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生産に関すること

有機農業と有機JAS認証

 流通・加工業者の約2割が有機農業で生産された農産物を扱い、そのうち6割が今後取扱いを増やしたい意向を持っています。消費者においても有機食品の利用頻度は5年前と比べて高くなっており、市場規模も1.2倍に拡大しています。(出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和5年9月)。国内のみならず世界的にも毎年市場規模が拡大している有機農業に挑戦してみませんか。

有機農業・有機農産物

 「有機農業の推進に関する法律」で定義されている有機農業とは、

  1. 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
  2. 遺伝子組換え技術を利用しない
  3. 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する

 これら3つの農業生産の方法を用いて行われる農業です。

 また、有機農産物とは、

  1. 周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じている
  2. は種又は植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用しない
  3. 組換えDNA技術の利用や放射線照射を行わない

など、「有機農産物の日本農林規格」の基準に従って生産された農産物のことをいいます。

有機JAS認証

 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に示された基準に従って生産が行われていることを登録認証機関が検査します。その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを使用し、「有機」や「オーガニック」と表示することができます。この「有機JASマーク」がない農産物、畜産物及び加工食品に、「有機」や「オーガニック」などの名称の表示やこれと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。

 

有機JASマーク

 

現地事例

 吉賀町の農事組合法人立河内絆で合鴨を利用した「つや姫」の栽培を実証しています。初期の雑草は2回のチェーン除草でしたが、6月9日からは合鴨を放飼しました。放飼後は雑草の発生も見られず効果が確認できました。ただし、圃場の一部が遊び場となり株の消失がみられました。

合鴨と雑草除去

 

野菜

 浜田市、江津市の8名で構成する生産者団体「いわみ地方有機野菜の会」では、約15ヘクタールの有機JAS認証を受けた農地で葉物野菜を中心に生産しています。販売・卸売部門を独立させて設立した株式会社ぐり~んは~とを通じて生産量の半分以上を首都圏など県外に出荷しています。

 吉賀町では、有機JAS認証者4名を含む生産者で少量多品目野菜を九州地域の生協や広島アンテナショップで販売しています。

有機野菜のハウス群 有機青ねぎ 出荷前の調製

 

加工

(1)味噌

 浜田市弥栄町の有限会社やさか共同農場を中心に、グループの生産者が生産した大豆を味噌に加工して主に首都圏で販売しています。グループ全体では、米や野菜も生産しています。やさか共同農場

 

(2)健康食品関連農産物

 島根県のちょうど中央部にあたる江津市、川本町、美郷町は健康食品関連原料農産物生産のベルト地帯です。有限会社桜江町桑茶生産組合や有限会社スプラウト島根などの桑葉や大麦若葉、株式会社オーサンのエゴマなどが栽培されています。桑葉の収穫

 

みどり認定

 みどり認定とは、化学肥料・化学農薬の使用低減や温室効果ガスの排出量削減といった環境負荷の低減に取り組む農林漁業者の5年間の事業計画(環境負荷低減事業活動実施計画)を島根県知事が認定する制度です。

 認定を受けた計画に従って化学肥料・化学農薬の使用低減に必要となる設備を導入した場合、農林水産省のホームページに掲載された対象機械であれば通常の減価償却額に上乗せして償却(特別償却)できる「みどり投資促進税制」や農業改良資金の活用といったメリットがあります。

 浜田市、益田市、大田市、江津市、邑智郡、鹿足郡にお住いの農業者の方でみどり認定を希望される場合は、農業振興部農政課に申請してください。

 申請に必要な書類などは、県「環境にやさしい農業の推進」ホームページをご覧ください。

 

農薬の適正使用

 農薬は、使用者への安全、農産物残留に関わる安全、周辺環境などに関わる安全、農薬保管中の安全などを守って適正に使用しましょう。

農薬使用上の注意点

使用前

  • 事前にラベルや包装、登録変更に関するチラシなどで適用作物、使用量や希釈倍率、使用時期、使用回数などの登録内容、効果・薬害等並びに安全使用上の注意事項、有効期限などをよく確認しましょう。
  • 農薬散布中の器具の故障による事故防止や前回使用した薬液がホース内などに残っていないか使用する前に防除器具等を点検しましょう。
  • 養蜂が行われている地区では、養蜂家との連絡や調整をしましょう。
  • 収穫が近い農産物が近くに栽培されている場合や除草剤の散布などでは、ドリフト低減ノズルを使用したり、栽培者と調整しましょう。
  • 体調がすぐれない時や疲労・病後など体調不良の場合は作業を避けましょう。
  • 施設内では薬剤使用後に圃場に立ち入らないように管理作業等はあらかじめ済ませておきましょう。

 

使用時

  • 薬液は必要な量だけ調製して使い切りましょう。
  • 薬剤の調製中や散布中に薬液を直接浴びないように防護マスク、メガネ、手袋、全身を覆う作業衣を着ましょう。

 

