宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について
(2)塩分躍層(えんぶんやくそう)の形成
誰もが経験したことがあると思いますが、お風呂を沸かしていて、風呂桶に足を入れたときに、上の方は暖かいのに、下の方は冷たく、体が完全に入ったときにびっくりした経験があると思います。この現象は、温かい水は軽く(密度が小さく)、冷たい水は重い(密度が大きい)ために、温かい水は上層、冷たい水は下層に分かれて層をなすために起こります。
これと同様なことが汽水湖でも生じています。淡水(あるいは塩分のうすい水)と海水(塩分の濃い水)では、海水の方が重い(密度が大きい)ため、淡水は上層、海水は下層と層をなし、その境界がはっきりと分かれます。二つの層の境界では塩分が急激に変化することから、この境界のことを塩分躍層といいます。
中海・宍道湖において、日本海から境水道を入ってくる高塩分の海水と、斐伊川、飯梨川等の流入河川から流入する淡水が混じりあうときもこのように塩分躍層が形成されます。
図5塩分躍層の模式図
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