農作業安全トピックス
農作業中の熱中症を予防しましょう!
農作業中の熱中症により多くの尊い命が失われており、令和3年の死亡者は全国で23名となっています。
熱中症対策を一層推進してくため、国において農作業安全確認運動の一環として「熱中症対策強化期間」が位置づけられています。
県においても、熱中症リスクの高まる5月~9月の間、熱中症対策の周知・情報発信に努めます。
令和5年5月30日に閣議決定された「熱中症対策実行計画」では、農業現場の対策として「熱中症リスクに応じた注意喚起情報等を、農業者等に対してきめ細かく提供する」とされています。
農林水産省において、消防庁が公表する「夏期における熱中症による救急搬送人員の調査」のデータより「仕事場2(田畑、森林、海、川等)における熱中症による救急搬送人員数」について、
47都道府県における1週間ごとの熱中症による救急搬送人数が掲載されています。
夏期における熱中症による救急搬送人数はこちらからご確認いただけます。(外部サイト)
〇MAFFアプリをご活用ください!
MAFFアプリは農林水産省が農林漁業者等のスマートフォンに、農林水産業に役立つ情報を直接お届けするアプリです。
登録された地域に熱中症警戒アラートが発表された場合、当日の朝に自動でアラートが通知されます。
熱中症にご注意願います
熱中症を予防しましょう!
近年、気温が高く推移し、地域によっては、5月でも昼間の気温が30℃近くまで上昇することがあります。また、この時期から、農作業時間も増えるため、熱中症に対する備えが必要です。
みなさん、次の注意事項を参考に早めの対策を心がけましょう。
1.週間予報やその日の最高気温など温度に気を配りましょう。
2.いつでも、どこでも水分補給ができるよう飲み物を持ち歩きましょう。
3.疲れているときは熱中症にかかりやすいので早めに、こまめに休息をとりましょう。
4.熱中症の予防のため、しっかり栄養(食事)をとりましょう。
5.周りにいる人と声をかけあい、注意しあいましょう。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
・「新しい生活様式」でも熱中症に気をつけましょう!(健康推進課ページ)
島根県内における熱中症の発生状況
下表のとおり、県内で毎年300から400人の方が熱中症になり、救急搬送されています。
また、農作業中に発症され、不幸にも死亡されるケースもあります。
区分 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
搬送人員数(合計) うち傷病程度:死亡 うち傷病程度:重症 うち傷病程度:中等症 うち傷病程度:軽症 うち傷病程度:その他 |
437 3 15 174 238 7 |
316 1 12 126 166 11 |
259 2 1 101 150 5 |
404 0 12 163 167 62 |
365 1 10 150 187 17 |
393 0 7 181 203 2 |
640 1 16 252 371 0 |
452 0 15 183 254 0 |
410 0 22 214 174 0 |
332 0 16 156 160 0 |
474 0 14 219 241 0
|
※死亡:初診時において死亡が確認されたもの
重症:3週間以上の入院加療を必要とするもの
中等症:重症または軽症以外のもの
軽症:入院加療を必要としないもの
その他:医師の診断がないもの、傷病程度が判明しないもの、その他の場所に搬送したもの
※救急搬送人員は総務省消防庁が公表しているデータに基づく
熱中症は適切な予防をすれば防ぐことができます
熱中症について知識を深め、正しい対応を行うことで熱中症は予防できます。
1.注意点について
(1)暑さの感じ方は人によって異なります
人間の体調や暑さに対する慣れなどが影響して、暑さに対する抵抗力(感受性)は個人によって異なります。
自分の体調の変化に気をつけ、暑さの抵抗力に合わせて、万全の予防を心がけましょう。
(2)高齢者の方は特に注意が必要です
熱中症患者のおよそ半数は高齢者(65歳以上)です。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しており、暑さに対する体の調整機能も低下しています。
のどの渇きを感じていなくてもこまめに水分補給をしたり、暑さを感じなくても扇風機やエアコンを使って温度調整をするように心がけましょう。
(3)まわりが協力して、熱中症予防を呼びかけ合うことが大切です
一人ひとりが周囲の人に気を配り、熱中症の予防を呼びかけ合うことで、熱中症の発生を防ぐことができます。
特に、熱中症にかかりやすい高齢者や子どもについては、周囲が協力して注意深く見守るようにしましょう。
2.予防法について
熱中症の予防には、「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。
(1)水分・塩分補給
・こまめに水分・塩分の補給を行いましょう
※高齢者の方は、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給を。
(2)体調に合わせた取り組み
・こまめに体温を測定しましょう(特に体温調整が十分でない高齢者で必要)
・通気性の良い、吸湿・速乾の衣服を選んで着用しましょう
・保冷剤、氷、冷たいタオルなどにより体を冷やす工夫をしましょう
(3)農作業時の準備
・帽子を必ず着用しましょう
・日陰などでこまめに休憩をとるよう心がけましょう
・通気性の良い、吸湿・速乾の衣服を選んで着用しましょう
3.もし、熱中症になったら・・・
・涼しい場所へ避難させる
・衣服を脱がせ、身体を冷やす
・水分・塩分を補給する
