宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について
B.中海
中海では、冬季をのぞいて水深4m以深の下層の高塩分水が常に大規模な貧酸素水塊を形成し、その体積は夏季には湖容積の40%にも達します。
図12中海における塩分と溶存酸素の断面図
・中海では、年間を通じ境水道から海水が流入するため水深4m付近に安定した塩分躍層が形成されています。
・この下層の高塩分水が貧酸素化し、中海では冬以外の季節には水深4mより深いところで常に貧酸素水塊の形成が見られます。中海では塩分躍層が強固で、かつ底質の悪化の度合いも強いためと考えられます。
・中浦水道から新鮮な海水が流入した直後は貧酸素化が軽減されます。この場合、海水は底層を這うように流入するため上層と底層は溶存酸素があり、中層のみ貧酸素化しているという3層化が見られます。
・中海の貧酸素水塊は宍道湖より規模がずっと大きく、夏季には湖底面積のほとんどが貧酸素化し、体積でも夏季には湖容積の40%近くの水が貧酸素化しています。貧酸素水塊は振動によりさらに浅い水域まで影響を及ぼすため、中海では湖面積のほとんどを占める水深3m以深の水域で底生生物の生息が非常に少なくなっています。
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