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宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について

(2)中海から宍道湖への貧酸素水の移動

宍道湖と中海は、大橋川によってつながっています。中海は、冬季の一部を除き、安定した塩分躍層が形成されているために、下層では貧酸素水塊の形成が見られます。しかし、大橋川が中海に流入している部分は、かなり浅くなっているために通常は下層の貧酸素水塊が大橋川に入ってくることはありません。

しかし、中海の貧酸素水塊は、風などの影響で振動し、浅い所へ這い上がることがあるため、大橋川の浅場を越えて流入して(遡って入ってくること)し、宍道湖まで到達することもあります(図15,16)。

大橋川における貧酸素水の遡上は、潮汐、気圧の変動や降雨量などによる宍道湖と中海の水位の差によって影響を受けます。また、貧酸素水の遡上は、大橋川や宍道湖に生息するヤマトシジミなどの底棲生物に大きな影響を与えると考えられています。

 ただし、大橋川から入ってくる高塩分水が全て貧酸素化しているとは限りません。酸素を十分含んだ高塩分水も入ってきます。また、ヤマトシジミなどは繁殖のためにある程度塩分が必要であり、高塩分水が宍道湖に入ってくることは生物にとって大切なことなのです。

大橋川の水質観測の事例

 図15大橋川における高塩分水の溯上とそれに伴う溶存酸素量の低下の例(赤い矢印の部分)

 ※大橋川松江大橋における水質連続観測結果より(2003年9月)

 高塩分水の這い上がりの様子

 図16中海から大橋川を伝って宍道湖に入ってくる様子

 

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