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農水商工委員長報告

農水商工委員長報平成28年9月定例会

 

 

 農水商工委員長報告をいたします。
農水商工委員会に付託されました議案の審査結果等について報告いたします。

 

 今定例会において本委員会に付託されました議案は、「平成28年度島根県一般会計補正予算(第2号)」など予算案4件、「県の行う建設事業に対する市町村の負担について」など一般事件案3件であります。

 

 これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案も全会一致をもって、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

 

 議案の審査課程における執行部からの説明、委員からの質疑、意見等のうち主なものについて報告いたします。

 

 商工労働部所管の第116号議案「財産の処分について」であります。

 委員から債権譲渡に至る経緯について質問があり、執行部からは、協同組合グリーンモールは、当初は、テナントの入れ替えなどによる経営施策で自主再生を図ろうと模索したものの、さらに経営が厳しくなったことから、外部のスポンサーに経営を引き継ぐ方針に転換し、事業再生における専門的機関である地域経済活性化支援機構の支援を受けて債権放棄を伴う事業再生計画を策定し、県はこれに同意を求められたとのことでした。

 この事業再生計画は地域社会や経済に公共性・公益性が高く、実現性があること、また、関係者がそれぞれの立場でできる限りの責任を果たしていることなど総合的に検討し、債権譲渡を行う判断に至ったとの説明がありました。

 委員からは、高度化資金貸し付け後の経営状況の確認、経済や人口の動向といった社会状況の変化に対応する継続的な支援体制づくりが必要であるとの意見や、今回の件を県全体の問題と捉え今後の商工行政にいかしていくべきであるとの意見がありました。

 多額の債権放棄は県民の痛みを伴う苦渋の選択であり、事業再生の失敗は許されないものであります。執行部は、市や関係団体と連携を図り、計画の実現、事業の継続に向け、積極的に取り組まれるよう要望いたしました。

 また、委員から中山間地域における中小小売り業の振興に関する県の考え方の質問があり、執行部からは、中小小売り業が地域の拠点としての機能を維持するための支援や地域内経済の循環を高めるための取り組みを市町村と一体となり進めていきたいとの回答がありました。

 

 次に、意見書の提出を求める陳情の審査結果について報告いたします。

 このたび新規に提出された陳情第107号は、「特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法」の期限延長を求めるものであります。

 この法律は、昭和27年に5カ年の時限立法として制定され、以後現在に至るまで5年ごとに期限延長されております。本県は全域が特殊土壌地帯に指定されており、県民生活の安全・安心を確保するため、引き続き各種の防災対策を推進するとともに、地域農業存続のためには特殊土壌地帯での農地整備に対する国の支援が重要であることから、全会一致をもって「採択」し、意見書を提出すべきとの審査結果でありました。

 なお、この陳情にかかる意見書については、後ほど平谷議員から、提案理由を説明いたしますので、ご賛同いただきますようお願いいたします。

 

 次に、報告事項など所管事項調査における質疑・意見等のうち、主なものについて申し上げます。

 

 まず、農林水産部・商工労働部共管事項についてであります。
 

 「にほんばし島根館」退去申し入れに対する現在の状況について、執行部から、現在、賃貸人に対して移転先候補となりうる物件の提示を求めているが、これまで紹介された物件はいずれも費用対効果の面で検討の対象にはできないものであったとの報告がありました。

 委員からは早急に対応する必要があるのではないかとの意見があり、執行部からは様々な方面から物件情報を収集しながら、現在検討中の「東京アンテナショップの方向性」を踏まえ、早急に対応していきたいとの説明がありました。

 

 次に、農林水産部所管事項についてであります。

 

 平成28年産島根米をめぐる動向について、委員から買取制度の評価について質問があり、執行部からは、平成28年から始まった買取制度は本県のような比較的規模の小さい産地が生き残るために必要な取り組みであること、また、買取価格については、つや姫など需要の多い米の作付け拡大につながるようJAに提案していきたいとの回答がありました。

 このほか委員からは、地域の特徴をいかし、農家の所得の向上につながる指導に努めてもらいたいとの意見がありました。

 

 また、「島根県家畜排せつ物の利用の促進を図るための計画」の策定については、委員から県の畜産技術センターにおける排せつ物の処理方法について質問があり、執行部から一般の農家と同様に家畜排せつ物を堆積し、発酵処理を行っているとの回答がありました。

 9月30日には所管事項調査の参考とするため、出雲市にある島根県畜産技術センターにおいて排せつ物処理の様子を見学し、説明を受けました。

 併せて、雲南市にある島根県畜産技術センターしまね和牛改良科の現地調査を行いました。

 来年、開催される第11回全国和牛能力共進会への出品に向けた取り組みの説明を受けたほか、種雄牛造成の状況について、施設見学と併せ調査を行いました。

 

 以上、農水商工委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 


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