水質(mg/リットル)

種別

市町名

(処理区)

処理場名

処理方式

処理能力

(m3/日最大)

供用開始

年月日

完成年度

BOD

COD

T-N

T-P

放流先

備考

計画

H25.4.1

特

定

環

境

保

全

公

共

下

水

道

松江市

(恵曇)

クリーンセンター鹿島

酸素活性汚泥法

2,150

2,150

H4.10.1

H8

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

松江市

(佐波)

佐波浄化センター

オキシデーションディッチ法

80

80

H9.4.1

H8

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

松江市

(千酌)

千酌地区浄化センター

オキシデーションディッチ法

340

340

H13.1.10

H12

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

松江市

(七類)

七類地区浄化センター

オキシデーションディッチ法

570

570

H19.4.1

H19

15

-

-

-

日本海

ー

松江市

(森山)

森山地区浄化センター

オキシデーションディッチ法

310

310

H23.4.1

H24

15

-

20

3

中海

次期流総計画設定予定

松江市

(江島)

江島地区浄化センター

回分式活性汚泥法

284

284

H1.7.26

H1

15

-

-

-

中海

斐伊川等流総計画

松江市

(遅江)

遅江地区浄化センター

回分式活性汚泥法

218

218

H4.4.1

H3

15

-

-

-

中海

斐伊川等流総計画

松江市

(馬渡)

馬渡地区浄化センター

回分式活性汚泥法

123

123

H9.4.1

H8

15

-

-

-

中海

斐伊川等流総計画

浜田市

(国府)

国府浄化センター

長時間エアレーション法

3,300

1,100

H17.4.1

H28

15

-

-

-

下府川

ー

浜田市

(旭)

旭浄化センター

オキシデーションディッチ法

800

800

H17.4.1

H21

15

-

-

-

家古屋川

ー

浜田市

(三保三隅)

三保三隅浄化センター

オキシデーションディッチ法

1,600

1,600

H14.1.1

H21

15

-

-

-

三隅川

ー

出雲市

(河下)

河下浄化センター

オキシデーションディッチ法

310

310

H21.4.1

H20

15

-

-

-

日本海

ー

出雲市

(田岐)

田岐浄化センター

オキシデーションディッチ法

800

800

S63.7.1

H11

15

-

-

-

小田川

ー

出雲市

(口田儀)

口田儀浄化センター

オキシデーションディッチ法

260

260

H1.5.1

H11

15

-

-

-

田儀川

ー

大田市

(仁摩)

仁摩浄化センター

長時間エアレーション法

1,600

800

H19.3.31

H32

15

-

-

-

排水路

ー

大田市

(温泉津)

温泉津クリーンセンター

オキシデーションディッチ法

600

300

H20.7.1

H27

15

-

-

-

排水路

ー

江津市

(波子)

波子浄化センター

嫌気好気ろ床法

750

750

H17.4.1

H22

15

-

-

-

曲川

ー

雲南市

(大東)

大東浄化センター

膜分離活性汚泥法

2,000

1,000

H18.10.1

H26

10

-

-

-

大月谷川

斐伊川等流総計画

雲南市

(加茂)

加茂浄化センター

長時間エアレーション法

1,290

1,290

H6.10.1

H14

10

-

-

-

内原川

斐伊川等流総計画

奥出雲町

(三成)

三成浄化センター

オキシデーションディッチ法

1,000

1,000

H10.4.1

H15

15

-

-

-

斐伊川

斐伊川等流総計画

飯南町

(頓原)

頓原浄化センター

オキシデーションディッチ法

700

700

H14.4.1

H19

15

-

-

-

排水路

ー

飯南町

(赤来)

赤来浄化センター

オキシデーションディッチ法

1,000

1,000

H12.12.1

H21

15

-

-

-

神戸川

ー

美郷町

(邑智)

邑智浄化センター

オキシデーションディッチ法

800

800

H10.4.1

H13

15

-

-

-

堀ヶ谷川

ー

邑南町

(石見)

石見浄化センター

オキシデーションディッチ法

2,600

2,600

H11.4.11

H23

15

-

-

-

濁川

ー

津和野町

(津和野)

津和野町

清水管理センター

オキシデーションディッチ法

2,420

1,210

H17.4.1

H29

15

-

-

-

津和野町

ー

津和野町

(日原)

星の子ステーション

オキシデーションディッチ法

1,000

500

H10.4.1

休止

15

-

-

-

高津川

ー

吉賀町

(六日市)

六日市浄化センター

オキシデーションディッチ法

1,600

1,600

H15.4.1

H30

15

-

-

-

高津川

ー

海士町

(海士)

海士浄化センター

嫌気好気ろ床法

1,270

846

H14.3.1

H21

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

西ノ島町

(東部)

東部浄化センター

オキシデーションディッチ法

600

300

H19.5.1

H21

15

-

-

-

排水路

ー

隠岐の島町

(卯敷)

卯敷浄化センター

オキシデーションディッチ法

85

85

H10.4.1

H9

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

隠岐の島町

(飯美)

飯美浄化センター

オキシデーションディッチ法

45

45

H12.4.1

H11

(20)

-

-

-

日本海

次期認可で変更予定

隠岐の島町

(福浦)

福浦浄化センター

オキシデーションディッチ法

50

50

H11.6.1

H10

(20)

-

-

-

大浦川

次期認可で変更予定

 

お問い合わせ先

下水道推進課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
(事務室は、松江市殿町8番地 南庁舎6階)
TEL:0852-22-5470
FAX:0852-22-6049
sewer@pref.shimane.lg.jp