畜産の担い手確保に向けた「空き牛舎調査」を実施!
高齢化等による肉用牛経営者の廃業(管内では、この10年間で109戸(52%)、174頭(12%)が減少)が急速に進む中、新たな担い手の確保が急務となっています。一方、新規に経営を開始する場合、畜舎整備や家畜導入等に多額の初期投資が必要なことや、農地の確保や臭気・堆肥処理に対する地域住民の理解を得ることなどに時間を要することから、畜産での新規就農者は伸び悩んでいる状況にあります。
そこで、今後畜産での新規就農者の確保を目的に管内の空き牛舎等の状況を把握するため、6月8日(月)、JA、出雲市、農業普及部で「空き牛舎調査」を実施しました。
本調査は、過去第3期戦略プランで行った空き牛舎調査、近年の廃業農家の情報を基に、調査対象牛舎の規模を30頭程度収容できる空き物件に絞って行いました。
調査の結果、利用可能な施設は数件ありましたが、容易に農地の貸借・売買が出来ない、施設所有者と連絡が取れない、また所有者と利用者が条件合意しても地域住民との合意が得られない場合が想定される地域・施設もあり、畜産での新規就農には解決すべき幾つかのハードルがあることを関係機関と再認識したところです。
今後、普及部としては「包括的就農パッケージ」の作成に向け、今回の調査結果を活かしながら、畜産施設用地の利用可能条件を関係機関と検討・協議し、就農希望者へのアプローチ、既存施設用地のマッチングにつなげていきたいと考えます。
スマート農業用機械で水稲乾田直播を実施!
出雲市斐川町「水田フル活用体系確立実証コンソーシアム」メンバーの有限会社Gが、5月23日に、同町三分市の水田(乾田状態)において自動操舵機能を搭載した高速高精度汎用型播種機(写真1)を用いて水稲直播作業を行いました。播種速度は時速8km程度と田植機のスピードの約2倍の高速で走行でき、短時間で作業が可能となりました。なお、播種に先立ち5月13日に基肥散布と耕起、同22日に肥料混和、転圧および整地を行いました。
上記コンソーシアムは、島根県農業協同組合斐川地区本部、有限会社G、農事組合法人K、T株式会社、民間企業、出雲市および島根県で構成され、スマート農業技術を活用し「更なる水田フル活用による耕地利用率125%・後継者への技術継承」を目的として技術実証を行う組織です。同コンソーシアムでは、水稲、大麦およびハトムギの労働時間を削減し、新たにタマネギおよびキャベツ栽培を導入することにより、耕地利用率を高め所得の向上を目指します。水稲部門では、乾田直播による育苗作業、自動操舵による播種作業、水管理の自動化(写真2)による水管理労力、ドローン利用による防除作業等の労働時間削減を目指します。
普及部では、関係機関と連携し実証ほの生育調査や現地検討を通じ、水稲の生産コスト削減技術の確立に向け取り組んでいきます。
写真:播種作業中の高速高精度汎用型播種機
写真:自動給水装置
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