宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について
C.本庄水域
本庄水域では、塩分躍層の形成はありませんが夏季を中心に湖底の貧酸素化が見られますが、貧酸素化の程度は中海よりも少なくなっています。
図13本庄水域における塩分濃度と溶存酸素の断面図
・本庄水域は、中海の一部ですが宍道湖・中海淡水化計画時にできた堤防で仕切られた水域で、
中海とは南西部の承水路でつながっているだけです。
・本庄水域では、塩分が表層から底層まで15〜20psuとほぼ一様であり、塩分躍層の形成が見られません。これは、本庄水域と中海をつなぐ承水路の水深が浅いため、中海の下層の高塩分水が流入しないためです。
・塩分躍層の形成がないにもかかわらず、水温が高く湖底の酸素消費が大きい夏季には、下層部が貧酸素化している場合が多くあります。
・本庄水域の貧酸素化の程度は中海に比較するとかなり少ないため、本庄水域ではホトトギスガイなどの底生生物が中海より深部まで生息しています。しかし、夏季には貧酸素水が原因の魚類のへい死が見られることがあります。
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