宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について
汽水湖では塩分躍層により水と油のように湖が二層に分かれる状態となり、この二層化状態はかなりの強風でも簡単にはなくならないことが分かっています。
湖では通常、表層からの酸素が水の循環により底層まで届くため、浅い湖では簡単には酸素不足にはなりません。しかし、塩分躍層が形成されると上層の塩分の薄い水と下層の濃い水は容易には混じりあわず、上層と下層で水の循環が遮断されてしまいます。そして、塩分躍層が形成されると以下に示すように湖底の貧酸素化が進んでいきます。
1)高水温期(夏季)の下層では、底泥の有機物による酸素消費が活発になる。
2)塩分躍層により表層からの酸素が底層に届かなくなる。
3)躍層より下の塩分の濃い水は全体に溶存酸素が少ない水塊になり湖の下層に停滞する。
図7貧酸素化が起こるしくみ
※貧酸素状態とは、一般に魚貝類の生息に影響が出はじめるとされている溶存酸素濃度が
3mg/l以下の状態を示します。
※塩分躍層が形成されていなくても、湖底の酸素消費の多い高水温期には湖底が貧酸素化す
ることがあります。
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