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宍道湖・中海の湖底貧酸素化現象について

第2章湖底貧酸素化のしくみ

(1)底質の悪化と酸素消費の増加

前章で紹介したように、汽水湖では河川から多くの有機物が流入し、また、豊富な栄養分を元にプランクトンや魚貝類が増殖します。
これらの有機物や増殖した生物の死骸・排泄物は、一部は分解されますが、生物の生産が盛んな湖では、その多くは分解しきれずに沈んで湖底に堆積します。湖底に有機物の堆積が多くなると、底質はいわゆるヘドロの状態になっていきます。
湖底に堆積した有機物は、微生物などにより徐々に分解されますが、この時酸素を消費します。微生物による有機物の分解は、水温が高いほど活発になり、高水温期(夏季)には湖底付近でたくさんの酸素が消費されます。このため、上層からの酸素の供給が追いつかなくなると、水中の酸素がなくなってしまいます。これを「湖底の貧酸素化」といいます。

貧酸素化の模式図
 図4貧酸素化の模式図

ヘドロとは?

 

ヘドロの定義

ヘドロの定義としては、「内湾、潟湖に堆積した軟弱有機質シルト、泥、粘土の俗称」(地学事典、平凡社)、「河口・湖沼・湾の底に堆積した暗黒色の汚泥」(日本語大辞典、講談社)となっています。一般的には黒色をして悪臭を放つ有機物の多い泥としてとらえられていることが多いのですが、これは人為的汚染がない自然の場所でも形成されます。

ヘドロについては三瓶(2001)が詳しく報告しています。

 


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