島根県内における農作業事故の発生状況です。
近年の農作業による死亡事故発生件数は、全国では毎年300から400件の間で推移し、このうち65歳以上の高齢者の割合は8割前後で推移しています。
島根県ではここ数年増加傾向にありましたが、平成26年の死亡事故件数は2件と大幅に減少し、近年は減少傾向にあります。また、全国と同様に高齢者の割合が高くなっています。
区分 | H19 | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 |
R元 |
R2 | R3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
島根県 | 8 | 5 | 5 | 3 | 3 | 15 | 11 | 2 | 0 | 3 | 2 | 5 | - | - | - |
6 | 5 | 3 | 3 | 3 | 13 | 10 | 2 | 0 | 3 | 1 | 5 | - | - | - | |
全国 | 397 | 374 | 408 | 398 | 366 | 350 | 350 | 350 | 338 | 312 | 304 | 274 | 281 | 270 | 242 |
(農林水産省公表「令和3年に発生した農作業死亡事故の概要」ほか)
※事故者数0~3人は「-」で表示(R元年~)
農林水産省公表データ(農作業死亡事故について:令和3年)(農林水産省ウェブサイト)
農林水産省公表データ(農作業死亡事故調査:平成17年~令和2年)(農林水産省ウェブサイト)
- 平成30年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:248KB)(外部サイト)
- 平成29年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:239KB)(外部サイト)
- 平成28年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:280KB)(外部サイト)
- 平成27年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:456KB)(外部サイト)(正誤情報PDF:194KB外部サイト)
- 平成26年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:437KB)(外部サイト)
- 平成25年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:1,726KB)(外部サイト)
- 平成24年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:409KB)(外部サイト)
- 平成23年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:394KB)(外部サイト)
- 平成22年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:482KB)(外部サイト)
- 平成21年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:405KB)(外部サイト)
- 平成20年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:133KB)(外部サイト)
- 平成19年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:141KB)(外部サイト)
- 平成18年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:31KB)(外部サイト)
- 平成17年に発生した農作業死亡事故の概要(PDF:28KB)(外部サイト)
万が一の事故に備えて、「労災保険」に加入しましょう
労災保険の特別加入をご存じですか?
労災保険は、本来、労働者の業務または通勤による負傷、疾病、障害、死亡に対して保険給付を行う制度ですが、農業者の場合にも、一定の要件のもとに、特別に任意加入を認めています。これが、特別加入制度です。
農作業は、ますます機械化が進むとともに、大型化・高度化し、作業の危険性も高まっているなど、農業分野でも安心して就労するためにも労働災害がおきた際の保険として、公的に整備された労災保険の活用は、重要です。
しかし、島根県における農業者の労災保険への加入は、低い状況にあります。
今後も、引き続き農業者へ本制度のPRなどに取り組むとともに、加入が促進されるよう関係団体等に働きかけていきます。
万が一の事故の際にも確実な補償が受けられるように、労災保険の特別加入を積極的にご検討ください。
農作業安全の啓発を行っています。
春・秋の農作業安全運動について
県内の死亡事故発生状況から、農作業事故防止の必要性は一段と強まっています。
県では、毎年、春・秋の農繁期に、国が実施する「全国農作業安全確認運動」と連携した農作業安全運動を展開し、農業機械の効率利用や農作業による事故防止を指導することで、農作業安全意識の高揚を図りながら、農作業安全を県民にPRしていきます。
- 期間:春3月〜5月秋9月〜10月
- 運動の主な内容
- 支庁・各農林振興センター等による各地域での研修実施、啓発・指導
- GAP(農業生産工程管理)の周知・実践の促進や、農作業安全「リスクカルテ」等を活用した現場での改善活動の推進
- 乗用型トラクター乗車時のシートベルト、ヘルメットの着用の徹底等の啓発及び指導
- 労災保険特別加入制度のPR
農作業安全の啓発資料
〇農作業中の火傷に注意!
