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島根県の財政健全化に向けた提言(中間報告)財政健全化調査特別委員会平成19年9月3日

本県がおかれている厳しい財政状況を克服し、将来に向けて夢の持てる、安全で安心な暮らしができる島根を目指していくためには、早急な財政の健全化に向けた道筋を示す必要がある。
厳しい財政状況を生み出したのは、根本的には国が財政再建を最優先課題として取り組んだ三位一体改革の名の下で進められた、地方交付税の大幅削減によるものと、国が進めた経済対策事業を積極的に行ってきた本県の過去の債務の償還費である公債費の増加によるものである。
しかし、経済状況の回復も見られない本県の現実問題として、県民生活に多大な影響を与える財政再建団体となることは、なんとしても避けなければならない。
この危機を乗り切っていくためのこの度の財政健全化は、県民の総力を結集して取り組む必要がある。そのためには、財政健全化に関する情報全てを県民に提供し、全県的な理解を得ていく必要がある。
この度、財政健全化基本方針を策定されるにあたり、財政健全化調査特別委員会として中間報告をするものである。

平成19年9月3日

島根県議財政健全化調査特別委員委員細田重雄


島根県の財政健全化に向けた提言
(中間報告)

財源確保に向けた取組
1、財源確保のため国に対しての働きかけの強化
(1)地方交付税の総額確保と、他県と連携した新たな制度の創設への取り組みの実施
(2)森林や農地面積を基準とした、環境対策、食糧自給率確保対策並びに原発立地自治体に対する交付税措置の拡充要求

2、自主財源確保のための取り組み強化
(1)課税自主権の活用による税収確保の検討
(2)県民所得の増加と税収増に結びつく産業振興策の着実な実行
(3)遊休財産の活用、利用中の財産のさらなる活用方法の検討
(4)指定管理者制度における利用料等収入の増加策の検討
(5)寄付を促進させるための仕組みづくりの検討


歳出削減に向けた取組
1、歳出の聖域なき見直し
(1)総人件費の抑制
ア、1,000人削減の前倒しと、更なる人員削減の上乗せを検討。ただし、事務事業の見直し、職員の能力向上に向けた研修、適切な能力評価と給与への反映を徹底すること。
イ、財政状況が改善するまでの間、引き続き給与のカットを実施
ウ、若年者の給与に配慮した給与制度の在り方について今後検討
エ、諸手当等の廃止を含めた見直し

(2)行政経費の一層の節減
全庁的なコスト意識の徹底を図り、効率的な執行に努め、身近なところからの経費の節減に努める。庁舎管理、清掃等についても安易な委託とならないよう内容の精査を行う。
(3)国の外郭団体及び地方公共団体で構成する協議会等への分担金、負担金については、さらなる見直しを行いその縮減に努めること。

(4)公共事業費の削減
社会基盤整備のための公共事業の必要性、また、社会基盤の日常管理、災害時の対応等における地域の建設業者の重要性などを総合的に勘案しつつ、将来の安定的な社会基盤整備を行っていくためにも、県民生活に真に必要な事業を将来の負担も考慮し、県民に充分な情報を提供しつつ検討、選択を行う必要がある。現在の県財政の状況から当面の集中改革期間中の公共事業費については相当程度を目途に県費負担額の削減を行う。

2、行政改革の推進による財政健全化の実施
(1)事務事業の見直しにあたっては一律削減方式ではなく、事業個々に行政評価の実績をもとに県民の視点に配慮し、ゼロベースからの検証を行い、市町村への権限移譲、他の自治体との受・委託、民間との協働・委託等も検討した上で統合・廃止、移譲、拡充強化等メリハリを付けた整理、絞り込みを行い、全体規模の縮小を行う。なお、行政改革の取り組みを進めるための一元的な体制について検討されたい。

(2)人員削減の中で職員の総戦力化に向けて組織のスリム化と柔軟化を行う。内部管理的な組織、人員については業務の徹底したマニュアル化、電算化を進めるとともに、従来からの執行、決裁方法を見直し大幅な削減を行う。

(3)外郭団体への補助・委託事業の必要性についてゼロベースからの徹底的な検証を行い、大幅な削減を目指す必要がある。真に必要な事業については県が直接行うことも検討すべきである。

(4)試験研究機関の更なる見直し
試験研究分野を取り巻く環境が大きく変化する中で、従来からの試験研究の手法や機関の在り方について抜本的な見直しを第三者機関等外部の意見を取り入れて行う必要がある。

 

急激な県民生活への影響の緩和
1、県民生活への影響を及ぼす事業の早急な点検の実施
財政健全化を進める中で、県民生活にどの様な影響が生ずるのか、早急に検証するとともに、分かり易く広報していく必要がある。

2、県民の理解を得るための徹底的な情報提供と丁寧な説明
この度の財政健全化を成功に導くためには、県民の理解を得ることが最も重要なことから、徹底した情報提供と丁寧な説明が求められる。

3、NPO等を含む民間団体への活動支援の推進
NPO法人等の民間団体が行う環境、文化、福祉などの活動を支援し、民間移譲への受け皿づくりを行い、行政サービスの削減に伴う影響の減少に努める。



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