使用後

  • 洗顔やうがい、目の洗浄などを行い、薬剤を浴びた作業衣は着替えましょう。
  • 使用した防除器具やホースに薬液が残らないよう丁寧に洗浄しましょう。
  • 農薬の空容器等は、関係法令を遵守して処分しましょう。
  • 防除日誌に使用農薬名、使用場所、使用日、対象作物、処理方法、使用量または希釈倍率を記帳しましょう。
  • 残った農薬は保管庫などに鍵をかけて保管しましょう。
  • 作業後の飲酒は控え、疲労回復、休養に努めましょう。
ポジティブリスト

 ポジティブリストとは、原則、全ての農薬等について残留基準(一律基準を含む)を設定し、基準を超えて食品中に残留する場合、その食品の販売等の禁止を行うこととしたものです。

 農薬の使用に当たっては、農薬使用基準を守っていただくとともに農薬散布時の飛散(ドリフト)防止に注意が必要です。

 また、一般の方が農薬を使用する場合も同様です。

 

相談窓口
窓口名 お住まい等 連絡先
農業振興部農政課 市町村、JA等関係機関 0855-29-5754
農業振興部 浜田市、江津市 0855-29-5620
県央事務所邑智農業部 川本町、美郷町、邑南町 0855-72-9587
県央事務所大田農業部 大田市 0854-84-9708
益田事務所農業部 益田市、津和野町、吉賀町 0856-31-9611

 

 なお、制度全般に関する詳しいことは薬事衛生課のホームページをご覧ください。

無人航空機による空中散布

 無人航空機による空中散布における農薬の安全使用については、国のガイドラインで無人ヘリコプターと無人マルチローター機とに分かれて制定されています。

 島根県では、国のガイドラインを受けて無人ヘリコプターと無人マルチローター機の運用等に必要な事項について、それぞれ実施規程を制定しています。これら無人航空機で農薬等の空中散布を行う場合には、国のガイドライン及び県の実施規程を遵守し、適切かつ安全に実施していただきますようお願いします。

 無人航空機による空中散布に係る手続きや事故時の対応など詳しいことは農山漁村振興課のホームページでご確認ください。

 

農作業安全

 農作業を安全に行うことは、農業生産や農業経営の安定のためには最も基本的なことです。農業に従事されるみなさんも常日頃から注意されていることと思います。しかしながら、全国では毎年300件前後の農作業死亡事故が発生しています。

 こうした不幸な事態が起こらないよう、これまでの事故の中から頻度の高い事故、あるいは重症度の高い事故から優先的に対策をとるためのチェックリストがつくられています。今一度チェックしてみましょう。チェックした結果、「ちがう」が選択された場合には優先的に対策をとるようにしましょう。

 また、こうした取組はGAPの取組にもつながりますので、継続した取組と改善に努めましょう。

 

農作業安全の手順1、2、3~農作業事故を未然に防ぐ~(一般社団法人日本農村医学会)

トラクターの道路走行
耕種作業
園芸(畑作・果樹)作業
畜産
農作業事故防止対策

 主な農作業について、事故を防ぐための対策をまとめていますのでこちらをご覧ください。

 

 このほか、夏場の暑熱環境のもとでの作業は、熱中症を生じる恐れがあります。逆に冬場の気温の低い環境での作業は、体がこわばって動作がぎこちなくなって事故につながることもあります。それぞれ、作業環境に応じて対策を取りましょう。

暑熱対策
  1. 日中の気温の高い時間帯を外して作業しましょう
  2. 休憩をこまめにとるとともに、作業時間を短くするなど工夫しましょう
  3. 水分をこまめにとりましょう
  4. 帽子を着用したり、汗を発散しやすい服装にしましょう
  5. 屋内では遮光や断熱材の施工などにより、屋内の温度が著しく上がらないようにし、風通しを良くして室内の換気に努めましょう
寒冷対策
  1. 朝夕の気温の低い時間帯を外して作業を行いましょう
  2. こまめに休憩をとって体を温め、寒い場所での作業時間を短くする工夫をしましょう
  3. 冷えた手足は温めて血行を良くし、よく動くことを確認してから作業を再開しましょう
  4. 急激な温度変化で体調が悪くならないよう衣類等で適切に調整しましょう

お問い合わせ先

西部農林水産振興センター

西部農林水産振興センター
 〒697-0041 浜田市片庭町254 FAX0855-29-5591
川本家畜保健衛生所
 〒696-8510 川本町大字川本265-3 FAX0855-72-9811
益田家畜保健衛生所
 〒698-0007 益田市昭和町13-1 FAX0856-31-9739  
県央事務所
 〒696-8510 川本町大字川本265-3 FAX0855-72-9504
県央事務所大田農業部
 〒694-0064 大田市大田町大田イ1-3 FAX0854-84-9712
益田事務所
 〒698-0007 益田市昭和町13-1 FAX0856-31-9608

電話は「西部農林水産振興センターのご案内」をご覧ください。