いわゆる「野焼き」を原因とする火傷などの事故が県内でも発生しています。
冬は空気が乾燥し、強い風が吹く季節になります。
火災が発生しやすくなり、火傷による負傷や山林等への延焼が懸念されます。
火の取り扱いにはくれぐれも注意しましょう!
各市町村、関係団体向け啓発素材の提供コーナー
県や国等で作成した啓発用の素材をダウンロード・印刷してご活用ください。
- ポスター
農作業安全確認運動ポスター
令和5年農作業安全ポスターのダウンロードはこちら(外部サイト)
- ステッカー
仕事猫とコラボした作業安全のステッカーです。
事業所への掲示や機材への貼り付けなどによりご利用ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
市町村等が各種啓発イベントを実施される際に、県から提供できる物品を紹介します。貸し出しを希望される場合にはお問い合わせください。
(問い合わせ先:島根県農林水産部農山漁村振興課企画係 電話番号:0852-22-5112)
- のぼり(2枚)
地域ぐるみで農作業事故防止
めざせ!農作業事故ゼロ
- 啓発DVD(3枚)
トラクター運転操作の基本ほか(82分)
耕うん作業を安全に(水田、ロータリー編)ほか(92分)
あなたのための安全保護具ほか(51分)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- 農作業安全研修用動画
トラクター安全作業の基本(15分)
農作業事故経験者は語る(20分)
一般社団法人日本農業機械化協会のHPからご覧いただけます。
- 農機安全eラーニングデータCD
農業機械を安全に使うためのいろいろな知識を、楽しく効率的に学べます。
農作業安全講習会にて、パソコン、プロジェクター等での利用が可能です。
農作業安全情報センターのホームページからも利用することが出来ます。
- 農作業安全関連の資料について
こうして起こった農作業事故ー農作業事故の対面調査からー(事故事例集)(外部サイト)
この事例集は、全国的な規模で農作業事故の原因等について、事故を経験された方々からの聞きとりにより詳細な調査及び分析を行って、その結果を取りまとめられています。地域での研修会や座談会等で、農作業事故を防止するためにはどうするべきか考える際の参考としてご活用ください。
農作業安全研修資料等(ダウンロードしてご自由にご使用いただけます)(外部サイト)
●農作業事故地域活動マニュアル
(地域で啓発活動を仕組みたい>農作業事故防止活動マニュアルへ)
地域での農作業事故防止活動を新たに始めたり、活性化を図るためのポイントやノウハウが整理されています。現場で、地域ぐるみで、事故防止活動を行う「きっかけ」としてご覧ください。
(1)乗用型トラクターの事故に関する安全対策のポイント(PDF:194KB)(外部サイト)
乗用型トラクター使用中の事故情報から、事故の発生を防ぐポイントがわかりやすくまとめてあります。研修会等でのチラシとしてご利用ください。
(2)自脱コンバインの事故に関する安全対策のポイント(PDF:236KB)(外部サイト)
自脱コンバイン使用中の事故情報から、事故の発生を防ぐポイントがわかりやすくまとめてあります。研修会等でのチラシとしてご利用ください。
農作業安全をPRしている団体等のホームページの紹介
農作業安全に関する情報を掲載している団体等は以下の次のとおりです。
独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構生物系特定産業技術研究支援センターには、農業機械を安全に使うためのいろいろな知識を、インターネットで楽しく効率的に学ぶためのサイトです。
農作業安全関連の刊行物や頒布物などを紹介しています。
農作業死亡事故件数の調査結果や、啓発パンフレットなどが掲載されています。
お問い合わせ先
農山漁村振興課
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 TEL:0852-22-5112 FAX:0852-22-5914 E-mail:nosan@pref.shimane.lg.jp