宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について
3章宍道湖・中海の湖底貧酸素化
(1)宍道湖・中海の湖底貧酸素化の現状
下記は内水面水産試験場の調査によってわかった現在の宍道湖・中海の一般的な状況です。
(※年により変動があります)
A.宍道湖
図11宍道湖における塩分と溶存酸素の断面
宍道湖では、6〜9月の夏季を中心に湖底に厚さ数10cmの貧酸素水塊の形成が見られる。
・宍道湖の塩分は通常10psu以下でほぼ一様ですが、時々中海から15Ppsu以上の高塩分水が流入し、その高塩分水がしばしば湖底上30〜50cm程度の厚さで滞留します。
・宍道湖では水温の高い夏季にこの塩分躍層の形成による貧酸素水塊の形成がよく見られます。溶存酸素がある状態で流入した塩水が宍道湖内で貧酸素化する場合と、中海や大橋川ですでに貧酸素化した水が流入する場合と両方のケースがあります。
・また、高塩分水の流入がなく塩分躍層が形成されなくても、湖底が貧酸素化する場合もあります。
・宍道湖の貧酸素水塊は規模的には夏季でも湖容積の数%と少ないのですが、風による貧酸素水の移動などもあるため、水深4m以深の底生生物の分布は貧酸素水の影響を強く受けています。
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